最新1月24日付米ビルボードソングチャートではブルーノ・マーズ「I Just Might」が首位初登場を果たしていますが、その予想段階では「I Just Might」を抑えてテイラー・スウィフト「The Fate Of Ophelia」が首位をキープするかもしれないと言われていました。
Final Billboard Hot 100 Predictions (chart dated January 24th, 2026) pic.twitter.com/7KmyZDViHY
— Talk of the Charts (@talkofthecharts) 2026年1月17日
上記は米ビルボードソングチャートを予想するXアカウントのTalk of the Chartsによる、1月24日付チャートの最終予想。結果的に上位25曲の順位がすべて的中した形ですが、この予想のひとつ前の段階(中間予想)ではテイラー・スウィフト「The Fate Of Ophelia」が勝ると伝えていました。
Midweek Billboard Hot 100 Predictions (chart dated January 24th, 2026) pic.twitter.com/vhreuXEctp
— Talk of the Charts (@talkofthecharts) 2026年1月16日
中間予想の根拠として考えられたのが、米ビルボードによる最新チャートの集計期間中にテイラー・スウィフトが発表したリミックスの存在。米ビルボードの記事(下記リンク先に翻訳版を掲載)には記載がありませんが、集計期間を同一とする米ビルボードグローバルチャートの記事では、そのリミックスについて言及されています。そしてそのリミックス効果もあり、「The Fate Of Ophelia」はグローバルチャートを制しています。
テイラー・スウィフト「The Fate Of Ophelia」はGlobal 200においてストリーミングが前週比2%アップの7830万およびダウンロードが同41%アップの17,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミングが前週比3%アップの6150万およびダウンロードが同19%アップの6,000を記録し、双方のチャートで通算5週目の首位に。ダウンロード指標の増加は”テリーキャスト(TELYKAST) & ザンツ(XanTz)”リミックスが1月14日に、そのエクステンデッドバージョンが翌15日にリリースされたことに伴います。
Global 200から米の分を除いたものがGlobal Excl. U.S.であり、そこから主要デジタルプラットフォームにおける米での「The Fate Of Ophelia」のダウンロード数は11,000と推測可能。この大半が新たなリミックス(2バージョン)の売上分とみられますが、これらリミックスは当該エントリーの執筆段階でもサブスク解禁は行わず、ダウンロード販売のみにとどめるやり方を採っています(Spotifyのアーティストページ参照→こちら)。
この『サブスク解禁は行わず、ダウンロード販売のみにとどめる』状況は、ザ・チェインスモーカーズによる「The Fate Of Ophelia」リミックスのエクステンデッドバージョンも同様です。テイラー・スウィフトに米ソングチャート初の二桁首位をもたらした((追記あり)【海外ビルボード】米は「The Fate Of Ophelia」が通算10週目の首位、また『ストレンジャー・シングス』関連曲が人気に(1月13日付)参照)、その原動力となったこのバージョンは、未だサブスク解禁されていません。
そのサブスク未解禁、そしてテイラー・スウィフト「The Fate Of Ophelia」におけるこれまでの施策については上記エントリーでまとめています。時系列順にいえばこのエントリー掲載後にTalk of the Chartsの中間予想が登場した形であり、「The Fate Of Ophelia」による新リミックス登場、そしてダウンロード解禁/サブスク未解禁という施策もまた中間予想に加味されたといえるでしょう。
結果的に、1月24日付米ビルボードソングチャートはブルーノ・マーズ「I Just Might」が首位初登場を果たしています。Talk of the Chartsの最終予想と米ビルボードの記事による構成3指標の数値はほぼ同じであり(予想時3250万だったラジオ指標(インプレッション数)が実際3260万だった以外変わらず)、その点からも予想の正確性が解るでしょう。それを踏まえて当該予想をベースに用いるならば、テイラー・スウィフト「The Fate Of Ophelia」はリミックス施策も功を奏しダウンロード指標が好調だったことが解ります。
