
@i_magawaです。普段、4コマの育児・生活系コミックエッセイしか描けない人間が約2ヵ月で60Pの商業ビジネスコミックを描きました。
未経験から、どうやって完成までこぎつけたのかを思い出しながら書いていきます。
私が普段描いているマンガはこちら↓
結果から
★本日発売★
周りの方々のサポートのおかげで、無事に発売できました!
ChatGPTやGeminiといった生成AIを初めて使う人、「AI便利だって聞くけどわからん」という人向けのマンガでわかる超入門書です!!
マンガの他に、丁寧な解説文章、具体的な使用例、からあげさんのコラムなどてんこ盛りで、中級者でも楽しめる内容になっています。
生成AIを使った仕事の効率化、英語学習、資格勉強、ダイエットなど幅広く解説!


▼VALUE BOOKSさんでご購入いただくと描き下ろしマグネット付き!
https://www.valuebooks.jp/bp/VS0058665394
ビジネスコミックとは
ビジネスコミックとは、本屋でよく見る「マンガで分かるアンガーマネジメント」のような実用書のことです。
プライベートや仕事で使える考え方のコツや、Excelなどのソフトの使い方などをマンガで学べるので、文字を読むほどの元気がないときも手に取りやすく読むハードルが低いのが魅力です。
ドイツではそういった実用書マンガは非常に少なくて、マンガとともに育ってきた日本ならではだなぁと思います。
執筆スケジュール
3月:書籍の話をからあげさんからDMいただく
4月:初回打ち合わせ
5月:詳細打ち合わせ
6月:リサーチ
7月:リサーチ&ネームを6Pぐらい描いてみる
8月:リサーチ&プロットをぼちぼち考える
9月上旬:ネーム残り50Pを死ぬ気でやる
10月:清書&仕上げ→原稿完成!
本業のデザイン仕事もしつつ、ほぼ9月10月で描き上げました。
下準備編
書籍は4人で主に制作を進めました。
・編集:株式会社KADOKAWAのNさん
・著者:からあげさん
・ライター:ずっきーさん
・マンガ:いまがわ
(+表紙デザイナーさん、DTPデザイナーさん、営業さん、広報さん、校正さんなどなどたくさんの方々にも大変お世話になりました!)
そういえば、からあげさんが情報共有のためのDiscordサーバーを用意してくださったのが非常によかったです!
気軽に質問できたり意見を伺えたので、今後また似たようなことをやる場合もDiscordでやりとりしたいと思いました。打ち合わせの議事録を貯めておけるのもよかったです。

打ち合わせが数回あり、ターゲット層や各章で何をテーマにするのかは4人で話し合いました。
ビジネスコミックは、なんとなくライターさんから内容やセリフ、文字コンテがガチガチに指定されるものだと思いこんでのですが、まったくそんなことはなく…?!(著者・ライター・漫画家の役割分担やスキルによって変わるので決まりはない模様)
私は渡りに乗った船という感じでのんびりしていたのですが、打ち合わせが進むごとに徐々にマンガ部分は私がどんどん提案しなきゃいけないやつでは…!?と焦るようになりました。
未経験だからとは言ってられません。受け身のままでは良くないことがわかったため、まずはリサーチして自分の中で完成形を想像できるようにしました。
リサーチ編
Kindle Unlimitedを使って他社リサーチ!
本業がデザイナーなので、新しいジャンルのデザインに挑戦する時と同じ手法を取りました。とにかく他社作品を集めてリサーチです。
私は現在ドイツに住んでいるため、参考になりそうな本は電子書籍で購入したりKindle Unlimitedをフル活用して情報を集めました。

私はこれまでオリジナルキャラのマンガを描いたことがほぼなく(家族、友人など実在の人物のみ…)、キャラクター設定、ストーリーの起承転結はもちろん、マンガのコマ枠の大きさ、セリフのサイズすら何も知りません。。
書籍としてもスマホでも読みやすいマンガを目指し、いくつかの作品をベンチマークとして設定して、今回の本にどう落とし込めるか模索しました。
大筋を考える
ベンチマークを深堀りしていくうちに以下の設定が決まりました。
ある意味ビジネスコミックでよくある型で、読者が違和感を覚えにくい設定を目指しました。
・主人公は生成AIに詳しくない女性(女性主人公の方が男女ともに共感を呼びやすい)
・からあげさんをキャラクター化して指導役にする
・主人公の夫も登場させ、家族全員で生成AIの使い方を知って生活が少し楽になる様子を描く

語学学習の章があったので、主人公の娘が短期留学する話も考えたのですが、ややマイナーケースなのと、主人公の年齢も上がるため、娘を出すのはやめて夫が海外出張する話にしよう、など徐々に骨格が固まってきました。

