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『NHK紅白歌合戦』の影響等、年末年始における日本のSpotifyデイリーチャート動向を追う

ビルボードジャパンは本日、2週分のソングチャートを発表します。2025年12月22~28日を集計期間とする2025年12月31日公開分、および2025年12月29日~2026年1月4日を集計期間とする2026年1月7日公開分であり、前者はクリスマス関連曲の勢い、後者は主に『輝く!日本レコード大賞』(TBS 12月30日放送 以下”レコード大賞”と表記)や『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか 12月31日放送 以下”紅白”と表記)の影響が反映されます。

そこで今回、ビルボードジャパンソングチャートにてウエイトの大きいストリーミング指標、その中で全体のおよそ2割を占めるとみられるSpotifyの動向を追いかけます。なおSpotifyよりもApple Musicのシェアが高く、またSpotifyには独特の特性もあるのですが、Spotifyは再生回数がデイリー200位まで開示されているという特長を踏まえ、今回紹介します。

日本のSpotifyにおいては元日付までの傾向を既に採り上げています。今回はそのデータをさらに深堀りした形です。

 

 

さて、まずは年末年始のストリーミング聴取傾向を押さえます。

Spotifyも含め、年末年始はストリーミング再生回数が特に下がる傾向にあります。下記は日本のSpotifyデイリーチャート200位の再生回数推移をグラフ化したものですが、元日付の落ち込み(谷間)が目立ちます。普段の再生回数ベースに戻るのは成人の日(1月第2月曜)以降といえるのですが、昨年は戻るまでにやや時間がかかったという印象です。

それではまず、2026年1月4日付の日本のSpotifyデイリーチャートにて50位までに入った曲、および昨年の紅白で披露された曲で同日付にて100位までに入った作品の推移をチェックします。

 

<日本のSpotifyデイリーチャート 年末年始再生回数推移>

 

・集計期間:2025年12月15日付~2026年1月4日付

・表示対象:2026年1月4日付にて50位以内にランクインした全曲、

      および同日付にて100位以内に入った紅白披露曲

・表示内容について:

  太枠:デイリー50位以内にランクインした紅白披露曲

  歌手名/曲名における色:

   歌手毎のグループ表示 (HANA、Mrs. GREEN APPLE、back number、

   ちゃんみな、およびNumber_i)

  再生回数における色:

   緑:デイリーチャート51~100位ランクイン

   黄緑:同 101位未満ランクイン

   黄色:各曲におけるデイリー最高再生回数記録

      (デイリー50位、200位、1~50位合計分を含む)

  再生回数前日比および前週同曜日比における色:

   青:比較時において2割以上上昇

   水色:同 1割以上2割未満上昇

   桃色:同 1割以上2割未満減少

   赤:同 2割以上減少

 

 

 

上記表から、いくつかの特徴が見えてきます。

 

何よりもまず、紅白効果の大きさが挙げられます。先述したように日本の再生回数は元日が大きく減少する中にあって(その中には昨年の日本レコード大賞受賞曲であるMrs. GREEN APPLE「ダーリン」も含まれます)、紅白披露曲は下落幅を抑え、もっといえば伸びている曲も存在。「IRIS OUT」「怪獣」「SAD SONG」「Tokimeki」等、好意的なリアクションが多くみられた曲の伸びが顕著であることが、表から解ります。

そして元日以降の動向については再生回数前日比以上に、再生回数前週同曜日比をみるとよく分かるでしょう。紅白披露曲の大半で伸びが目立つのみならず、先述したMrs. GREEN APPLE「ダーリン」、またHANAやM!LKにおいては紅白披露曲以外でも伸びていることが可視化されています。地上波長時間音楽特番での露出も影響しているとみられ、紅白未出場ながら=LOVE等にも反映されています。

結果として、1月4日付の日本のSpotifyデイリーチャートにおいては、50位の再生回数が歴代2位となったのみならず、1~50位の再生回数合計分においては最多となっています。この点からは年末年始モードが早くも終わった可能性も想起できますが、やはり紅白効果(たとえば紅白パフォーマンス映像のYouTube展開等を含む)の大きさがみえてくるかもしれません。

今回の傾向から、SpotifyのCM展開を想起した次第です。以前は音楽に親しみながらも最近はそうではないという年齢層をターゲットにしたと思しきCMの発信が昨年は目立っていましたが、ともすればそのような年齢層の方々がSpotifyをチェックするようになったことでボトムアップに至ったのかもしれません。

 

他方、紅白効果が出にくかった歌手も存在します。代表的なのがback numberであり、新曲「どうしてもどうしても」と共に披露された「水平線」は1月2日付における再生回数前日比が大きく伸びたものの、その前後の動きは鈍いといえます。またback numberにおいては紅白披露曲以外において年末年始の減少幅が大きいといえるかもしれません。「クリスマスソング」は季節柄自然なことかもしれませんが、気になります。

先述の通り、紅白効果が歌手全体に波及することはHANAやちゃんみなさんの紅白披露曲以外の動向からもみえてきます。back numberはそのHANAが最多出演本数を誇る昨年末の地上波長時間音楽特番にて5番組に登場していますが(上記リンク先参照)、むしろ「クリスマスソング」や「ヒロイン」といったクリスマス関連曲の人気にback numberの曲が全体的に牽引された、その反動が年末年始に出ているといえるかもしれません。

