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GEMN「ファタール」は社会的ヒットに至るか、そしてSTARTO ENTERTAINMENT等の方針を変えるか

最新7月17日公開分のビルボードジャパンソングチャートでは中島健人さんとキタニタツヤさんによるユニット、GEMN(ジェム)による「ファタール」が前週の21位から8位に上昇。登場2週目でトップ10入りを果たしています。

この「ファタール」が、STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所)所属歌手作品のデジタルリリース曲においてほぼ初となる社会的ヒットに成り得る可能性を持ち合わせているというのが自分の見方です。

 

GEMN「ファタール」はストリーミングが42→11位、ラジオが100位未満(300位圏内)→65位、動画作成が20→4位、総合ポイントは前週比142.6%と上昇しています。これは同曲がテレビアニメ『【推しの子】』第2期オープニング主題歌であることや中島健人さんとキタニタツヤさんのユニットという話題性(直前まで正体が不明だったことを含め)、また当週が初の1週間フル加算であったことも影響しているといえるでしょう。

注目は、"歌ってみた"や"踊ってみた"に代表されるユーザー生成コンテンツ(UGC)の人気を可視化したTop User Generated Songsチャートにて、GEMN「ファタール」が84→13位に急伸したこと。ソングチャートの構成指標ではないものの接触指標に影響を及ぼすUGCの人気は、YOASOBI「アイドル」やCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」等の大ヒット曲でもみられています。

 

ビルボードジャパン年間ソングチャート

 2017年度以降における旧ジャニーズ事務所所属歌手作品の50位以内ランクイン一覧

 

・2017年度 (年間首位 星野源「恋」)

 29位 嵐「つなぐ」(フィジカルリリースまでにデジタル解禁せず)

 33位 嵐「I'll be there」(フィジカルリリースまでにデジタル解禁せず)

 36位 SMAP世界に一つだけの花」(デジタル未解禁)

 40位 嵐「Doors~勇気の軌跡~」(フィジカルリリースまでにデジタル解禁せず)

 49位 亀と山P「背中越しのチャンス」(デジタル未解禁)

 

・2018年度 (年間首位 米津玄師「Lemon」)

 12位 King & Prince「シンデレラガール」(フィジカルリリースまでにデジタル解禁せず)

 22位 嵐「夏疾風」(フィジカルリリースまでにデジタル解禁せず)

 35位 嵐「Find The Answer」(フィジカルリリースまでにデジタル解禁せず)

 42位 King & Prince「Memorial」(フィジカルリリースまでにデジタル解禁せず)

 44位 嵐「君のうた」(フィジカルリリースまでにデジタル解禁せず)

 

・2019年度 (年間首位 米津玄師「Lemon」)

 36位 嵐「BRAVE」(フィジカルリリースまでにデジタル解禁せず)

 

・2020年度 (年間首位 YOASOBI「夜に駆ける」)

 15位 Snow Man「D.D.」(デジタル未解禁)

 19位 SixTONES「Imitation Rain」(デジタル未解禁)

 23位 SixTONES「NAVIGATOR」(デジタル未解禁)

 29位 Snow Man「KISSIN' MY LIPS」(デジタル未解禁)

 38位 嵐「カイト」(フィジカルリリースまでにデジタル解禁せず)

 44位 King & Prince「Mazy Night」(フィジカルリリースまでにデジタル解禁せず)

 

・2021年度 (年間首位 優里「ドライフラワー」)

 40位 Snow Man「Grandeur」(デジタル未解禁)

 

・2022年度 (年間首位 Aimer「残響散歌」)

 (50位までのランクインなし)

 

・2023年度 (年間首位 YOASOBI「アイドル」)

 (50位までのランクインなし) 

週間セールスが一定枚数を上回った場合にその超過分に係数処理を施し始めた2017年度以降、旧ジャニーズ事務所所属歌手の曲は年間単位で上位に進出しにくくなっています。また2023年度以降はルックアップやTwitter指標も廃止されています。これらはアイドルやダンスボーカルグループ全般において不利となりますが、デジタルが基本的に未解禁ならば社会的ヒット曲の輩出は尚の事難しくなります。

