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「怪獣」「革命道中」そして「IRIS OUT」でも…音源の事前公開で"渇望を作ること"が重要に成っている件

今年の日本を代表するヒット曲、そして現在ヒット中の作品には共通の特徴がみられます。

(上記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています。ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています。)

サカナクション「怪獣」およびアイナ・ジ・エンド「革命道中」のCHART insightにおいては、総合100位以内に初登場する前の段階からランクインしている指標等が存在しています。

 

 

CHART insightは構成指標等がひとつでも300位以内に入れば総合100位以内に達しなくともその時点が初週の扱いとなるのですが、サカナクション「怪獣」に関しては茶色で表示されるUGCが2024年11月20日公開分にて初ランクイン。UGCは”歌ってみた”等に代表されるユーザー生成コンテンツを指し、ソングチャートの構成指標には含まれないものの動画再生やストリーミングに波及する傾向があります。

サカナクション「怪獣」は昨年10月から2クールにかけて放送されたテレビアニメ『チ。 ―地球の運動について―』(NHK総合)のオープニング曲。同曲は2025年2月20日にデジタルリリースされ同月26日公開分のソングチャートで2位に初登場を果たしますが、それまで公開されていたのが上記ノンクレジットオープニング映像となります。

この動画はスカパー・ピクチャーズ チャンネルの公式YouTubeチャンネルで公開されていますが、同チャンネルはYouTubeにおける"音楽パートナー"という位置付けではないとみられ、ビルボードジャパンソングチャートの動画再生指標でカウント対象となるISRC(国際標準レコーディングコード)を付番できないものと思われます。それでも音源リリースまでの間、この動画の用意がリリースの待望度を高めたことは間違いないでしょう。そして期待の大きさがユーザーのUGC動画制作に至らせたのかもしれません。

 

アイナ・ジ・エンド「革命道中」もまたアニメタイアップ曲であり、テレビアニメ『ダンダダン』第2期のオープニングを飾っています。このノンクレジットオープニング映像も公開されていますが(→こちら)、7月2日のデジタルリリース後に公開されています。

「革命道中」は5月28日公開分のビルボードジャパンソングチャートでラジオ指標が加算され、それがCHART insightにおける1週目に。これは全国放送のラジオ番組で初オンエアされたことが要因であり、どうやらイレギュラーの事態だったことが番組SNSから解ります。

アイナ・ジ・エンドさん側がradikoのタイムフリー聴取を勧めていること、また『ダンダダン』新シリーズ主題歌と訴求していることも、リリースへの期待値を高めたといえそうです。

 

 

音楽作品の正式リリース前にノンクレジットオープニング映像が登場、ラジオで先行解禁、短尺動画サービスにて先行リリース…これらは現在では当たり前になった感のある施策ですが、特にアニメ関連曲においては音源を事前に、比較的長尺で発信する施策が(映像作品共々)期待値を高める効果をもたらすものと再認識した次第です。

リリース前に待望度を高めていくという施策については以前このブログで紹介しましたが、その際用いた”渇望”という表現(より分かりやすく記すならば"渇望を作ること")が今の時代のヒット構築に相応しい言葉ではないかと感じています。

 

そして、その”渇望を作ること”の成果が現在最も大きく表れているのが、米津玄師「IRIS OUT」であることは間違いないでしょう。

noteプロデューサー/ブロガーの徳力基彦さんによるYahoo! JAPAN寄稿のコラムに反応したポストを上記に。実際、米津玄師「IRIS OUT」は3日連続で日本のSpotifyにおけるデイリー最高再生記録を更新しています。

 

そしてこの施策は、フィジカルシングルにて「IRIS OUT」とダブルAサイドとなる宇多田ヒカルさんとの「JANE DOE」でもみられます。尤もMAPPA CHANNELが公開した動画(下記参照)は映画公開日の解禁ゆえ渇望度を高めるまでの期間は短かったかもしれませんが、既に映画を観た方にとってはその度合いが十分高まっていることでしょう。「IRIS OUT」共々、本日リリースされた「JANE DOE」の動向にも注目です。




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