以下の内容はhttps://www.imaoto.com/entry/2025/12/14/070000より取得しました。


ビルボードジャパンおよび主要ストリーミングサービスの年間チャートを表にまとめ、比較する

2025年度のビルボードジャパン年間チャートは12月5日に発表されています。ソングチャートについてはビルボードジャパンによる2025年度年間チャート、10の注目ポイントとは(12月5日付)にて分析していますが、今回はビルボードジャパンソングチャートに最も影響を与えるストリーミング指標、また動画再生指標のデータ提供元である主要ストリーミングサービスの年間チャートを検証します。

 

対象となるチャート/サービスは以下の通りです。なおサービス毎に集計対象期間および公開範囲が異なりますのでご注意ください。

 

ビルボードジャパン総合ソングチャート (100位まで公開)

 (集計期間:2024年11月25日~2025年11月23日)

 

ビルボードジャパンStreaming Songsチャート (100位まで公開)

 (集計期間:2024年11月25日~2025年11月23日)

 ※ ビルボードジャパンソングチャートのストリーミング指標においては、ロングヒット曲に対し減算処理を行うという形でのリカレントルールを2025年度下半期初週より適用していますが、この指標の基となるStreaming Songsチャートは減算処理前のデータとなります。

 

Spotify (100位まで公開)

 (集計期間:2025年1月~11月末 (朝日新聞の記事(→こちら)より判明)

 

Amazon Music (50位まで公開)

 (集計期間:2025年1月1日~10月15日)

 

Apple Music (100位まで公開)

 (集計期間:不明 (記事自体見当たらず))

 

・LINE MUSIC (100位まで公開)

 (集計期間:2025年1月1日~11月6日)

 

 

以下は動画関連。なおYouTubeのみビルボードジャパンソングチャートの動画再生指標(オーディオストリーミングはストリーミング指標)に加算され、YouTubeショート等は対象外となります。またTikTok音楽チャートは現在オリコンから発信されており(プレスリリースはこちら)、2025年度年間ランキングにて同チャートが公表されるかは不明です。

 

YouTube  (100位まで公開) / YouTubeショート (10位まで公開)

 (集計期間:2025年1月1日~10月31日)

 ※ "国内トップ楽曲"ランキングでは『対象は、2025 年に公開された楽曲、または前年比で大幅に視聴数が増加した楽曲で、公式ミュージックビデオや歌詞動画、アートトラックの視聴数を含みます』、また"国内トップショート楽曲"ランキングでは『対象は、2025 年に公開された楽曲、または前年比で大幅にショート動画のアップロード数が増加した楽曲』とあり、2024年以前の公開曲は基本的にランキング外となります(『』内は2025 年日本の YouTube 年間ランキング発表 - YouTube Blog(12月3日付)より)。

 

TikTok (10位まで公開)

 (集計期間:不明)

 

UGC (ビルボードジャパンTop User Generated Songsチャート) (20位まで公開)

 (集計期間:2024年11月25日~2025年11月23日)

 

同種の検証は昨年も実施していますが(主要サブスクサービスの年間チャートを比較する(2024年12月30日付)参照)、そこで述べた"集計期間が明示されていないサービスがある" "集計期間が1年より短い"、さらに"一部サブスクサービスでは記事が存在しない"等の問題は解決されないままです。最善はビルボードジャパンのように集計期間の明示、集計期間を52週(もしくは53週)にすること、そして記事化の用意だと考えます。

 

 

それでは、各ストリーミングサービスの上位曲について、ビルボードジャパンによる総合ソングチャートを基軸とする形でまとめた表を掲載します。



 

 

上記表から見えてくるのは、各ストリーミングサービスにて強い曲に違いがあるということです。

 

ビルボードジャパンによるStreaming Songsチャートに最も近いのはApple Musicといえますが、一方でApple MusicやLINE MUSICで強さを発揮するヒップホップについてはビルボードジャパンStreaming Songsチャートで強くないという状況です。これはSpotify等他のストリーミングサービスにおいて強くないことが影響しているといえます。