(たとえばKing & Prince「ツキヨミ」はメンバー脱退アナウンスもあり2023年度に年間76位を記録していますが、ヒットに大きく寄与したのはフィジカルセールスと動画再生でした。仮にフィジカルリリース時までにデジタル解禁されていたならばもっとヒットしただろうことについて、2023年度、サブスク未解禁により大きなヒットに至れなかったと考える曲をまとめました(2023年12月20日付)で紹介しています。)

またデジタルリリース曲においても、アイドルやダンスボーカルグループは全体的に所有が強い一方で接触人気の継続が難しく、初動の高さをキープできずにダウンすることが少なくありません。STARTO ENTERTAINMENT所属歌手はデジタル解禁が未だ完全ではないながらも徐々に進んでいますが、デジタル(先行)解禁作品で社会的ヒットと呼べる曲はほぼないといえます。

それら状況の中、初の1週間フル加算とはいえ「ファタール」が上昇することは大きいといえるのです。

 

『【推しの子】』においては第1期オープニング主題歌のYOASOBI「アイドル」が2023年を代表する大ヒットとなりましたが、アニメ関連曲がいずれもヒットするとは限りません。「ファタール」についても次週以降の推移を注視する必要がありますが、上昇し安定を続けたならばアニメソングという枠を超えて社会に浸透し、そしてSTARTO ENTERTAINMENT関連作品の今後のリリース方針を左右する鍵となるかもしれません。

注目は、GEMNがいつ「ファタール」をメディアで披露するか、またフィジカルリリースはあるかという点。YOASOBI「アイドル」やKing Gnu「SPECIALZ」、またキタニタツヤさん自身の「青のすみか」等アニメ関連曲はフィジカルリリースされやすく、また中島健人さんが関わるゆえセールスが期待できると考えれば、そのリリースタイミングで様々な施策やテレビ露出等が行われるものと考えます。

 

 

最後に、気になることを挙げます。

 

中島健人さんは3月にSexy Zone(現timelesz)を卒業後もSTARTO ENTERTAINMENTに所属し、ソロとして活動。今夏は連続ドラマ『しょせん他人事ですから 〜とある弁護士の本音の仕事〜』(テレビ東京)で主演を務めます。

一方、テレビ東京は定例社長会見(こちらで確認できます)において、STARTO ENTERTAINMENT所属タレントの新規出演を見送る方針を直近6月の段階でも続けていると発信しています。しかしながら今夏は中島健人さんが連続ドラマに出演し、またその番宣を兼ねてバラエティ番組にも登場しています。

ドラマのキャスティングは場合によって1年以上前から行われることもあると耳にしたことがあり、またドラマ契約時には同局他番組への番宣出演も含まれているのかもしれませんが、定例社長会見での内容とは矛盾していると思われかねません。テレビ東京が先月開催した長時間音楽特番でもSTARTO ENTERTAINMENT所属歌手が起用されていなかったゆえ、尚の事です。

(なお、『テレ東ミュージックフェス2024夏』(6月26日放送)では、かつてジャニーズ事務所に所属していた近藤真彦さんが往年のヒット曲を複数披露しています。NHKでも同様のパフォーマンスがありましたが、個人的にはこの点に対して感じたことを2024年夏の地上波長時間音楽特番から出演歌手傾向およびテレビ局の動向を読む (最終版)(7月15日付)にて記載しています。)

そしてGEMNは、SPURのインタビューにて番組名こそ明かさないながら、『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)への出場願望について語っています。この願望が叶うかどうかは出場歌手の選考が行われる10月頃までに「ファタール」が社会的ヒット曲に至るかにもかかっていますが、NHKテレビ東京と同様にSTARTO ENTERTAINMENT所属タレントの新規出演を見送る方針を続けています。

 

ジャニーズ事務所初代社長の性加害問題は解決されなければならず、メディアによって差はあれど新規出演見送りの方針も理解できるものです。ただ、方針と矛盾する状況が発生してはいないか自問自答し、発生の際はきちんと経緯を説明する、また方針変更の基準を(ある程度でも)予め明確にすることは必要ではと考えます。報道姿勢等も含め、曖昧なままでいることが今のメディア全般の根本的問題ではというのが私見です。




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