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米ビルボードアルバムチャートで存在感を高めるために必要なこと…瞬発力と持続力、どちらがより重要なのか

米ビルボードアルバムチャートにおける興味深い分析が発信されています。

歌手側への収益がフィジカルセールス1枚あたりおよそ20ドルもあることに驚きますが、店舗を介さない仕組みゆえ成り立つのかもしれません。

 

実際、フィジカルセールスは米ビルボードアルバムチャートで有効に作用します。

Gerbera Music Agency代表の金野和磨さんによるポストで例示されたJ. コールは、前週2月21日付米ビルボードアルバムチャートにて『The Fall-Off』が首位初登場。当週は集計期間内に行われたスーパーボウルハーフタイムショーにてヘッドライナーを務めたバッド・バニーの最新作が急浮上していますが、そのアルバムを抑えての首位獲得です。

(金野さんは"J. Cole"、下記ビルボードジャパンの記事では"J・コール"と表記されていますが、ユニバーサルミュージックジャパンの記載内容(→こちら)に倣い弊ブログでは"J. コール"と表記します。)

 『The Fall-Off』は、J・コールのアルバムとしては初めてデジタル・ダウンロード、ストリーミング配信と同時にアナログ盤(1形態のみ)が発売されたことで売上が大きく押し上げられた。初週で記録した113,000枚のうち、80,000枚(約71%)はアナログ盤による売上で、J・コールにとってアナログ盤の週間最高売上を更新している。R&B/ヒップホップ・アルバムによるアナログ盤の週間売上枚数としては、2025年2月22日付のチャートでケンドリック・ラマーの『GNX』が87,000枚を記録して以来の週間売上枚数を達成した。

米ビルボードアルバムチャートにおいては、主に初登場作品にてフィジカルセールス施策が少なくないことが記事から読み取れます。特に目立つのはレコードリリース、また封入特典の異なる複数種の販売であり、ユニット数(このチャートの単位)の押し上げに貢献します。J. コール『The Fall-Off』は初週28万ユニットを記録し、2位のバッド・バニー『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』(25万ユニット)を上回った形です。

 

この米ビルボードアルバムチャートはフィジカルならびにデジタルのセールスに加えて、単曲ダウンロードのアルバム換算分(TEA)、そしてストリーミングのアルバム換算分(SEA)という複数の指標で構成。米は日本ほどCDショップが充実していないこともあり(実店舗の最大チェーンはウォルマートと耳にしたことがあります)、フィジカルセールスは歌手側のホームページにて販売することが尚の事重要になるわけです。

実際、J. コール『The Fall-Off』が初登場を果たした2月21日付米ビルボードアルバムチャートでは、2位のバッド・バニー『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』も新たなレコードをリリースしたことでデジタルも含むセールスが前週比732%アップの61,000を記録。そして3位に初登場したATEEZ『GOLDEN HOUR: Part.4』は初動20万ユニット中セールスが19万5千に。こちらは25種以上用意されたフィジカルの存在が大きな役割を果たしています。

ATEEZは2月6日にリリースした13THミニアルバム「GOLDEN HOUR : Part.4」で、米・Billboardチャート(2月21日付)を席巻。

本アルバムはメインチャート「Billboard 200」で3位を記録。リリース初週の米国でのアルバム最高販売枚数を更新し、キャリアハイを達成した。

仮に『GOLDEN HOUR: Part.4』のリリースタイミングが異なっていたならば首位獲得の可能性も十分だったATEEZですが、一方で同作品は最新2月28日付で18位に後退(ユニット数は不明)。そしてJ. コール『The Fall-Off』は8万1千ユニット(前週比71%ダウン)となり2位に。一方でバッド・バニー『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』はユニット数がほぼ半減するも(前週比46%ダウンの13万5千を記録)、当週総合アルバムチャートを制しています。

当週のバッド・バニー『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』における指標構成や前週比をみると、セールスは61,000→28,000(前週比45.9%)、SEAは186,000→106,000(前週比57.0%)と推移。前週初登場したわけではないもののレコード追加販売の反動がセールス面に大きく表れた一方で、SEAは(こちらもスーパーボウル効果が薄れたことで大きく後退しながら)より高い前週比を記録していることに注目です。

 

上記は2025年度以降の米ビルボードアルバムチャート、週間1位および2位作品を一覧化した表ですが、ここからは初登場の翌週にユニット数が大きく下がり、総合順位も比較的大きく後退する作品が少なくないことが解ります。特に前作が2→106位と急落したATEEZ等のK-POP男性ダンスボーカルグループ、また今月1→53位と推移したメガデスの新譜等(広義の)ロックジャンルに目立つ後退は、SEAの強くなさがその要因といえます。

他方、K-POPではサウンドトラック『Kpop Demon Hunters (邦題:KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ)』が男性ダンスボーカルグループ作品と異なりロングヒットしていますが、これはHUNTR/X(イジェ、オードリー・ヌナ & レイ・アミ)「Golden」等の収録曲がロングヒットしSEAの上位安定につながったゆえ。最新週にてサウンドトラックでの最長記録となる、初登場時以降35週連続でのトップ10入りを果たしています。

そしてHUNTR/X「Golden」、さらにはロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」も今年のグラミー賞主要部門にノミネートされました。「APT.」もロングヒットし、保守的と呼べるラジオチャートでも「Golden」共々ヒットしています。ストリーミングやラジオといった接触指標での上位安定が総合チャートでのロングヒットにつながり、そしてグラミー賞主要部門候補入りという社会的ヒットの証に至ったといえるのです。

 

 

ちなみに、セールス施策はソングチャートでもフィジカル主体に存在しますが(この点は昨日付エントリー(→こちら)で紹介した最新2月28日付米ビルボードにおけるテイラー・スウィフト「Opalite」が分かりやすい事例でしょう)、特にコアファンを刺激しやすい所有指標に頼らず、いや頼ったとしても最終的には接触指標群の上位安定につなげていくほうがより好いというのが私見です。

ただ日本のメディアにおいては、翌週順位を大きく落としたとして瞬発的な高位置登場を大きく採り上げる傾向にあります。その順位自体に偽りはないとして、たとえば歌手側がグラミー賞等を目標に掲げるのならば瞬発力以上に持続力を強化することが尚の事必要であり、ゆえにチャートアクションを長い目で見ることが求められます。そして、瞬発力で得た好成績をどう訴求させていくかが歌手側にとって重要となるはずです。

また米ビルボードの総合チャートでは、近年のチャートポリシー(集計方法)変更の大半が所有指標の厳格化となっています。首位獲得曲の急落が少なくないことや音楽チャートが社会的ヒットを映しているとは言い難いと判断したゆえの変更とみられ、特にアイドル(的人気を誇る歌手)のファンダムから強い反対意見がその都度聞かれるのですが、ならば接触指標群をどう強化させるかを歌手と共に考えることを提案します。

 

 

コアファンは所有、歌手のファンではないが作品が気になるライト層は接触が行動の主体といえるかもしれませんが、コアファンの接触行動を如何に増やすか、同時にライト層の所有行動を如何に促すかが重要と成るはずです。どちらの行動も大事ながら、より重要なのは接触指標の上位安定であり、それが海外音楽賞での存在感上昇や海外音楽フェスでの重要な位置取りにつながるでしょう。

その意識を強く抱いた上で、冒頭で紹介したGerbera Music Agency代表の金野さんによる発信を参照するよう願います。高い初動且つロングヒットに至る日本人歌手作品の登場を希望します。




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