昨年夏以降再開したこのエントリーですが、タイトルを”前週トップ10初登場曲の最新動向”とした上で、副題を新たに設けています。前週の内容はこちら。
ビルボードジャパンソングチャートの動向を分析する者として、真の社会的ヒット曲とはロングヒットする、年間チャートで上位に進出する作品と考えます。週間単位で上位に入るのは好いことですが、他方で所有指標が極度に強い曲は加算2週目に、また接触指標が所有指標的な動きをなぞる曲(主にLINE MUSIC再生キャンペーン採用曲)はキャンペーン終了後に指標が大きく後退し、総合でも急落することが少なくありません。
この急落は毎週のようにみられます。ソングチャートのトップ10は多いときで5曲程度が毎週入れ替わり、ロングヒットするか否かが極端に分かれます。主にライト層の支持が反映されるストリーミングがロングヒット曲では強い一方、急落する曲はコアファンとライト層との乖離が大きいのですが、これらを1週分のチャートの順位およびポイントのみで判断することは、現状では難しい状況です。
そのため、このブログエントリーではビルボードジャパンに対しチャートポリシー(集計方法)の改善も提案していますが、あくまで自分なりのと前置きしつつもチャートの見方を提示したいと考えたのが、エントリー掲載の理由です。
<2025年12月10日公開分 ビルボードジャパンソングチャート
前週初めてトップ10入りした作品の、前週および当週におけるCHART insight>
※CHART insightの説明
[色について]
黄:フィジカルセールス
紫:ダウンロード
青:ストリーミング
黄緑:ラジオ
赤:動画再生
緑:カラオケ
濃いオレンジ:UGC (ユーザー生成コンテンツ)
(Top User Generated Songsチャートにおける獲得ポイントであり、ソングチャートには含まれません。)
ピンク:ハイブリッド指標
(BUZZ、CONTACTおよびSALESから選択可能です。)
[表示範囲について]
総合順位、および構成指標等において20位まで表示
[チャート構成比について]
累計における指標毎のポイント構成
12月3日公開分 1位→12月10日公開分 20位
・M!LK「好きすぎて滅!」
12月3日公開分 10位→12月10日公開分
当週のストリーミング表はこちら。



また、前週トップ10内に再登場した曲の当週動向はこちら。
・MAZZEL「Only You」
12月3日公開分 3位→12月10日公開分


M!LK「好きすぎて滅!」については昨日付エントリーにて紹介しています。
その際もお伝えしたように、最新12月10日公開分ソングチャートではトップ10のうち7曲が入れ替わっています(M!LK「好きすぎて滅!」は米津玄師さんによる2曲共々トップ10内をキープ)。一方で、次週も上位にとどまる可能性が高い曲は多くはないものと捉えています。
<2025年12月10日公開分 ビルボードジャパンソングチャート
当週初めてトップ10入りした作品のCHART insight>
・Number_i「LAVALAVA」
12月10日公開分 2位
・DOMOTO「愛のかたまり」
12月10日公開分 3位
・モーニング娘。'25「てか HAPPYのHAPPY!」
12月10日公開分 4位
・SUPER★DRAGON「Concealer」
12月10日公開分 5位
・Official髭男dism「Sanitizer」
12月10日公開分 6位
・HANA「NON STOP」
12月10日公開分 7位
・KID PHENOMENON from EXILE TRIBE「Black Flame」
12月10日公開分 9位
トップ10内初進出の7曲は、デジタルリリースが4曲(ダウンロード指標1~4位)、およびフィジカルセールス初加算が3曲(同指標1~3位)という構成ですが、後者の3曲のうちモーニング娘。'25はサブスク未解禁、また残る2曲はデジタル先行解禁だったものの前週の時点ではデジタル指標群が未加点となっていました。フィジカルセールス指標は2週目に急落するため、デジタルが強くなければ総合でも大きく後退するでしょう。
デジタルリリースの4曲のうちDOMOTO「愛のかたまり」はKinKi Kids時代の人気曲をセルフカバーしたもの(アレンジ等が異なるためオリジナルバージョンに合算されず)。オリジナルバージョンはデジタル全般、またカラオケでも急浮上し総合でも88→56位と推移しながら、DOMOTO版はストリーミングが300位未満となり未加算に。この指標が加算されなければロングヒットは難しく、オリジナル版と順位が入れ替わると考えます。
Number_i「LAVALAVA」はセカンドアルバム『No.Ⅱ』デラックスエディションにて追加収録された作品。前作『No.Ⅰ』にて追加収録された「HIRAKEGOMA」は2024年12月11日公開分にて3位に初登場した翌週に36位へ後退しています。指標構成は似ている一方で初登場時のポイントは「LAVALAVA」が「HIRAKEGOMA」より低く、似た動向を辿る可能性は高いとみられます。
Official髭男dism「Sanitizer」およびHANA「NON STOP」は好調に推移するも、「Sanitizer」が集計期間初日にあたる12月1日月曜にリリースされた一方で「NON STOP」は5日目にあたる12月5日金曜のリリース。ストリーミングは1週間フル加算されたほうが有利ながら、「NON STOP」は「Sanitizer」を上回ったのみならずストリーミング指標ではわずか3日分でトップ10入りを果たしています。
ゆえに、「NON STOP」が次週初の1週間フル加算に伴い7曲の中で最上位に残る可能性が高いといえます。さらに同曲は金曜リリースであり、米ビルボードによるグローバルチャート(Global 200、およびGlobal 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.)では12月5日金曜を集計期間初日とする12月20日付で200位以内に初登場する可能性も考えられます。HANAが金曜リリースを設定した理由は解りかねますが、気になる動きです。
他方、前週フィジカルセールス指標が初加算となった乃木坂46「ビリヤニ」は1→20位、MAZZEL「Only You」は3→30位に後退。また初週フィジカルセールスがミリオンを突破し2週目も高水準を記録、前週は総合5位につけていたINI「Present」は当週59位に大きく後退しています。デジタルを味方につける必要性は、これら作品の後退からも解るのではないでしょうか。


フィジカルセールス加算2週目における総合チャートでの後退は毎週のようにみられます。このブログにてフィジカルセールス指標のウエイト減少等に関するチャートポリシー(集計方法)変更をビルボードジャパンに対し提案し続けているのは、それが理由です。デジタルに強い曲が高いフィジカルセールスを獲得すれば持続力と瞬発力の双方に長け、大ヒットに至るだろうと考えるに、やはりデジタルに強くなることは必須です。











