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トップ10ランクイン曲よりベテラン作品を厚遇か…タイトル付け等、メディアの表現に対する疑問を記す

メディアによる最近の記事発信ではそのタイトルに強力なアイキャッチを付けることを優先してか、偏った表現等が散見されていると感じます。

自分は以前このように記しました。ともすればこの反応は過敏と思われかねませんが、しかしながらまずは首位獲得曲をきちんと報じることが前提ではないかと感じています。なお翌週のチャート記事(→こちら)では首位曲をタイトルに据える形に戻しています。

 

この見方に基づくならば、最新9月10日公開分のビルボードジャパンソングチャートにおける記事タイトルにも違和感を抱いています。首位曲は紹介されているものの、その曲と併記されている作品はトップ10内に入っていません。

最新9月10日公開分ビルボードジャパンソングチャートでは、なにわ男子「アシンメトリー」をはじめとして4曲が初登場。そのすべてが100位以内においても初のエントリーとなりますが、「アシンメトリー」を除く3曲よりも11位に初登場した山下達郎オノマトペISLAND」が注目されているという状況です。

 

<9月10日公開分ビルボードジャパンソングチャート

 11位までに初登場を果たした5曲のCHART insight>

 

※CHART insightの説明

 

[色について]

黄:フィジカルセールス

紫:ダウンロード

青:ストリーミング

黄緑:ラジオ

赤:動画再生

緑:カラオケ

濃いオレンジ:UGC (ユーザー生成コンテンツ)

 (Top User Generated Songsチャートにおける獲得ポイントであり、ソングチャートには含まれません。)

ピンク:ハイブリッド指標

 (BUZZ、CONTACTおよびSALESから選択可能です。)

 

[表示範囲について]

総合順位、および構成指標等において20位まで表示

 

[チャート構成比について]

累計における指標毎のポイント構成

 

・1位 なにわ男子「アシンメトリー

・4位 ILLIT「時よ止まれ」

・7位 THE SUPER FRUIT「まにまに」

・10位 TREASURE「PARADISE」

・11位 山下達郎オノマトペISLAND」

 

 

山下達郎オノマトペISLAND」同様にフィジカルセールス指標未加算なのがTREASURE「PARADISE」(総合10位)。同曲はストリーミングの大きさが目立ちます。

9月10日公開分ビルボードジャパンソングチャートに即したストリーミング表をみると、TREASURE「PARADISE」はApple Musicでも強いながら、LINE MUSICではトップ10入り。これは同曲が9月4~10日にLINE MUSIC再生キャンペーンを実施していることが影響しています。

再生キャンペーン終了後は急落が見込まれるのですが、TREASUREは同じ曲にて9月11日からさらなる再生キャンペーンを実施(下記参照)。再生回数ハードルが10倍の5,000回に設定されたこともありストリーミング指標の急落は起きにくいかもしれませんが、他のサブスクサービスや他指標の順位が伴わなくなれば、またキャンペーン終了後にストリーミング指標が急落するならば、真の社会的ヒットとは言い難いと考えます。

 

TREASURE 3rd MINI ALBUM [LOVE PULSE]リリース記念!LINE MUSIC追加キャンペーン実施が決定!! - NEWS | | TREASURE(トレジャー)OFFICIAL WEBSITE(9月11日付)より

(※ キャンペーン終了後にページが削除される可能性を踏まえ、キャプチャしたものを貼付しています。問題があれば削除いたします。)

 

一方で、なにわ男子「アシンメトリー」、ILLIT「時よ止まれ」およびTHE SUPER FRUIT「まにまに」はロングヒットの要であるストリーミング指標が未加算となっています。「アシンメトリー」は9月10日にデジタル後発の形で解禁されていますが、フィジカルセールス指標の急落に伴い次週順位を大きく落とす可能性が高いといえます。なお「アシンメトリー」については木曜付エントリーにて紹介しています。

 

その中にあって、11月5日にフィジカルリリースされる山下達郎オノマトペISLAND」は累計ポイント構成比の9割以上がラジオとなっています。この指標はプランテックによる全国主要ラジオ局(県域放送局)のオンエアチャートに基づき、各局の聴取可能人口等を加味した上で算出されるのですが、基となるチャートの記事からはこの曲が圧倒的であることが解ります。

