
早咲きの桜が満開になった。
そして、車の契約が終わった。
あれだけ迷って、
数字を比べて、
感情と向き合って、
最後は静かにサインをした。
納車日は、もう決まっている。
けれど、その日はここでは書かないでおこうと思う。
少しだけ、自分の中で温めておきたいからだ。
思ったより時間はかかる。
契約までは早かったのに、
そこから先はゆっくりだ。
でも不思議と焦りはない。
今の気持ちは、
不安よりもワクワクの方が少し多い。
これが今回いちばん大事なことだと思う。
オデッセイを手放す決断は、簡単ではなかった。
あの車には思い出がある。
亡くなったカミさんとの時間も、
何気ない日常も、
静かな帰り道も。
でも、車は思い出そのものではない。
思い出は、自分の中に残る。
そう思えたから、前に進めた。

次の相棒はフリード。
大きすぎず、小さすぎず、
これからの自分にちょうどいい。
夜の高速を少し楽に走りたい。
安心してハンドルを握りたい。
車中泊で一泊してみたい。
しまなみ海道にも行きたい。
70歳からの、小さな挑戦。
大きな夢じゃなくていい。
まずは一泊。
それだけで十分だ。
納車までのこの時間も、悪くない。
まだ何も始まっていないのに、
頭の中ではもう走っている。
ラゲージボードの設計。
カーテンの色。
最初に走る道。
考えている時間が、すでに楽しい。
ワクワクが勝った日。
この感覚を忘れないでおこうと思う。