
【シリーズ】至高のグルメバーガー10選 no.8「Chess garden」@幡ヶ谷
世の中にはたくさんのハンバーガー屋さんがありますが、店主がハンバーガー屋さんを始めたきっかけって、 それぞれ違いますよね。
ハンバーガーが好きだ! というのは当然としても、なぜ他の食べ物じゃなくてハンバーガーなのか、なぜ自分でハンバーガー屋さんをやりたいのか。
この連載では、ハンバーガーの紹介だけではなく、店主のハンバーガー人生もじっくり聞いてみたいと思っています。
今回のお店の店主がハンバーガー屋さんを始めたきっかけは愛媛のジャズ喫茶だったとか。ジャズ喫茶とハンバーガーとは?
いったいどういうことなんでしょうか。

京王新線・幡ヶ谷駅南口を出て、甲州街道沿いに笹塚方面に徒歩3分ほど。緑色のハンバーガーのオブジェが目印のこのお店、「Chess garden(チェスガーデン)」がありました。

よく見ると看板にもハンバーガーのイラストが。
店名もグリーンが多めの外観も、カフェ風です。

落ち着いた感じのおしゃれな店内。

さりげなくハンバーガーの置物が。

味のある小物がいろいろと。
子ども時代の思い出のハンバーガーが原点
「Chess garden」のオープンは2011年の8月。

店主の谷田真徳さんは、いくつかの飲食店勤務を経て、その経験をいかして自分のお店をオープンしました。
地元は愛媛で、進学で東京に出てきました。最初の飲食店勤務は、六本木のディスコでバーデンダーをやっていました。
なんと、そのディスコとは当時もっともイケイケだった「ベルファーレ」だそうです! 40代以上の人には懐かしいのではないでしょうか。
その後もアイリッシュパブの店長を務めるなど、バーを中心に働いてきました。
その後もいろいろなお店にいたのですが、今のハンバーガー作りのベースになっているのは、4〜5年間勤めた有名洋食屋さんで修行した経験ですね。
飲食店を出すにあたって、バーだけだと経験が足りないので、好きだった洋食屋さんで働こうと思って、最初はアルバイトでホール、その後キッチンに入りました。
──ちなみに店名「Chess garden」は、チェスと関係があるんでしょうか?
チェスは関係なかったんです、やったこともなくて。最初は、チーズバーガーと和風ハンバーガーのお店ということで「Cheese garden」にしようとしたら、チーズのお店っぽかったので、スペルをちょっと変えてChessにしたんです。そうしたら時々「ここでチェスができるんですか?」って問い合わせがくるんですよ(笑)。それで今はチェス会をやっています。大学生のサークルなどに席を貸して、ハンバーガーを食べた後にチェスをするっていう会を。ご希望の方はお問い合わせください。
試行錯誤の末にたどり着いた王道、炭火焼きのチーズバーガー
こちらはランチメニュー。

──谷田さんはチーズバーガーに特にこだわりがあるとか?
はい。僕が最初にチーズバーガーを食べたのが地元、愛媛のジャズ喫茶で、そこにハンブルグサンドとチーズハンブルグサンドっていうメニューがあったんです。食パンに挟んで、具材はうちのと同じようなスライスオニオン、トマト、ピクルス、レタス、マヨネーズ、肉。
それが、僕が初めて出合った「ファストフードじゃないハンバーガー」なんです。
小学校、中学校くらいの時に、テストの成績が良かったりすると母親に「じゃあ、行くわよ!」って連れて行ってもらえたんです。ご褒美的に。当時でもグルメバーガー的な、わりとぜいたくなものだったので。
いまだにこのお店の味を抜くチーズバーガーには出合えていないです。
──それで「Chess garden」でもチーズバーガー推しなんですか?
そうですね。今はシンプルなメニューになっています。
昔はもっとトッピングとかいろいろあったんですが、去年、初心に戻ろうと思った出来事があったんです。
ジャズ好きなお客さんにすすめられた映画を見たら、そのジャズ喫茶で良く流れていた曲だったんです。それで、昔を思い出したんです。
そういえば、チーズバーガーと和風ハンバーガーをやりたくてお店をオープンしたんだなって。
それで、あらためて基本のハンバーガーとチーズバーガーを一から見直そうって試行錯誤して、かなり良くなったんです。やっと僕の中では80%くらい理想に近づいたなって。
──ネットでは自分で混ぜるタルタルソースが好評でしたが。
あれはやめちゃったんです。マンスリーで出すことはあると思いますが。それでお客さんは少し減っちゃったんですが、その時間を自分の本当にやりたかったことに費やさせてもらって、やっとここまできました。
今でも日々研究を重ねているそうです。
さて、それではお店自慢のこだわりのチーズバーガーを作っていただきましょう!