各章ごとに、ざっくりした起承転結、重要な説明、盛り込みたいネタを少しずつ書き溜めました。
ネーム編
リサーチの結果、マンガの最初の1コマ目は背景で舞台説明すると良いんだな…最初の1,2ページでキャラの紹介…など学んだことを反映させつつネームを描き始めました。
ライターのずっきーさんの文章や、からあげさんへヒアリングした内容を盛り込みつつ、マンガ部分はかなり自由に描かせてもらいました!
今回の本では、生成AIにまったく触れたことがない方でも「生成AIって怖くないんだ!」と知ってもらうことを目指しています。
普段からデザイン領域で情報の優先順位やユーザー視点でものを作ることを大切にしているので、その経験を活かしてITに詳しくない初心者にも伝わるように気をつけてネームを作成しました。
ネームで失敗したこと1

没にした前書き一部↑
まず最初に前書き6Pネームを実験で描いたら、情報を詰め込みすぎて読むのが疲れるマンガになってしまいました\(^o^)/反省
もともとネット発信のコミックエッセイでは、1P内に情報を端的に凝縮してまとめるのが重要だったりしますが、今回のような書籍としてのマンガでは情報を詰め込みすぎない&あとの展開を期待させるためにも、あまり説明しすぎないのが大切だと学びました。
ネームで失敗したこと2
ネームはなるべく生成AIに詳しい人、詳しくない人様々な方に読んでもらい、意見を頂いて修正しました。
特に夫からは、私の探り探りやっていたマンガの核心部分を鋭く指摘されました。

色んなビジネスコミックを読んで勉強したものの、説明が上手なだけのおとなしいストーリーになってしまっていたのです…
そこで思い切って、からあげ先生を怒られそうなギリギリまで自由に使ったり(本編をご確認ください)、ギャグ漫画を参考にして遊び心を加えました。
結果的に、からあげさんからはギリ怒られず、主に指摘いただいたのは機能面部分ぐらいでネームに大きな修正はなかったです。
AIにネーム作成をサポートしてもらった
ネーム作成にあたって、一部ChatGPTにサポートしてもらいました。
将来的には変わるかもしれませんが、現時点ではChatGPTはまだあまりギャグセンスがなく、マンガのストーリーを考えてもらうと斜め下の提案をしてきます。

🤔???
なのでストーリーの根幹部分には使わず、次のような使い方をしました。
・セリフの言い換え
説明が難しくて長くなりすぎたセリフを短く調整するアイデアをもらいました。
いつも難しい単語は「◯◯ 類語」で検索して言い換えたりしていたのですが、ChatGPTは文章ごと何パターンでも提案してくれるので助かりました。

・専門知識のアイデア出し
資格学習の章では、資格試験の「あるある」や共感ポイントを提案してもらいました。
実際に有資格者にも確認しましたが、普段接点のない世界を知るのに生成AIは便利だと思います。(※本でも触れていますが、生成AIの情報は100%正確とは限らないため、あくまでアイデアのきっかけとしてお使いください)
作画編
ネームが終わってOKがでたらあとは自分と時間との戦いです。
からあげさんの顔のバランスが難しすぎるのは想定外でした。

苦手なところは人に助けを求める
マンガの一部の背景は友人であり漫画家のメジローさんにサポートしてもらいました(結婚おめでとう!)
苦手分野で、作業時間も未知数だったためお願いしてよかったです。
つねにベンチマークを並べながら作業する

イラストレーターさんがよくやる手法ですが、ベンチマークをつねに横に置いたり、印刷して並べてみたりして、他社作品と違和感がないかを確認しました。
また清書を最初10Pほど進めていたのですが、途中でベンチマークと並べてみたときに線の粗さが気になり、ブラシを途中で変えたのでまるっと描き直すことに。(編集さんに何か言われたわけではなく、自分で判断してのことです)
私はそんな描き込みが多い絵ではないですが時間はかかりました…でも書き直してよかったです。

まとめ
・リサーチとベンチマーク大事!
・ネームは色んな人に意見をもらう!
・遊び心を忘れない!
・〆切は一応守った!
そんな感じでなんとか完成までこぎつけました!
マンガ制作ってリサーチ7割、ネームで人に意見もらう2割、1割は遊び心なのかも。
生成AIのことを初心者ができるだけ分かりやすく学べるよう、制作チーム一丸でがんばりましたので、ぜひお手にとっていただけたら嬉しいです!

改めてマンガを描いてると、普段なにげなく読んでるマンガの演出や技法に感動するので、全人類マンガを描くべきだと思います。
▼VALUE BOOKSさんでご購入いただくと描き下ろしマグネット付き!
https://www.valuebooks.jp/bp/VS0058665394
日本の本屋に気軽に行けないので、もし書店で見つけたら私に写真をください…。
☆
面白い技術の話をどうやって情報整理して伝えようかと考えながらマンガにするのはすごく楽しかったです。なにかまた面白いお話があればぜひお問い合わせください。
UI、グラフィックデザインのお仕事のご相談もぜひ!