
実は昨年、2025年本屋大賞ノミネート作品を図書館に予約したのですが、どれもこれも人気があって、すぐには順番が回ってきませんでした。
それが、今年に入ってやっと順番が回ってき始めました。
その中の1冊『死んだ山田と教室』(9位)について紹介します。
ちょっとネタバレあるかもしれないです。
死んだ山田と教室
高校2年生の夏休み、クラスの人気者の山田が交通事故で亡くなった。
クラスの人気者であり成績もよく誰よりもE組が好きだった山田が。
2年E組の担任と生徒たちにとっては悲し2学期のはじまりだと思われた。
ところが、その時、奇妙なことがことが起きた。
死んだはずの山田の声が、教室の前方の壁に取り付けられているスピーカーから聞こえてきたのだ。
おまえ、本物の山田か?
死んだんじゃないの?
いなくなってしまったクラスの人気者が、突然戻ってきた喜びに、湧く生徒たち。
タイトルからして、あまり明るい話は想像していなかったので、話が始まって早々に、こんな展開アリなんか?と不意打ちを食らいました。
前半は、男子高校2年生の平凡な毎日が繰り広げられます。
山田と仲間たちの男子校ならではの日常や、アホみたいな会話が飛び交うシーンが面白かったです。
私は共学だったので女友達と「なんで男子ってこうなん?」ってよくあきれていましたが、男子校なので、さらにその度合いがひどくて笑いました。
自身の高校時代や学校の教室の空気を思い出して
懐かしくなる読者も多いかもしれません。
このまま明るい話で進むのかというと
そんなことはありません。
ネタバレになるので詳しいことは控えますが、ストーリーがすすむにつれ、徐々に何かにおわすようなシーンが見え隠れ
深夜、一人ボッチでラジオのDJをする山田
他校の生徒が知っている山田の別の顔
中学からの山田を知る唯一の友
学年が上がり、クラスが変わり、山田を取り巻く仲間の変化
読みながら胸がざわざわしてきます。
この先の展開が知りたくもあり、怖くもあり
ページをめくる手が止められなくなってきます。
主役が死んだという書き出しで始まる小説を初めて読みました。
私は常々、会話や文字で「死」という言葉を出してほしくない
使ってほしくない
と思っているせいもあり、
このタイトルがあまり好きではありませんでした。
この言葉はインパクトがある上に、とても重いと感じるので。
それは今も変わらずです。
しかしながら、作品は興味深く読みました。
前半は笑いながら
中盤はちょっと真顔に
後半は胸が苦しい
結末はかなり衝撃的
ありきたりですが、
いろいろあったけど
ここまで生きててよかったな
と思いました。