バンズは某小規模なパン屋さんで特注で作ってもらっているものです。
50軒くらいのパン屋さんを回って、何回も試作品を作ってもらって、特注で作ってもらっています。イメージとしては、肉とか野菜を邪魔しないパン、でも後味にほんわかと存在感があるっていう。試作品を作ってもらったら、具を挟んでみたり、形も変えてもらったりして、それで出来上がりました。途中でも大きく3回変えてもらいました。

パティは140g。オーストラリア産の牛の肩肉を数日寝かせたもの。
その肉を粗ミンチにして、和牛の牛脂を少し混ぜています。
洋食屋さんにいた時に、フランスかぶれの人がいて、バーベキューをやった時にすごい色が悪い肉を持ってきたんですよ。当時はあまり知られていなかったんですが、「エイジング」ってもので、いわゆる熟成肉ですね。
それをバーベキューで炭火で焼いたら、あまりにもうまくて、すごい衝撃だったんです。それがヒントになってます。
うちが炭火焼きにこだわるのも、それがきっかけですね。

炭火焼きは網で。パティはベンチタイムといって、焼く前に周りの温かいところにしばらくおいて休ませます。

バンズは鉄板で温めて、

炭火焼き台上の方に置いて軽く燻します。パティも炭火の真ん中で焼かれていきます。
炭火焼きでも、うちは網なんですが、網を使っているお店は少ないと思いますよ。網だとじっくり焼けて焦げ目が少なくて、燻されたような香りがつくんです。

チーズを乗せます。

バンズの下側に塗られているのは、自家製のマスタードマヨネーズ。

スライスオニオンは生タイプです。

こちらは網の上で組み立て、

合体させて完成!
さて、いただきましょう。

ハンバーガーはカゴに入った状態で供されます。

▲チーズバーガー(1,199円)
ハンバーガーはすべてポテト付き。平日は+162円、土日祝日は+216円でドリンク(コーラ、紅茶、コーヒー、烏龍茶)がつけられます。

見やすいように皿に乗せてみました。

具材は下から、レタス、トマト、スライスオニオン、ピクルス、パティ、チーズ。王道のチーズバーガーです。

パティの中はほんのりミディアムレア。
バンズは弾力がありつつ外カリッ、で中はしっとり。
ほんのり焦げ目がついたパティは香ばしく、そしてしっかりとした肉のうま味も感じます。
赤味を残した焼き具合なので脂は少ないのに、しっとりやわらか。後味に炭火焼き独特の香ばしさが残ります。
パティはミディアムからミディアムレアの間くらいで焼いています。オーダーの時に焼き加減をおうかがいするので、よく焼くこともできます。レアだけはお断りしてます。安全上の問題ではなく、ハンバーガーにレアって合わないと思うので。
5日がかりのデミグラスソースで作る至高の味噌ポテト
オリジナルの味噌ビーンズをポテトにかけた、味噌ポテトも作ってもらいました。
チリコンカルネをもとにしたオリジナルメニューです。

デミグラスソースの中にはレッドキドニービーンズが入っています。
このデミグラスソースはフォンドボーといって、牛すじや香味野菜を煮込んでこしたものに、味噌と豆を足して作っています。やっぱりうちで肉をさばいているので、牛すじが結構出るんです。それを使っています。
4〜5日間かけて作っているので、他ではなかなか出せないおいしさだと思います。

