昨年夏以降再開したこのエントリー、今年に入ってからタイトルを一部変更しています。前週の内容はこちら。
ビルボードジャパンソングチャートの動向を分析する者として、真の社会的ヒット曲とはロングヒットする、年間チャートで上位に進出する作品と考えます。週間単位で上位に入るのは好いことですが、他方で所有指標が極度に強い曲は加算2週目に、また接触指標が所有指標的な動きをなぞる曲(主にLINE MUSIC再生キャンペーン採用曲)はキャンペーン終了後に指標が大きく後退し、総合でも急落することが少なくありません。
この急落は毎週のようにみられます。ソングチャートのトップ10は多いときで5曲程度が毎週入れ替わり、ロングヒットするか否かが極端に分かれる状況です。主にライト層の支持が反映されるストリーミング指標がロングヒット曲では強い一方、急落する曲はコアファンとライト層との乖離が大きいのですが、これらを1週分のチャートの順位およびポイントのみで判断することは、現状では難しい状況です。
そのため、このブログエントリーではビルボードジャパンに対しチャートポリシー(集計方法)の改善も提案していますが、あくまで自分なりのと前置きしつつもチャートの見方を提示したいと考えたのがエントリー再開の理由です。
<2025年3月19日公開分 ビルボードジャパンソングチャート
前週初めてトップ10入りした作品の、前週および当週におけるCHART insight>
※CHART insightの説明
[色について]
黄:フィジカルセールス
紫:ダウンロード
青:ストリーミング
黄緑:ラジオ
赤:動画再生
緑:カラオケ
濃いオレンジ:UGC (ユーザー生成コンテンツ)
(Top User Generated Songsチャートにおける獲得ポイントであり、ソングチャートには含まれません。)
ピンク:ハイブリッド指標
(BUZZ、CONTACTおよびSALESから選択可能です。)
[表示範囲について]
総合順位、および構成指標等において20位まで表示
[チャート構成比について]
累計における指標毎のポイント構成
・Travis Japan「Say I do」
3月12日公開分 1位→3月19日公開分 37位
・ あいみょん「スケッチ」
3月12日公開分 7位→3月19日公開分 25位
当週におけるストリーミング等動向表はこちら。



Travis Japan「Say I do」においてはストリーミング指標が53位から100位未満に大きく後退。当週の集計期間2日目までLINE MUSIC再生キャンペーンを実施しながら、そのLINE MUSICでも大きく下がっている状態です。他方、動画再生指標は加点されていますが100位以内に達しておらず、接触指標群の上昇や上位安定につなげるためにライト層やグレーゾーンを如何に惹き付けるかが今後の課題です。
あいみょん「スケッチ」はTravis Japan「Say I do」同様、フィジカルセールス指標加算加算2週目に伴いダウンしていますが、前週までの累計と当週までのそれとでポイント構成比が大きく変わっていないことから、どの指標も緩やかに縮小しているといえます。主題歌に起用されている『映画ドラえもん のびたの絵世界物語』が好調であり、映画の評判に合わせてストリーミングが上昇するかが鍵となるでしょう。
さて、動画再生指標の上昇に伴い前週トップ10内に返り咲いた米津玄師「BOW AND ARROW」は、当週6位をキープしています。


「BOW AND ARROW」においては、羽生結弦さんがフィギュアスケートを披露するミュージックビデオが当週はじめて1週間フル加算されたことが大きく、動画再生の累計ポイントに占める割合が上昇しています。さらに当週はカラオケ指標の加点もはじまったことから、ロングヒットも期待できます。
他方、今月に入り総合で8→5位と推移していたSEVENTEEN「消費期限」は、当週100位圏外に大きく後退しています。


「消費期限」は当週のフィジカルセールスが571枚であり、前週までの2週間(93,400→94,151枚)から大きく後退。加えて他指標は今年に入り加点されていないことから、3月に入ってからの総合トップ10入りはフィジカルセールス後のフィジカル施策に因る部分が大きいと断言可能です。
アイドルやダンスボーカルグループにおける”ヒットの8段階”表をあらためて掲載しますが、第3段階以降に到達し年間チャートでのランクインを目指すにはストリーミングでの上位安定が鍵となります。ゆえに歌手のファンではないが曲が気になるライト層や、その前段階となるグレーゾーンといった音楽ファンを取り込む必要があるのですが、先述したフィジカル施策はあくまでコアファン向けとなります。
このコアファン向け施策はLINE MUSIC再生キャンペーンも同様であり、コアファンの熱量を刺激する一方で物理的ならびに精神的疲弊にもつながりかねません。ゆえに、ライト層を開拓できなければコアファンも縮小しかねないと捉えています。