他方、「I Just Might」はラジオが初登場で12位を記録し、1998年以降のこの指標では男性歌手主演曲における初登場時での最高位を更新しています。ラジオはどんな人気曲であっても初登場時にトップ10入りすることは稀であり、如何にブルーノ・マーズの新曲が待望だったかがよく解ります(楽曲のラジオフレンドリーな点もプラスに作用したといえます)。この実績も「The Fate Of Ophelia」との差につながっています。
ブルーノ・マーズ側にも施策展開がみられますが(ブルーノによるアルバム完成のポスト(→こちら)等もその一環といえます)、最新の米ビルボードソングチャートにおいて「I Just Might」は半ば自力で勝ったといえるかもしれません。というのも、テイラー・スウィフト「The Fate Of Ophelia」においては違和感を抱かせる施策が散見されるのです。
音楽チャートの施策は、コアファンに過度な物理的または精神的(もしくはその双方)の負担を強いるものでなければ自由だというのが私見です。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ『imaoto on the Radio』) (@Kei_radio) 2025年11月2日
ただし他の歌手の作品と条件を揃えることが大前提であり、デジタル未解禁やアルバムでの単曲ダウンロード禁止等、制限を伴うものには強い違和感を抱きます。
コアファンと思しき方が運営する歌手情報アカウントにて「The Fate Of Ophelia」の最新リミックスが発売されることをアナウンスしたポストを目にしたのですが、そこでの反応はファンダム(音楽チャートに意識的なコアファンの集合体と定義)によるテイラー・スウィフトを支えたいという思いと、施策自体への疑義を示すグレーゾーンの否定的な見方に二分された印象です。そして後者にはアンチと呼べる者も散見されました。
アンチの発信はその言葉が無礼に成りやすい点で問題ですが、しかしながら『サブスク解禁は行わず、ダウンロード販売のみにとどめる』やり方を続けているテイラー・スウィフトの姿勢はアンフェアと言わざるを得ないというのが厳しくも私見。仮にダウンロード先行のリミックス版をサブスクで解禁していたならば、「The Fate Of Ophelia」は最新チャートでブルーノ・マーズ「I Just Might」に勝てたのではとも考えます。歌手のファンではないが曲が気になるライト層の存在を、テイラーはどうみているのでしょう。
Never met two collector's edition CDs like this before ✨ Opalite and Opalite (Life Is A Song Acoustic Version) are available for 48 hours or while supplies last at https://t.co/ZSGtuHSAkb. U.S. only 💿 pic.twitter.com/t80r2TJg1o
— Taylor Nation (@taylornation13) 2026年1月21日
テイラー・スウィフトはアルバム『The Life Of A Showgirl』からのセカンドシングルを「Opalite」に据えた模様です。上記ポストのリンク先では同曲を2バージョンずつ収録したCDが、日本時間の1月24日午前4時までの2日間限定で予約販売されています。
・Taylor Swift Official Online Store – Taylor Swift Official Storeより
(日本時間の1月22日早朝にキャプチャしたもの。問題があれば削除いたします。)
2種のCDはそれぞれ、オリジナルバージョンとそのインストゥルメンタル、アコースティックバージョンとそのインストゥルメンタルが収録され、2種のCDで収録曲は被っていません。また発送日は2月16日前後となっており、2週分のチャートに影響することも考えられます。このようなフィジカルリリースは多くの歌手で行っていますが、オリジナルバージョン以外のCD収録曲がサブスクでも解禁されるか、注視が必要です。
このCDリリース等を機に、テイラー・スウィフトは「The Fate Of Ophelia」での施策を終了することも考えられます。ならばテイラー側に対してサブスク未解禁のリミックス版をきちんと発信するよう願うと共に、米ビルボードに対してはダウンロード解禁/サブスク未解禁の曲、また歌手のサイトで販売されながら発送日が未記載のフィジカルが今後出てくるならばその盤について、計算から除外すべきか議論することを願います。


