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【読書感想】「国宝」(上下巻)。

「国宝」 吉田修一 著

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多少のネタバレがあります。

映画とはちょっと違うみたいですが、映画は見ていません。

 

 

あらすじ・概要

舞台は戦後復興を遂げつつあった1950年。

長崎の極道の家に生まれた、立花喜久雄が主人公。

自分の親が仕切る組の宴会のあった雪の日、余興として歌舞伎を演じていた喜久雄と徳次。

そこへ組の謀反が起き、父親が殺害されてしまう。

宴席にたまたま呼ばれていた歌舞伎役者の所に預けられた喜久雄は、そこで歌舞伎の魅力に取りつかれ、日々を歌舞伎に費やしていく。

天性の才能も手伝い、女形としてどんどん成長していく喜久雄。

御家騒動、失墜、隠し子、反社など様々な問題と共に、それでもひたむきに歌舞伎に向かい続けた喜久雄の一生とそれを取り巻く人々を描いた長編作品。

 

感想

文庫で上下巻の長い作品でしたが読みやすく、大変面白かったです。

 

前にも書きましたが、映画を観た人に感想を聞いた際「どうせエビがテキーラ飲んで灰皿で殴った殴られたみたいな話でしょ?」と聞いたら「だいたいあってる」と言われました。

読んでみると、だいたいあってました(上巻は特に)。

 

芸のために全てを捨ててひたむきに…という見方もできますが、芸を極めたいという欲望のために周りを功罪を強く与えたなとも思いました。

歌舞伎に感動できる人あるいは儲かった人も多く生み出しましたが、一方で苦労を掛けた人・迷惑をかけた人も多いんだろうなと。

まあ全てを捨てたのではなく、やりたいことをやっている中で歌舞伎が一番やりたいことだったということなのでしょう。

芸だけでは上手くいかない歯がゆさや血統によるの葛藤などもあったようですが、客観的にはかなり幸福な一生を終えたのではないでしょうか。

徳次、梅木、春江など、周りに支える人にもずいぶん恵まれていましたしね。

 

文章と歌舞伎

文体が演劇口調でした。

「さて、皆様ご存じのあの男が帰ってきました。喜久雄はそのときこう思ったものです」みたいな。

それが割と軽快で読みやすかったです。

 

一方で、歌舞伎知識が全くない中、歌舞伎の描写は正直よく分かりませんでした。

3~4回くらいは見に行ったことはあるのですが、言葉を聞き取るのも困難でしたし、

この「国宝」に出てくる演目も名前は「曽根崎心中」「女殺油地獄」くらいは聞いたことがある程度。

(女殺~はアダルト作品かと思ってましたけど)

特に知識は身につきませんでしたね。

 

たぶん映画で見た方が印象的で分かりやすいんでしょうけど、3時間近くは確実に寝る自信があるので配信されたら小分けに見ようと思います。

 

芸能界について

国宝を読んで、更に私の偏見(?)が強まりました。

 

歌舞伎がどれくらいの伝統芸能でどれくらい価値があるかはよく分かりませんが…

そこまでして守るべきものなのかどうかが分かりません。

国のイベントや補助等も行われているように聞きますが、芸能と呼ばれるものはどこまでいっても娯楽であって、私からすれば任天堂の方がよっぽど大事です。

 

特に歌舞伎役者ってアレなイメージが強いですし…

最近は知りませんが、昔はシノギとしての芸能というのも大いにあったのでしょう。

代表例で言えば、美空ひばりもがっつり暴力団系みたいですしね。

あとは私が会ったマスメディアの人って、反社とは言いませんが問題ある人が8割くらいを占めているので、どっちもどっちもかな。




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