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米津玄師が『NHK紅白歌合戦』出場決定…「IRIS OUT」の世界的ヒットについて今一度まとめる

『第76回NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか 以下"紅白"と表記)では今週に入り、出場歌手がさらに追加されています。その2組については、紅白最終予想時に掲載していました(若干異なる部分があるゆえその点は後述します)。

 

 

松任谷由実さんについては『アルバムリリースのタイミングでNHKを含むメディア露出が増えている』と最終予想エントリーで記しています。今回はアルバム『Wormhole / Yumi AraI』から「天までとどけ」を、そしてもう1曲を披露することが明らかになっていますが、2018年の紅白で松任谷さんと共演したサザンオールスターズもまた今年アルバムをリリースしており、後者の追加アナウンスがあるかに注目です。

 

そして米津玄師さんについては、テレビパフォーマンス自体が3度目。そしていずれも紅白での披露となります。注目は上記ポストにおける『ヒットチャートを席巻し続け
世界的にも大ヒット』という文言です。まずは日本の状況を確認します。

 

 

紅白が特にヒット曲(および輩出した歌手)の選定において、ビルボードジャパンのチャートを重視していることは以前からお伝えしています。そのビルボードジャパンによる2025年度年間ソングチャートでは米津玄師「IRIS OUT」が4位に。しかも同曲は、初登場からわずか10週での到達となります。

米津玄師「IRIS OUT」が主題歌となった映画「劇場版『チェンソーマン レゼ篇』」自体も、興行収入が現時点で92億円を突破する大ヒットに。その人気は「IRIS OUT」に波及し、10月1日公開分ソングチャートでは構成指標が8→6となった2023年度以降において週間最多ポイントを更新しています。この勢いは同じくアニメ主題歌であるYOASOBI「アイドル」、またCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」を彷彿とさせるものです。

先述したMrs. GREEN APPLEライラック」の動向(過去に例を見ないリリース翌年度の勢いの増幅)も素晴らしいながら、「アイドル」や「Bling-Bang-Bang-Born」のようなリリース間もないタイミングから著しい強さを発揮したのは今年度では米津玄師「IRIS OUT」が初といえます。無論リカレントルールの存在も年間チャート上位進出につながったとして、週間チャートでの独走はそのルールがなくとも成し得たはずです。

 

ビルボードジャパンによる2025年度年間チャート、10の注目ポイントとは(12月5日付)より

ビルボードジャパンの年間チャート振り返りにて、米津玄師「IRIS OUT」の強さを注目点のひとつに挙げました。その際、「IRIS OUT」のチャートアクションは『YOASOBI「アイドル」、またCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」を彷彿とさせる』と述べましたが、いずれの曲も紅白で披露されることに。「アイドル」は紅白が初のテレビパフォーマンスの場ということもあり、その点からも紅白の重要性が解るでしょう。

(紅白が初のテレビパフォーマンスの場という状況は、2025年度ビルボードジャパン年間ソングチャートで7位に入ったサカナクション「怪獣」も同様とみられます。)

なお自分は、紅白出場歌手最終予想の段階で米津玄師さんを、宇多田ヒカルさんとの共演クレジットにて特別企画枠に入れていました(「IRIS OUT」のみならず、ロングヒットした「JANE DOE」も披露されるのではと記しています)。その可能性は高くないだろうとして、昨年のB'zのようなサプライズを期待したいと思います。

 

 

さて、米津玄師「IRIS OUT」における強さは、海外においても同様です。

ビルボードジャパンには日本の楽曲の海外ヒットを測るGlobal Japan Songs Excl. Japanというソングチャートが存在します。これは米ビルボードによるGlobal 200から日本市場分を除いた上で日本の楽曲のみを抽出するというものですが、そのGlobal Japan Songs Excl. Japanでは最新12月18日公開分(集計期間:12月5~11日)にて「IRIS OUT」が13連覇を達成しています。