一方でLINE MUSICでは、再生キャンペーン採用曲が週間チャートでは上位に進出する一方で年間単位となるとその影響力が弱まっています。ゆえにキャンペーンに頼らない、コアファンのみならずライト層等に支持されるヒットを作ることが大事であることが解ります。ただし、LINE MUSIC再生キャンペーンを採用した櫻坂46「UDAGAWA GENERATION」が同サービスで100位以内に入ったことは注目すべきと感じています。

 

そのLINE MUSICは、再生キャンペーンのないApple Musicと傾向が似ているといえるかもしれません。

LINE MUSICでは『独自のロジックで算出した年間ランキングをもとに2025年にランキングが上昇した・話題を集めた注目の楽曲やアーティストを選出』しています(『』内はLINE MUSIC 年間ランキング2025発表、Mrs. GREEN APPLEが主要部門「年間楽曲ランキング」「年間アーティストランキング」を含む5部門で5冠達成の快挙 | Musicman(12月8日付)より)。そこで選ばれた10組(10曲 上記リスト参照)は興味深いといえます。

記事では『加速する“ガールズパワー”』『ショート動画発のバイラルヒットが進化』『若年層を中心に支持を集めたヒップホップ』の3つをトピックとして挙げています。KAWAII LAB.や=LOVE、またヒップホップは先述したように、LINE MUSICとApple Musicが特に人気が高いことが今回作成した表から証明されたといえるでしょう。

 

他方Amazon Musicでは、LINE MUSICでトレンドアワード2025を受賞したHANA「ROSE」や多くのガールズグループ作品について他のサブスクサービスより順位が低く、トレンドを追うよりも以前からストリーミングで人気の高い歌手や作品を継続的に支持する傾向が強いように思われます。

そしてSpotifyにおいてもガールズグループの曲が強くない一方で、Spotifyで強さが際立つ(他のストリーミングサービスと乖離する)曲が複数みられるのも特徴です。JIMIN「Who」やJIN「Don't Say You Love Me」といったBTSメンバーのソロ曲、またNumber_iの複数曲等がそれに当たります。

LINE MUSIC再生キャンペーンは一定回数以上再生したユーザーに全員、もしくは抽選でプレゼントが当たり、中には再生回数が増えるほど当選確率が上昇すると謳う場合も少なくなく、ライト層の継続的な支持が反映されるストリーミング指標に対しコアファンの熱量を注ぐ傾向がみられました。しかしこのキャンペーンは終了直後の急落を招くのですが、Spotifyではプレゼント等が用意されずとも勢いが持続する傾向がみられます。

これらを踏まえるに、上記で採り上げた歌手のファンダムは他の歌手以上にSpotifyでの再生回数を強く意識し、それが同サービスの再生回数に大きく反映されるというのが自分の見方です。Spotifyは日々200位までの再生回数が可視化されるために順位や再生回数の推移(特に後退)が発奮材料となり、またStationheadや最近ではSpotify自体もリスニングパーティーを実施することで熱量がより反映されるようになったと捉えています。

その傾向については上記エントリーにて背景を分析していますが、今回のストリーミングサービス比較表を作成するとその傾向はさらに如実となったと捉えていいでしょう。一方でこの結果が、たとえば米ビルボードにおけるJIMIN「Who」の2025年度年間チャート上位進出につながっていることは注視すべきと考えます(米で57位、Global 200で21位およびGlobal Excl. U.S.で17位を記録)。今後はこの傾向が高まるかもしれません。

 

 

今回はYouTubeおよびショート動画、また動画やストリーミング再生に影響を及ぼすとされるUGC("歌ってみた"等に代表されるユーザー生成コンテンツ)のチャートを併記し、さらにビルボードジャパンソングチャートによるストリーミング/動画再生指標の順位についても掲載しています。なおYouTubeおよびYouTubeショートは2025年公開動画のみランキングの対象としています(ただし前年公開分で大きく伸びた動画を含みます)。