Spotifyデイリーチャートを追いかけると、back numberをはじめスピッツやNovelbrightによる人気曲が安定する傾向にあることが解っています。これら作品の人気はプレイリストによるところも大きいと捉えていますが、そのプレイリストを普段から聴いている層が年末年始の帰省等に伴い一時的に離れたのかもしれません。実際、1月5日付デイリーチャートでは人気曲の上昇が目立ちます(こちらのポストから始まるスレッド参照)。

(これに似た動きといえるのが、JIN「Don't Say You Love Me」における急落でしょう。同曲は他のサブスクサービスとSpotifyとで人気が大きく乖離しており、コアファンによるSpotify集中型の聴取(Stationheadの活用等)が大きいと捉えています。その層における年末年始の聴取行動が他の歌手のコアファンにより大きく減ったことが、順位そして再生回数前日比/前週同曜日比の後退につながっているのではないでしょうか。)

 

そのプレイリストが施策として機能したといえるのがNumber_iです。2024年から翌年にかけての動向では紅白効果がそこまでみられたとは言い難く、他の作品についても同様でした。この点について『歌手側によるStationhead企画の終了が影響している』(紅白のインパクト、Mrs. GREEN APPLEの上昇…年末年始におけるSpotifyの動向を追う(2025年1月8日付)より)と分析しましたが、昨年から今年にかけては状況が異なっています。

デジタルマーケティングに長けた松島功さんのポストにて、Number_iの年始における施策が紹介されています。元日付では「i-mode」が、翌日付けでは「iLY」等6曲(セカンドアルバムより前の収録曲含む)がSpotifyデイリーチャート200位以内に再登場を果たしていましたが、この施策に伴うものだと納得した次第です。

 

 

さて、2024年から翌年にかけてはMrs. GREEN APPLEライラック」が大きく伸びていました。これは2024年の日本レコード大賞受賞、紅白での披露等地上波長時間音楽特番での活躍のみならず、『さんま・玉緒のお年玉!あんたの夢をかなえたろか30周年SP』(TBS 2025年1月5日放送)への出演も大きく反映されたものと考えます。結果的に同曲は2025年度ビルボードジャパン年間ソングチャートを制するに至っています。

2025年から今年にかけての動きをみると、紅白披露曲の中で再生回数の伸びが大きい米津玄師「IRIS OUT」が一歩抜け出したといえるでしょう。紅白でのパフォーマンス映像がフルバージョンでYouTubeに公開され(フルバージョンでの公開自体珍しいことですが)、その再生回数が昨日時点で1千万回を突破したことも、サブスク人気に波及していると考えるのは自然なことです。

紅白パフォーマンス映像は見逃し配信終了のタイミングで削除される可能性が高く(この状況はあまりにも勿体無いと考えます)、また動画が米津玄師さんの公式YouTubeチャンネルとのコラボレーション投稿ながらNHK MUSIC発ゆえビルボードジャパンソングチャートの動画再生指標ではカウントされない可能性もあります。それでもこの動画が今後に大きく寄与していくのではと考えます。

(ビルボードジャパンソングチャートの動画再生指標にカウントされる動画は、ISRC(国際標準レコーディングコード)が付番されたものとなります。そしてその付番はYouTubeが音楽パートナーと位置付けたチャンネルのみが可能であり、放送局や番組の公式チャンネルは基本的に音楽パートナーという扱いにはならないと捉えています。)

 

本日発表される2週分のビルボードジャパンソングチャートでは、米津玄師「IRIS OUT」が総合ポイント面でも上昇する可能性が考えられます。そして、グローバルチャートにおける動向にも注目です。以前このように記したゆえ、尚の事です。

ただし、たとえば米津玄師さんが『NHK紅白歌合戦』に出場し「IRIS OUT」を披露するならば、状況は変わると考えます。Global Japan Songs Excl. Japanへの影響度は不明ながら、番組の日本の音楽チャートへの影響を踏まえればGlobal 200やGlobal Excl. U.S.における上昇は想起可能です。海外ではGlobal Japan Songs Excl. JapanよりもGlobal 200の認知度が高いだろうゆえ、オファーがあれば出場を前向きに検討すべきと考えます。

 

「IRIS OUT」は米ビルボードによるGlobal 200にて大きく上昇しています。クリスマス関連曲の後退も影響していますが、次週においても上昇する可能性が考えられます。

Spotifyのグローバルチャートでは、1月4日付にて192位に登場。翌日付では200位未満に後退するも、「IRIS OUT」の200位以内エントリーは2025年11月18日付(184位)以来となります。紅白効果が今後も持続すればグローバルチャートでの再浮上も可能となるゆえ、海外へもリーチ可能と思しき紅白動画はやはり消すべきではないというのが私見です。

 

 

ビルボードジャパンソングチャートや米ビルボードによるグローバルチャートはこのブログで随時紹介しています(チャート関連スケジュールは米ビルボードおよびビルボードジャパンのチャート公開スケジュール一覧 (2026年1月時点)(1月4日付)にてまとめています)。Spotifyの動向についは成人の日(1月12日 月曜(祝日))が終わったタイミングにて、分析内容をあらためて掲載する予定です。




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