シューストリングタイプのポテトフライに味噌ビーンズをかけます。そして、チーズも乗せて、

ファイヤー!
バーナーで焦げ目をつけて出来上がりです。

とろりとしたチーズに絡むピリ辛なデミグラスソースがなんとも言えない奥深い味わい! 味噌のコクも出ています。ハラペーニョのトッピングもできるそうです。これをつまみに飲んだ後にハンバーガーで締めるって、最高じゃないですか!
ここで注目のドリンクも紹介しましょう。

▲自家製ジンジャエール(583円)
下にたっぷりと沈んだ生姜を太いストローで吸い上げて飲みます。
辛い! 甘いけど強烈な生姜味です。風邪も吹き飛びそうな生姜度です。
生姜マニアにはたまらない味なはずです。
生姜をじっくり煮込んではちみつを合わせたものをソーダで割っています。この自家製ジンジャエールを使ったカクテルもおすすめです。
洋食屋さん仕込みの技が光る、生姜ソース
生姜はジンジャエールだけじゃありません。
「Chess garden」の和風バーガーの代表は生姜バーガー。谷田さんが洋食屋さんで会得したポークジンジャーの生姜ソースを使ったものです。
今回作っていただくのは、その生姜バーガーにさらにパイナップル、ゲバラソースというオリジナルソースをプラスした看板メニュー、チェスバーガーです。

まず茄子を炭火で焼きます。

パイナップルは鉄板で。
ハンバーガーにパイナップル!? って驚かれることが多いんですが、ハワイアンバーガーではわりと一般的だと思いますよ。

バンズにゲバラソースを塗ります。ゲバラソースは、レモンコンフィ、ハラペーニョ、スパイスを混ぜたものです。
──なぜ「ゲバラソース」って名前なんですか?
自分の中では、革命的なソースなんで、革命家のチェ・ゲバラからです。僕の顔がキューバ人に親しみを持たれることが多くて(笑)、チェ・ゲバラにもなんか親しみがあるんです。

バンズと野菜を重ねて、

焼き上がったパティの上には生姜ソースをたっぷりと。
生姜ソースは、洋食屋さんで学んだポークジンジャーのソースです。

茄子を乗せて、茄子の上にもオリジナルの照り焼きソースをかけます。

組み立てて完成。
さて、いただきましょう!

▲チェスバーガー(1,642円)ランチ限定
たっぷり生姜ソースのチェスバーガーと自家製ジンジャエールのコンビは、風邪気味の時にぜひいただきたいものです。

いろいろな要素があふれ出しそうです!

パイナップルと茄子がしっかり主張しています。

ソースだけでも、ゲバラソース、茄子にかかった照り焼きソース、生姜ソース。
縦に一気にかぶりつくと、いろいろな味が口の中で混ざり合いますが、全体としてはピリッとした爽やかな辛さを感じます。そこに茄子のトロッとした食感、パイナップルの甘酸っぱさ。
これは未知のおいしさです!
いわゆるグルメバーガーっていう、縦に積んで味を完成させるって中では、これが今までの集大成です。
生姜ソースとゲバラソースは単体だとそんなに辛さを感じないんです。化学反応っていうんですかね? 合わせるとより辛くなるんです。
洋食屋さんで培った、確かな技術が活かされたオリジナリティーあふれるハンバーガーでした!

ーところで、外に置いてあるハンバーガーはなぜ緑色なんですか?
「ガーデン」なんで緑色に塗りました! マカロンみたいだねって言われています(笑)。
深い意味がありそうでなさそうな……。
今度は夜に生姜カクテルを飲みに来たいです。
ごちそうさまでした!
お店情報
Chess garden(チェスガーデン)
住所:東京都渋谷区幡ヶ谷1-6-5 1F
電話番号:03-3299-3466
営業時間:月曜日〜土曜日12:00~15:00/18:00~22:00(火曜日はランチ営業のみ) 、日曜日・祝日12:00~20:00
定休日:水曜日
Instagram:https://www.instagram.com/chessgarden/
ウェブサイト:http://chess-garden.jimdo.com/
