1月21日公開分のビルボードジャパンアルバムチャート、フィジカルセールス指標の基となるTop Albums SalesチャートではTREASURE『[LOVE PULSE]』が3位にランクインしています。
そして3位には、2025年9月にリリースされたTREASUREの3rdミニアルバム『[LOVE PULSE]』が52,106枚で続く。『[LOVE PULSE]』は当週で累計セールス538,619枚となり、ハーフミリオンを突破した。
【ビルボード】乃木坂46『My respect』22.3万枚でアルバム・セールス首位獲得 https://t.co/6VefNg5pbi
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2026年1月19日
TREASURE『[LOVE PULSE]』は前週1月14日公開分にて52,835枚を売り上げており、直近2週分で10万枚以上を売り上げたことになります。そして総合アルバムチャートでも5→6位と推移し、2週連続でトップ10入り。1月7日公開分では100位未満だったこの作品が急浮上した形です。
一方、アルバムチャートのCHART insightからみえてくるものがあります。

(上記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています(ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています)。また、以下に紹介するCHART insightも同様に、有料会員が確認可能なものとなります。)
昨年9月1日にリリースされたTREASURE『[LOVE PULSE]』は最新1月21日公開分のビルボードジャパンアルバムチャートで総合100位エントリーが17週目となりますが、CHART insightでは黄色で表示されるフィジカルセールス指標が1週を除きすべて20位以内に入っているのが特徴。一方でダウンロード(紫で表示)は登場5週目以降加点されず、ストリーミング(青)は登場14週目を最後に加点対象(300位圏内)から外れています。
ストリーミング指標はソング/アルバムチャートの双方で、週間チャートでの上位進出、そしてロングヒットの要となるものです。King & Prince『STARRING』が総合3連覇且つストリーミング指標3週連続首位を果たした際に掲載したエントリーでは、以下のように記しています(なお『STARRING』は当週総合2位/ストリーミング指標1位を記録)。
ストリーミング指標ではコアファンやファンダム(チャートに意識的なコアファンの集合体と定義)による割合が所有指標群に比べて大きくなく、ライト層(歌手のファンではないが曲が気になる層と定義)やグレーゾーンの聴取行動も大きく寄与します。
ストリーミングはコアファン等の行動も影響しますが、ライト層等の行動がより大きく反映されるものと捉えています。ストリーミング指標が著しく小さいながら総合で上位に進出した作品は直後に急落する可能性が高いのですが、TREASURE『[LOVE PULSE]』においてはフィジカルセールスの安定が総合でのロングヒットにつながっているということが、CHART insightから読み取れるといっていいでしょう。
そのフィジカルセールスの安定については、コアファン等の定期的と呼べる所有行動が影響しているというのが自分の見方です。
コアファン等の定期的な所有行動は、歌手(運営)側の様々なイベント開催によって生まれます。たとえば1月14日公開分のビルボードジャパンアルバムチャート(集計期間:1月5~11日)ではこちら、翌週公開分のチャート(集計期間:1月12~18日)ではこちらが影響したものと考えられます。また前者の内容を踏まえれば、2月18日公開分のチャート(集計期間:2月9~15日)でもアルバムのフィジカルセールスが伸びると予想されます。
TREASURE側のイベント開催によるCD販売、そしてそれに応えるコアファン等という良好と呼べる関係性がフィジカルセールスの安定につながり、『[LOVE PULSE]』のチャートアクションにつながったことは間違いないでしょう。同作品は前週のオリコン週間アルバムランキングを制していますが、オリコンによるポスト(→こちら)への反応からもフィジカル好調の背景が見て取れます。
音楽チャート分析者が考える、施策に関する見方を再掲します。
音楽チャートの施策は、コアファンに過度な物理的または精神的(もしくはその双方)の負担を強いるものでなければ自由だというのが私見です。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ『imaoto on the Radio』) (@Kei_radio) 2025年11月2日
ただし他の歌手の作品と条件を揃えることが大前提であり、デジタル未解禁やアルバムでの単曲ダウンロード禁止等、制限を伴うものには強い違和感を抱きます。
TREASUREの施策がコアファン等にとって、過度な物理的または精神的(もしくはその双方の)負担を強いるもの』になっていないかが気掛かりです。またTREASURE『[LOVE PULSE]』におけるユニークユーザー数(売上枚数に対する実際の購入者数)はどれだけかが気になっています。
TREASUREはソングチャートにおいても施策に意欲的ですが、上記リンク先で採り上げた「PARADISE」はその後ラジオ指標で3→3位→300位未満となり、総合でも23→33位→カウント対象外(構成全指標300位未満)と推移しています。

(TREASURE「PARADISE」のCHART insightにおいて、ラジオ指標(黄緑で表示)は登場4週目(2025年10月1日公開分)で3位を記録した翌週に300位未満へ急落。また上記CHART insightにおける最終表示週は同年12月17日公開分となります。)
上記のようなチャートアクションを辿る曲を”真の社会的ヒット”と呼ぶのは難しいというのが、厳しくも私見です。下記ヒットの8段階表において第2段階にとどまっている状況について、考えを巡らす必要があるでしょう。そしてTREASUREにおいては、このような極端と呼べるチャートアクションが目立ちます。
TREASUREに限らず、歌手の運営側は未来のコアファン候補となるライト層を作り、育てることがより重要ではないでしょうか。
