一昨年夏以降再開したこのエントリーですが、タイトルを”前週トップ10初登場曲の最新動向”とした上で、副題を新たに設けています。前週の内容はこちら。
ビルボードジャパンソングチャートの動向を分析する者として、真の社会的ヒット曲とはロングヒットする、年間チャートで上位に進出する作品と考えます。週間単位で上位に入るのは好いことですが、他方で所有指標が極度に強い曲は加算2週目に、また接触指標が所有指標的な動きをなぞる曲(主にLINE MUSIC再生キャンペーン採用曲)はキャンペーン終了後に指標が大きく後退し、総合でも急落することが少なくありません。
この急落は毎週のようにみられます。ソングチャートのトップ10は多いときで5曲程度が毎週入れ替わり、ロングヒットするか否かが極端に分かれます。主にライト層の支持が反映されるストリーミングがロングヒット曲では強い一方、急落する曲はコアファンとライト層との乖離が大きいのですが、これらを1週分のチャートの順位およびポイントのみで判断することは、現状では難しい状況です。
そのため、このブログエントリーではビルボードジャパンに対しチャートポリシー(集計方法)の改善も提案していますが、あくまで自分なりのと前置きしつつもチャートの見方を提示したいと考えたのが、エントリー掲載の理由です。
<3月4日公開分 ビルボードジャパンソングチャート
前週初めてトップ10入りした作品の、前週および当週におけるCHART insight>
※CHART insightの説明
[色について]
黄:フィジカルセールス
紫:ダウンロード
青:ストリーミング
黄緑:ラジオ
赤:動画再生
緑:カラオケ
濃いオレンジ:UGC (ユーザー生成コンテンツ)
(Top User Generated Songsチャートにおける獲得ポイントであり、ソングチャートには含まれません。)
ピンク:ハイブリッド指標
(BUZZ、CONTACTおよびSALESから選択可能です。)
[表示範囲について]
総合順位、および構成指標等において20位まで表示
[チャート構成比について]
累計における指標毎のポイント構成
・なにわ男子「HARD WORK」
2月25日公開分 2位→3月4日公開分 59位
・RIIZE「All of You」
2月25日公開分 3位→3月4日公開分 8位
・≒JOY「電話番号教えて!」
2月25日公開分 6位→3月4日公開分 100位
・Travis Japan「陰ニモ日向ニモ」
2月25日公開分 9位→3月4日公開分 90位
当週のストリーミング表はこちら。



前週はフィジカルセールス指標で20万枚を超えた4曲が総合でもトップ10内に。一方でなにわ男子「HARD WORK」および≒JOY「電話番号教えて!」は当週もストリーミング指標が加点されず総合でも急落しています(前者は集計期間終盤にデジタルを解禁)。RIIZE「All of You」はフィジカルセールス指標が引き続き強いことで総合トップ10内をキープするも、ストリーミング未加点が続いており今後の急落は免れないでしょう。
またデジタル先行リリース(フィジカルセールス指標は今後加点予定)となるTravis Japan「陰ニモ日向ニモ」は、ストリーミング指標が30位から100位未満に急落。同指標は300位以内となり加点はされているものの、総合順位を大きく落としています。

その中にあって、デジタル先行に伴い2週前に6位初登場、前週は61万を超えるフィジカルセールス指標初加算に伴いキャリア初の総合ソングチャート制覇を果たしたM!LK「爆裂愛してる」が当週2位に就けたという状況は注目すべきといえます。同曲についてはビルボードジャパンも複数の記事で採り上げています。
続く2位は、先週本チャートを制したM!LK「爆裂愛してる」。CD売上は初週と比べて減少するも、ストリーミングや動画を微減に留め、2位に食い込んだ。
【ビルボード】Snow Man「オドロウゼ!」が総合首位、M!LK「爆裂愛してる」は2位に食い込む https://t.co/FWAMW1UvYr
— Billboard JAPAN(ビルボードジャパン) (@Billboard_JAPAN) 2026年3月4日
そして当週、じつに5週にわたって変動のなかった2位が入れ替わり、前週3位のM!LK「爆裂愛してる」が1ランクアップ。再生回数は前週比約98.1%と微減しているものの、前週で更新した当チャート自己最高位記録をさらに更新し、自身初の2位獲得となった。なお、Mrs. GREEN APPLE「lulu.」(3位)は惜しくも2位の座を譲ったものの、「爆裂愛してる」との再生回数の差は約10万回とわずか。また、4位のM!LK「好きすぎて滅!」との再生回数差はさらに僅差の約1.9万回となっており、次週以降トップ4の並びがどうなっていくか注目が高まる。
【ビルボード】米津玄師「IRIS OUT」ストリーミング・ソング23度目の首位 HANAアルバム収録曲すべてがチャートイン https://t.co/qck1nFKvqX
— Billboard JAPAN(ビルボードジャパン) (@Billboard_JAPAN) 2026年3月4日
M!LK「爆裂愛してる」はポイント前週比59.1%を記録。10万枚以上のフィジカルセールスを伴い総合ソングチャートを制した曲で、翌週のポイント前週比が5割を上回ったのは米津玄師「IRIS OUT」以来(2025年10月8日公開分 前週比73.7%)。アイドルやダンスボーカルグループに限ると、LE SSERAFIM「FEARLESS」以来3年ぶりとなります(2023年2月8日公開分 前週比88.1%)。詳細は2023年度以降の週間首位曲一覧をご参照ください。




さらに、「爆裂愛してる」とダブルAサイドとなるM!LK「好きすぎて滅!」は当週のポイント下落幅を微減にとどめ(前週比95.8%を記録)、総合ソングチャートで5位をキープしています。

ビルボードジャパンソングチャートでは複数のAサイドが設定されたフィジカルシングルに対し、フィジカルセールス指標を1曲のみに加点します。同指標が加算されない曲が加点対象曲と同時にトップ5内にランクインしたのは、米津玄師「IRIS OUT」とダブルAサイド扱いとなる米津玄師, 宇多田ヒカル「JANE DOE」以来のことです(2025年12月31日公開分 5位)。
これらから、ストリーミングをはじめとするフィジカルセールス以外の指標がフィジカルセールス指標加点対象曲の同指標加算2週目における急落を抑えること、そしてデジタルヒットがダブルAサイドながらフィジカルセールス指標加点対象外となる曲やカップリング作品もきちんと押し上げることが解るはずです。
M!LKは「爆裂愛してる」のフィジカルリリースに伴い、ソングチャートとアルバムチャートを合算したトップアーティスチャートでは前週キャリア初となる3位に到達。当週はダウンするも6位に就け、安定した成績を収めています。しばらくは好調をキープし、ダウンしたとしても下落幅を抑えることができるのではないでしょうか。