Netflixシリーズ「ポケモンコンシェルジュ」新エピソード主題歌で、11月5日にCDリリースされるダブルA面シングル「オノマトペISLAND/MOVE ON」からの同曲。9月4日の配信リリースに先がけて、8月24日放送のJFN系列冠番組山下達郎楽天カード サンデー・ソングブック」での初オンエア、そして翌25日からのラジオ全面解禁を経て各局が先行オンエアを開始すると、前週8月25日~8月31日チャートで5位に初登場。チャートイン2週目および配信リリースを迎えた今週、さらにオンエアは361%増となり首位へと上り詰めた。

様々な番組へと波及していった結果、今週は調査対象となる全ての局でオンエアを獲得している。その総数は下位の1.6倍以上と、圧倒的な大量オンエアによる圧勝だ。また、リクエストオンエア数も上位10曲中でダントツの最多であり、文句ナシに今週最も注目された楽曲となった。

 

【プレイリスト付】山下達郎 全局OAの圧勝/ME:I 大急伸2位へ/ILLIT 広範囲OAで僅差の3位/9月ソング挙って急浮上【エアモニ】 | Musicman(9月10日付)より

山下達郎オノマトペISLAND」のオンエア回数は下位(おそらく2位と思われます)の1.6倍、そして調査対象全局で流れるという結果に。これまでこの指標を分析すると、全国ネットのラジオ番組を担当するベテラン歌手の新曲がほぼ毎回強いという傾向が出ているゆえ、「オノマトペISLAND」の結果には納得すると共に、このラジオにおける強さがビルボードジャパンソングチャートで総合11位に至った要因といえます。

 

他方、山下達郎オノマトペISLAND」におけるラジオ以外の獲得指標はダウンロードのみとなります。山下達郎さんはサブスク解禁に極めて懐疑的ゆえ新曲でもサブスク解禁しないという姿勢を示していますが、しかし解禁し人気を博したならばTREASURE「PARADISE」との76ポイント差をひっくり返し、総合トップ10入りした可能性もあったでしょう。

またワーナーミュージックの公式YouTubeチャンネルから公開されたミュージックビデオが短尺版であったことで、(公開が当週の集計期間半ばであったこともあれ)動画再生指標が加点対象となる300位以内に達しなかったものと思われます。

 

 

山下達郎さんの新曲はラジオの失速に伴い急落する可能性が高く、ロングヒットの要たるストリーミングがほぼ加点されないこともあり尚の事、社会的ヒットに成り難いと考えます(ストリーミング指標は動画のオーディオストリーミングも対象ですが元動画の再生回数を踏まえれば加点は極めて難しいでしょう)。そのような曲を、他の初登場曲に優先して記事タイトルに据えたビルボードジャパンに、率直に違和感を覚えた次第です。

 

 

ではなぜ11位の曲を記事タイトルに用いたのでしょう。ビルボードジャパンポッドキャスト(現在は不定期更新)ではMCを務める礒﨑誠二さんが山下達郎さんのファンと思しき発言を行っており、ともすればその姿勢が(記事自体の書き手は不明ながら)総合ソングチャートの記事にも反映されたのではないでしょうか。もしくは歌手の認知度を踏まえ、アイキャッチとして優先使用したとも考えられます。

タイトルに据えること自体はOKとするならば、記事本文にて「オノマトペISLAND」を『配信がスタート』と紹介し、サブスク解禁とも捉えられかねない表現を用いたのはなぜでしょう(これはプランテックも同様です)。ストリーミングがほぼ加点されないという状況を示す意味でも、”ダウンロード配信”や”デジタル配信(サブスク未解禁)”等分かりやすく記すべきではないでしょうか。この表現問題は以前にも指摘していることです。

表現を改めることは、山下達郎さん側にサブスク解禁を促すという点でも必要と考えます。サブスク解禁する/しないは自由かもしれませんが、日本では解禁しないことに納得できてもサブスク解禁が一般的な海外の音楽ファンにはどう映るでしょう。その点について、自分は山下さんやSTARTO ENTERTAINMENT等デジタルに明るくない方や組織に対し、常に疑問を発信してきました。

 

今年初開催となったMUSIC AWARDS JAPANは日本の音楽を世界に広げることを目的としています。そしてこの新設音楽賞ではビルボードジャパンのデータを用いています。ならば尚の事、持ち上げることや表現を曖昧にすることをせず、記載内容に対する自問自答をビルボードジャパン(のみならずメディア全体)がきちんと行うことを願います。アイキャッチを優先することは、自身の客観性を失わせることにつながるはずです。




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