「成瀬は天下を取りにいく」 宮島未奈 著

気になっていたのですが、文庫になってくれたので手に取りやすくなりました(価格もですが、物理的に)。
ネタバレは多少あるかもしれません。
概要・あらすじ
「わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」と言い出し、閉店までのカウントダウンのある西武大津店でロケ撮影のテレビに映り続ける。
小学生の頃はけん玉を究め、テレビで紹介されるにいたる。
中高ではM-1を目指し、漫才コンビを結成する。
高校では入学早々スキンヘッドになる。
そんな才能あふれるが何事も実践してみる成瀬あかりと、その周りの人々が視る成瀬あかり史を描いた作品。
その他、視点が変わって同じ大津市・膳所駅周辺の大人たちも出てきます。
それらが全部繋がっていくパターン。
感想
成瀬あかりと友達になれるかというと、なれないような気がしました。
どちらかと言うと私も彼女に近いタイプだったので、友達や部活等よりも何か別のことを模索し続けていました。
単に人付き合いが嫌いだったと言えばそれまでなんですけどね。
主人公のキャラクターとしては結構イチかバチかという設定のように思いました。
共感を生むのは成瀬あかり自身ではなく、島崎や大貫といった周りの友達たちの視点。
成瀬あかりは何事も一生懸命なようで、結果としては半端なようで、主人公としてもてはやされるわけでもなく周りの子達の冷静な評価とのバランスが良かったように思います。
これで無双しているような話だったらつまらなかったでしょうし。
ただ結局のところ、天下取りなような大袈裟な話ではなかったような。
文章は平易なので、非常に読みやすいです。
また1章30~40ページくらいなので、キリよく読みやすいというのもありますね。
正直言ってちょっと帯の宣伝文句などで持ち上げ過ぎならところがあると感じましたが、普通に読めば普通には楽しめると思います。
滋賀県の思い出
滋賀県には行ったことがありますが、湖東の辺りの彦根市や長浜市くらい。
本作の舞台である膳所(ぜぜ)は全く知りませんでしたし、初見では読めませんでした。
と思ったら、私のiPhoneに記録が残されていました。
2017年に膳所駅に立ち寄ったようですが…単に看板だけ撮ったのかな?

大津市には京都旅行の際の宿として駅前に泊まった記憶があります。
せっかくなので近江牛を食べ、夜の琵琶湖を見に行こう…ととぼとぼ歩いて行ったら、人は誰もいなかったけどでっかい白鳥が一羽いてずっとクワクワ鳴いていたのが良い思い出です。
彼とは数十分の時を共にしました。
その程度の思い出しかないので、滋賀県はちょっと掘り足りないですね。
思い出のお店
私の住んでいた千葉市中央区でも老舗の閉店というのはありました。
昔々の田畑百貨店というのがあった時代は流石に知りませんが…
千葉の三越が閉まったのは結構衝撃だったそうですが、私自身は三越にほぼ行くことがなかったので、特に感慨はありませんでした。
今はでっかいマンションにしようと数年かけて工事してますね。
どちらかというとヨドバシカメラの方が馴染みがありました。
建物自体はまだありますし、閉店してもすぐにそごうと連携して再オープンしてますが…
また、中高生の時は週2~3回ヨドバシカメラ千葉店に行っていましたが、何をしに行っていたか明確なものが思い出せませんでした。
ただ、数年前に元々のビルから撤退するとなって閉店した際に最後に行きましたが、階段でジュースを飲んだ思い出や、大量のMDを買っていたことなどを思い出せました。
やっぱり現地の力というのは大きいですね。
百貨店以外だと、「ほていや」というレストランがありました。
確か創業100年間近だったはずですが、ある日忽然と閉店になっていました。
千葉駅付近でカジュアルとオフィシャルのどちらも兼ね備えたいい店だったのですが…
社会人になって自分で払えるようになってからは、数回しか行けませんでしたけどね。
ただ元店舗があったコイン式駐車場の看板に「ここにはほていやがあった」という看板は残されています。
そういう「自分史」を巡ってみるのも楽しいかもしれません。
昔はよくやってたんですけどね、小学校の通学路を歩くとか。