「ババヤガの夜」 王谷晶 著

ダガー賞という賞自体を知りませんでしたが、それはそれ。
あらすじ・概要
主人公の新道依子は、身長175cm/体重75kg超の恵まれた身体を持つ(女性)。
幼い頃に両親を亡くしたが、祖父に育てられる中、暴力に立ち向かうため訓練も仕込まれてきた。
ある日、道で酔っ払いとケンカをしていたところ、その腕っぷしを見込まれヤクザにスカウトされ、組長の大学生の娘・尚子のボディガードを頼まれた。
拒否するものの犬を人質にされた依子は、嫌々ながらもその仕事を受け、その日から組長宅に住み込みで働くようになる。
と言っても、学校への送迎、食事の配膳、習い事の管理など、さながら秘書のよう。
尚子には親が決めた許嫁がいたが、その男は大の拷問好きの変態だった。
それを知った依子は…
感想
ババヤガの夜というよくわからないタイトルだったので、勝手にサイバーパンクな世界観だと思い込んでましたが、1ページ目から「甲州街道〜」と普通に現代日本の話でした。
ちなみにババヤガとはスラブ民話に出てくる魔女だそうです(ネット調べ)。
主人公の依子は、暴力を自ら求めているので、ものすごい野生児なのかと思いきや案外普通の人で、普段は配送の仕事をこなしていますし、前科はなさそうです。
刃牙シリーズでいうと、描写的には刃牙というより範馬勇次郎に近い感じなんですが、就職もしているし日本の常識などを知ってはいるようです。
ただ犬好きなのは分かるんですが、人に対して圧倒的に暴力を求めるのに、犬(しかもヤクザが飼ってる方の犬)を殺す、くらいでなぜヤクザに従うのかはよくわかりませんでした。
そんな彼女も、尚子と過ごすうちに徐々に変わっていきます。
展開の転がし方は面白かったですね。
単なるバイオレンス・アクションではなく、ミステリー的な要素も含んでいます。
そもそも、ヤクザがボディガード頼んで・・だけだと何の話か分からなかったですけどね。
文章も平易ですし舞台も現代日本なので読みやすかったのも良かったです。
ダガー賞は全く知りませんでしたが、よいきっかけになりました。
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