そして重要なのは、Global Japan Songs Excl. Japanの基となるGlobal 200での強さです。Global 200は米ビルボードが2020年9月に開始したソングチャートで、世界200以上の国や地域における主要デジタルプラットフォームでのストリーミング(動画再生含む)およびダウンロードで構成(Global 200のほか、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.も存在)。そのチャートで米津玄師「IRIS OUT」はロングヒットを記録しています。

上記は米ビルボードによるふたつのグローバルチャートでの、日本の楽曲のトップ10ヒット一覧。日本の楽曲はGlobal 200よりもGlobal Excl. U.S.でのヒットが大きくなる傾向にあり、Global 200での複数週トップ10入り自体が難しいことがよく解ります。その状況下で米津玄師「IRIS OUT」はGlobal 200で日本の楽曲として最高位となる5位に到達し、そのGlobal 200では通算4週に渡りトップ10入りを果たしているという状況です。

(なお10月18日付ではテイラー・スウィフト『The Life Of A Showgirl』が米アルバムチャートで初登場を果たしたことにより収録曲が上位を席巻。それにより「IRIS OUT」はGlobal 200で17位、Global Excl. U.S.では13位に後退していますが、同曲はその後双方のチャートでトップ10内に返り咲いています。)

先程はビルボードジャパンソングチャートでの「IRIS OUT」の動向を『YOASOBI「アイドル」、またCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」を彷彿とさせる』と記しましたが、Global 200での複数週トップ10入り、且つGlobal Excl. U.S.での2位以内到達もまた、「IRIS OUT」と「アイドル」「Bling-Bang-Bang-Born」との共通項となります。紅白はこのグローバルヒットも考慮に、米津玄師さんに出演を打診したと考えていいでしょう。

 

 

さて、米津玄師「IRIS OUT」においては、紅白での宇多田ヒカルさん登場があるかどうかもさることながら、今後のチャート動向にも注目です。

 

YOASOBI「アイドル」がグローバルチャートでの集計期間初日に当たる金曜に英語詞版をリリースしたことでGlobal Excl. U.S.初制覇に至ったというような施策(上記参照)が、米津玄師「IRIS OUT」ではあまり行われていないようにみえるというのが率直な私見です。米津さんによるメディア露出の多くなさも相まって、同曲がクリスマス後にグローバルチャートで再浮上するかは難しいのではと捉えています。

ただし、たとえば米津玄師さんが『NHK紅白歌合戦』に出場し「IRIS OUT」を披露するならば、状況は変わると考えます。Global Japan Songs Excl. Japanへの影響度は不明ながら、番組の日本の音楽チャートへの影響を踏まえればGlobal 200やGlobal Excl. U.S.における上昇は想起可能です。海外ではGlobal Japan Songs Excl. JapanよりもGlobal 200の認知度が高いだろうゆえ、オファーがあれば出場を前向きに検討すべきと考えます。

 

グローバルチャートにおける米津玄師「IRIS OUT」の推移をまとめ、今後の動向を予想する(11月26日付)より

米津玄師「IRIS OUT」においては日本、そして海外での下落幅が小さくないという印象でした。無論そこにはクリスマス関連曲の上昇に伴う相対的な順位の降下もありつつ、しかしストリーミング再生回数やビルボードジャパンソングチャートにおけるポイント推移から気になっていた点であり、ゆえに上記エントリーを記した次第です。しかしながらその状況は、紅白パフォーマンス前の段階で既に解消されつつあります。

今月半ばに公開された"レゼダンス"動画の影響(ダンス動画の人気が動画を含むストリーミングに波及したこと)からか、最新12月27日付のGlobal 200では「IRIS OUT」の順位が上昇。当週はクリスマス直前週であり、クリスマス関連曲の多くが上昇している中での「IRIS OUT」の推移は大きな意味を持つと考えます。

一方でビルボードジャパンの動向は本日判明しますが、集計期間前半3日間の速報値においてはストリーミング指標の基となるStreaming Songsチャートの再生回数が前週より上昇。そして速報記事では、ビルボードジャパンがレゼダンスについて触れています。

