昨日付ブログエントリーでは、9月3日公開分ビルボードジャパンソングチャートを制したSnow Man「カリスマックス」の、首位到達の背景について紹介しました。
当週は2位に初登場したBE:FIRST「Secret Garden」も1万ポイントを突破。2025年度(2024年12月4日公開分)において週間2位獲得曲の1万ポイント超えは5回目となることから、当週の上位2曲が如何に強かったかが解るでしょう。



さて、前回紹介したようにSnow Man「カリスマックス」はストリーミング、動画再生そしてラジオ指標でBE:FIRST「Secret Garden」の後塵を拝しながら、今年度最高を記録したダウンロード数により総合で逆転した形です。一方、STARTO ENTERTAINMENT所属歌手の強さが目立つ動画再生指標で「Secret Garden」が勝ったこと等、他指標の動向について今回あらためて注目します。
動画再生指標については、公開本数の差が大きく反映されたと言えるでしょう。9月3日公開分ビルボードジャパンソングチャートの集計期間(8月25~31日)においてSnow Man「カリスマックス」はミュージックビデオのみの公開だったのに対し、BE:FIRST「Secret Garden」についてはビハインド・ザ・シーン、ダンス動画そして公式オーディオを含む5本が公開されています。
(BE:FIRST「Secret Garden」については、代表的な動画を貼付しています。)
BE:FIRST 'Secret Garden'
— BE:FIRST (@BEFIRSTofficial) 2025年8月22日
-Schedule-#BF_SecretGarden#BEFIRST pic.twitter.com/6KZGNJcndn
BE:FIRST「Secret Garden」ではリリースに関するスケジュールが紹介されています。これはK-POP等で徹底されている施策であり、新曲へのファンダムの期待、さらにはその新曲をより高い位置に送り込みたいとするファンダムの熱量を高めることにつながります。

この意識はストリーミング指標にも表れているといえるでしょう。この指標2位につけているBE:FIRST「Secret Garden」は(以前再生キャンペーンを展開していたこともあってか)LINE MUSIC主体に強さを発揮しながら、他のサブスクサービスでもそこまでの大きな乖離はみられません。
他方、Snow Man「カリスマックス」はApple Musicで強い一方、Spotifyでは100位未満となっています。Spotifyの週間チャートが木曜までであることも影響していますが、同曲はSpotifyでリリース日にトップ50入りした翌日に50位未満となり、その後は9月2日付まで50位の壁を行き来し続けていました。
日本のSpotify独特の特性である”50位の壁”についてはtuki.「晩餐歌」の1ヶ月近い順位変動を踏まえ、日本のSpotifyにおける”50位の壁”特性を再確認する(8月31日付)でも紹介していますが、仮にSnow Manのファンダムが壁の行き来を抜け出すことを強く意識し動いたならば、この行き来は早々と終了できたのみならず週間チャートでより高い順位に就けられたとも捉えています。
この仮定を踏まえ、STARTO ENTERTAINMENT所属歌手やそのファンダムが音楽チャートでの上位進出にもっと意識的になれば、デジタルオンリーの作品でも初登場週における高位置到達がデフォルトに成るのではないでしょうか。無論、大事なのはロングヒットそして年間チャートでのランクインであり、ロングヒットにはライト層の獲得がより重要となるのですが、今後はファンダムのチャート熱量が高まるかに注目していきます。
そしてラジオ指標ですが、こちらはプランテックによる全国主要ラジオ局でのオンエアチャートを基に、各放送局の聴取可能人口等を加味して算出されます。指標化後はBE:FIRST「Secret Garden」が1位、Snow Man「カリスマックス」が2位となっていましたが、オンエアチャートの記事からは2曲における興味深い動向がみえてきます。
2位はBE:FIRST「Secret Garden」が初登場した。所属するBMSG主催のオーディション【THE LAST PIECE】課題曲としても話題の同曲。8月25日の配信リリース当日よりFMを中心に広くオンエアされていった結果、調査対象の67.7%のステーションへと波及。僅差で首位を追いかけ上位発進を飾った。
帯放送の番組/コーナーなど、限定的な時間帯を中心に積み上げていった大量オンエアながら、リクエストオンエアを広範囲におよび獲得している点はさすが。ファンダムによるサポートもオンエア数に大きく影響したことがうかがえる。
3位はSnow Man「カリスマックス」が初登場した。同じく8月25日に配信リリースされた同曲は、リリースと共に多数オンエアが開始され、週を通じて調査対象の54.8%となるステーションでのオンエア獲得に至った。
上位のBE:FIRSTに比べ総体的なオンエア獲得範囲は狭いものの、比較的リスナー年齢層の広いAM局だけに絞ってみたところ、調査対象の4.8%のステーションでの獲得であるBE:FIRSTに対し、Snow Manは55.6%と広範囲に及んでいる。それぞれのファン層に比例してのものか否かは分からないが、同じボーイズグループでもFM/AMでのオンエア比率が大きく異なる結果となった。
最近のラジオ指標ではリリース週における男性アイドルやダンスボーカルグループ(K-POP含む)の上位進出が目立つのですが、これは『帯放送の番組/コーナーなど、限定的な時間帯を中心に積み上げていった大量オンエア』という施策の影響が大きいといえます(『』内は上記引用部分より)。BE:FIRST「Secret Garden」では施策以外のオンエアも多いながら、下地には施策の影響がみられるといえます。
他方、上記記事からはSnow Man「カリスマックス」における施策の有無は判りかねるものの、しかしAM局でのオンエア割合の高さを興味深く感じています。BE:FIRSTはFMのJ-WAVE、Snow ManはAMの文化放送でレギュラー番組を持っていることも大きいと思われますが、BE:FIRSTがより幅広い層から支持を得るためには現在行っている施策をAM局向けにも(可能ならば)徹底することが必要なのかもしれないと感じた次第です。
最新ソングチャートの上位2曲におけるダウンロード以外の3指標について分析してみました。歌手側そしてファンダムが好調な指標についてはその流れをキープし、その一方で弱点を克服できたならば、音楽チャートでの存在感は益々高まるでしょう。なお、先述したように重要なのは週間単位での上位進出以上にロングヒットであり、そのためにはライト層獲得を常に考える必要があります。