ストリーミングと動画再生指標は似た動きをすると捉えていますが、YouTube年間チャートやビルボードジャパンソングチャートの動画再生指標をみるとアイドルや(広義の)ネット音楽の強さが目立ちます。一方で、特に後者はストリーミングが強くないため、クリエイター全般がストリーミングを、もっといえばビルボードジャパンソングチャートを強く意識することで、最終的にネット音楽全体がより認知されるものと考えます。

 

その動画関連では、米津玄師「IRIS OUT」の支持の大きさが見て取れます。音楽ストリーミングサービスでは年間チャートの集計期間がビルボードジャパンのそれよりも早く終わっていたこともあり、どのサービスでもビルボードジャパン総合ソングチャートより順位は低いのですが、しかしYouTubeでは2位に入ったほか(ソングチャートの動画再生指標も同様)、ショート動画でも2位、UGCでは19位を記録しています。

米津玄師「IRIS OUT」は、主題歌に起用された映画「劇場版『チェンソーマン レゼ篇』」の本編映像が使用されており、映画の予告編的な意味合いも含まれていたことが動画でのヒットにつながったのではないでしょうか。加えて先週にはこのような動画も公開されており、今後はUGC経由での人気(再)拡大の可能性も考えられます。

米津玄師さんは「Plazma」や「BOW AND ARROW」でも、ストリーミング以上に動画関連の順位が高いといえます。先程は『クリエイター全般がストリーミングを、もっといえばビルボードジャパンソングチャートを強く意識することで、最終的にネット音楽全体がより認知されるものと考えます』と記しましたが、米津玄師さんの動向を分析し、施策等を取り込むことも好いかもしれません。

 

 

最後に。ビルボードジャパンによるStreaming Songsチャートや各音楽ストリーミングサービスのすべてでトップ10入りした6曲は、いずれもMrs. GREEN APPLEによる作品となります(「ライラック」「ダーリン」「ケセラセラ」「Soranji」「青と夏」、そして井上苑子さんを迎えた「点描の唄」)。先程は各サブスクサービスの特徴を紹介しましたが、Mrs. GREEN APPLEの作品は特定のサービスに偏らず、全体的に強いことが解ります。

ストリーミング時代に過去曲が長く愛されることについては、今回の表からもよく分かるでしょう。その過去曲のニーズをより引き出すのが、きちんとデジタルを解禁し、施策を徹底するということ。それにより、例えば新曲リリース時に過去曲がより大きくフックアップされるようになります。そのことに特に意識的なのがMrs. GREEN APPLEと考えられ、メディア露出の多さも相まって現在の地位を築いたといっていいでしょう。

ビルボードジャパンはStreaming Songsチャートをソングチャートのストリーミング指標へ落とし込む(指標化する)際、ロングヒット曲において減算処理を行うというリカレントルールを2025年度下半期初週より適用しています。その前後にはチャートを席巻する曲や歌手に対し、たとえば"ずるい"という言葉が聞こえていましたが、その言葉をためらいなく発信する前に、なぜそれら曲や歌手が強いのかを知ることが重要です。

ビルボードジャパン年間チャートを特集したラジオ番組『imaoto on the Radio』(NFRSラジオ 12月6日放送回)にてそのような声への違和感を述べ、リカレントルールやチャート自体の仕組み等を周知徹底するようビルボードジャパンへ提案しました。それだけではなく、たとえば新曲が(特にリリース直後から)もっと聴かれるようになるにはどうすべきかを考える等、自身を含むユーザー全般の活性化を図ることがより重要でしょう。

 

 

ビルボードジャパン総合ソングチャートやStreaming Songsチャート、そしてビルボードジャパンにデータを提供する各ストリーミングサービス等の年間チャートを比較しました。ひとつのサービスのデータだけに頼ることなく、複合データから成るチャートと比較することを勧めます。




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