ここ数週はペースダウンの傾向が見られていた「IRIS OUT」だが、12月12日に同曲を使用した「レゼダンス」のアニメーション映像が公開された影響か、当週前半3日間の再生回数は前週同一集計期間比で約2.6%増加した。現在2位の約1.7倍の再生回数を記録しており、14週連続での首位獲得が視野に入ってきている。

 

 

レゼダンス効果とその持続、紅白出場アナウンス、そして紅白でのパフォーマンスと続くことで、(パフォーマンスの話題が大きければ尚の事)「IRIS OUT」が年末年始にかけて日本のチャートを席巻し、海外ではクリスマス関連曲の後退タイミングで順位を大きく伸ばすかもしれません。その動向に注目すると共に、チャートを席巻した曲を輩出した歌手をきちんと迎えている紅白のキャスティング(力)に、感服するばかりです。

 

 

最後に、注目点等を3つ記します。

 

来年2回目が開催されるMUSIC AWARDS JAPAN、その主要部門発表の場となるGrand Ceremonyの模様がNHKで放送されると昨日アナウンスされています。

MUSIC AWARDS JAPANはビルボードジャパンによる各種チャートを主体に、ノミネート前段階となるエントリー作品や歌手が決まります。そのチャート状況を踏まえれば、MUSIC AWARDS JAPANの主要部門に米津玄師さんの作品、また米津さん自身がノミネートされる可能性は十分考えられます。NHKと米津さんとの強固なコネクションも踏まえ、ノミネートされた際は米津さんがパフォーマンスすることを願うばかりです。

 

続く注目点は、米津玄師「IRIS OUT」が歌詞そのままの形で披露されるかということ。Xにて教えていただいたのですが、一部表現を伏せる(いわゆる"ピー音"を被せる)バージョンが用意されたことで、有線放送でも流れるようになったとのこと。そのことから自分は、海外におけるペアレンタル・アドバイザリーを想起した次第です。

日本ではペアレンタル・アドバイザリーの概念自体が浸透しているとはいえません。ならば紅白には、歌詞の一部を伏せる等を行わないならばパフォーマンス前にその旨についての前置きを発信することを願います。仮に歌詞そのままで放送した場合、一部メディアが歌手側を過度に責め立てる可能性が容易に想像可能ゆえ、尚の事です。

(個人的には、日本にペアレンタル・アドバイザリーの考え方を根付かせた上で、受け手が自覚的に取捨選択できるように成ることが最善と考えます。ならばメディア側が議論の場を積極的に設けることこそ、好い未来につながるはずです。)

 

最後に。NHKには紅白映像のYouTubeでのフルバージョン公開、且つ期間限定を設けない形での公開を願います。YouTubeによるコラボレーション投稿機能を用いるならばなお好いでしょう(この機能についてはYouTubeコラボレーション投稿機能が持つ可能性と、そこから浮かぶビルボードジャパン歌手別チャートへの疑問(10月11日付)にて紹介)。この点が難しいことは承知で、しかしあらためて述べさせていただきます。

また紅白は他の番組よりもYouTubeに積極的です。しかしNHK ONEの開始等からみられるように、他メディアからの過度な反発(および背景にある自己保身)に伴い、NHKは発信に関して制限せざるを得ない状況に陥っているものと捉えています。

日本の音楽業界はグローバル化を目指していますが、その際YouTubeの活用は欠かせません。そのYouTube等ネット活用の足枷になるようなメディアこそ、省みる必要があるはずです。

紅白に対し、YouTube等の徹底的な活用を願います。そして紅白を旧態依然と発する者に対し”では自分(のメディア)はどうか”を自問自答し、”紅白そして自分たちが良くなるにはどうすべきか”を客観的に考えるよう、強く願います。

 

『第76回NHK紅白歌合戦』、発表された曲目から考えること(12月20日付)より

YouTubeの活用は、日本の楽曲のグローバルヒットにも大きく関わるものです。日本のエンタテインメントを世界に轟かせたいならば尚の事、旧態依然の考えを持つ組織や市井こそ変わらなければならないはずです。




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