最新9月10日公開分ビルボードジャパンソングチャート(集計期間:9月1~7日)では、前週初登場で首位を獲得したSnow Man「カリスマックス」が3位に後退。なにわ男子「アシンメトリー」が首位初登場を果たしています。
一方で今回のフィジカルシングルにおける、なにわ男子の動向には注視すべき点が多いと感じています。
最新9月10日公開分ビルボードジャパンソングチャートの記事では、なにわ男子「アシンメトリー」について次のように紹介されています。
本作は9月3日に発売された、なにわ男子の9thシングル『アシンメトリー/Black Nightmare』の表題曲だ。前作『Doki it』(初週336,529枚)を上回る358,063枚を売り上げセールス1位、ラジオ19位、動画63位で総合首位を獲得した。なにわ男子が総合首位を獲得するのは「初心LOVE」、「The Answer」、「Doki it」に続いて4作目となる。
【ビルボード】なにわ男子「アシンメトリー」が総合首位、山下達郎「オノマトペISLAND」は11位デビュー https://t.co/zNYAwEem5k
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2025年9月10日
「アシンメトリー」においてはフィジカルリリース前からミュージックビデオが公開され、ラジオオンエアも解禁。動画再生(下記CHART insightでは赤で表示)やラジオ(黄緑)といった指標は前週より上順位を伸ばすも、その上昇度合いは大きくないといえます。そして、最新週までの獲得ポイントではおよそ8割がフィジカルセールス(黄色)で占められた一方、ダウンロード(紫)そしてストリーミング(青)はありません。

(上記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています(ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています)。また、以下に紹介するCHART insightも同様に、有料会員が確認可能なものとなります。)
🫧お知らせ🫧
— なにわ男子 / Storm Labels (@728_Storm) 2025年9月9日
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「アシンメトリー」「Black Nightmare」⚖️👻
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というのも、なにわ男子「アシンメトリー」においてはダブルAサイドのもう1曲である「Black Nightmare」共々、デジタルの解禁がフィジカルリリースから1週間遅れとなっています(他方フィジカルシングルのカップリング曲は現時点で未解禁)。加えて、公開中のミュージックビデオはダブルAサイドの両曲にて、”YouTube ver.”と銘打ったショートバージョンとなっていることにも留意する必要があります。
なにわ男子は前フィジカルシングル「Doki it」をフィジカルリリースのタイミングまでにデジタル解禁しています(下記リンク先参照)。ゆえに今作「アシンメトリー」ではデジタル未解禁ゆえに初週フィジカルセールスが伸びたという見方も出てくるかもしれませんが、今作は「Black Nightmare」とのダブルAサイドという点等を考慮する必要があるでしょう。
なにわ男子のフィジカルシングル/アルバムでは『BON BON VOYAGE』にて(リード曲はデジタル先行配信しながらアルバム全体にて)デジタル後発となっており、今作「アシンメトリー」でもその姿勢が踏襲されたといえます。ただし『BON BON VOYAGE』はデジタル解禁後、ストリーミング指標が牽引する形で安定していることが解ります。

『BON BON VOYAGE』のデジタル好調を踏まえれば、シングルにおいてもフィジカルリリース時までにデジタルを解禁し、さらにはそれを味方にする(積極的に施策に用いる)ほうがより好いでしょう。それでもなにわ男子はソングチャートにおいてストリーミングが強くなく、そのことが積極的なデジタル活用を失わせたのかもしれません。それでも、今回の「アシンメトリー」等におけるデジタル後発は勿体無いことだと考えます。

なにわ男子「アシンメトリー」の獲得ポイントは首位到達曲において今年度3番目に低い状況です。最も低かったTWS「はじめまして」(7月9日公開分首位曲)は翌週もストリーミング指標未加点ながらフィジカルセールスとラジオが強いことで総合順位の下落幅を抑えていますが、デジタルに強くない曲は基本的に急落する傾向にあります。
「アシンメトリー」は次週デジタル指標群が加点されるも、ともすればリリース週に未解禁だったことで同曲や「Black Nightmare」がサブスクにないままだと捉えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。またデジタルを解禁していたならば、フィジカルセールス指標未加算の「Black Nightmare」もソングチャートにランクインした可能性があったはずです。
次週以降の動向を注視すると共に、デジタルへの意識が後退したといえるなにわ男子側に対し改善を願いますが、このデジタル意識の後退についてはSTARTO ENTERTAINMENT側全体に対してもいえることです。『BON BON VOYAGE』のフィジカルリリース時までにデジタルが解禁されなかったことを紹介したエントリーから一部を引用し、STARTO社、そしてその周囲に対しても改善を求めます。
STARTO ENTERTAINMENT所属歌手で、シングルのフィジカルセールスが初週10万枚以上を見込める歌手においてはWEST.およびAぇ! groupを除きデジタル解禁を開始しています。日本の音楽業界が変わったのは前会社時代の創業者による性加害問題の表面化(に伴う自省)が一因と考えますが、しかしデジタルに明るくない姿勢はまだまだ変わっていないというのが、厳しくも私見です。
無論デジタル未解禁が絶対悪ではなく、また音楽チャートも絶対ではありません。ただ、日本では事務所のデジタル未整備を以前からの慣例等ゆえ仕方ないと納得できても、海外の音楽ファンにはどう映るでしょう。事情を知らない方には飲み込みにくいだろうと考えると共に、本来”仕方ない”と思うことこそ誤りのはずです。また閉鎖的な事務所の姿勢を音楽関係者が質す場面にも、ほぼほぼ出会えていません。
事務所自体もさることながら、音楽業界、そして受け手が真に変わることが必要だというのが私見です。STARTO ENTERTAINMENTがデジタルに真に前向きになれば、彼ら同様にデジタルに明るくなろうとしない他の芸能事務所や歌手も追随することでしょう。そうなれば日本の音楽が世界から真に信頼され、堂々と訴求できるはずです。