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全室露天風呂付の守田屋 宿泊記|磐梯熱海温泉で静かに過ごすちょっと贅沢な時間

郡山から磐越西線に乗り換え、会津若松へ向かう途中でいつも通過していた磐梯熱海駅。「あの温泉地はどんなところなのだろう」と、ずっと気になっていました。

観光名所の多い会津若松と比べると、磐梯熱海温泉はとても静か。電車を降りる人も少なく、どこか落ち着いた空気が流れています。だからこそ、賑やかな観光よりも“温泉そのもの”を楽しみたい大人の女性にはぴったりの場所かもしれません。

今回夫婦で宿泊したのは、全10室・全室露天風呂付きの温泉宿「守田屋」。
少し贅沢な価格帯ですが、pH9.3のアルカリ性の美人の湯はお肌がつるつるになり、湯量も豊富。静かに、ゆったりと、心と体を休める時間を過ごすことができました。

この記事では、磐梯熱海温泉の穴場感や、守田屋の客室・温泉・食事の様子を、実際の宿泊体験をもとに詳しくご紹介します。

 

守田屋の概要

  • 部屋数は全10室、すべての部屋に温泉がついている
  • 大浴場はないが、3か所の貸切風呂がある
  • 宿泊は12歳以上に限定
  • お部屋でWifi使用可能。エアコンは個別調整可。
  • ひとり旅プランは予約時点では見つからず、今回は夫婦で利用
  • 2人で宿泊し、2食付きで1人27,000円くらいから

料金と空室をチェック

公式サイト

www.moritaya.org

チェックイン

今回は駅からは徒歩で、ちょっと遠回りしてから宿に向かいました。こちらが宿の入り口。チェックインの時間になると、スタッフの方が入り口に立って、案内してくれます。

旅の始まりはこちらの暖簾から

アプローチを抜けて玄関へ

玄関で靴を脱いでスリッパに履き替えます。ロビーのソファーに座って、宿帳の署名や貸切風呂の説明などを受けます。

ロビーでチェックイン手続き

手続きが終わると、スタッフの方がお部屋まで案内してくれました。

宿泊したのはAタイプのお部屋

守田屋は全10室ながら、スイートタイプやセミスイート、7名で泊まれる特別室まで揃っており、選択肢は意外と豊富です。

ただ、今回の旅は2泊3日で、守田屋さんは1日目の宿でした。実は2日目に宿泊する宿で、少し良いお部屋を予約していたため、1泊目の守田屋では価格を抑えたいと考えていました。

とはいえ、守田屋は全室に温泉の露天風呂(部屋によっては半露天)が付いています。
つまり、どの部屋を選んでも温泉の質に差はないし、食事もプランが同じなら部屋による差はなさそうです。それならば、必要以上に広い部屋にするよりも、夫婦2人でちょうどよい広さのAタイプで十分だと判断しました。

結果として、Aタイプでも快適さに不足はなく、露天風呂を好きな時間に何度も楽しめるという守田屋の魅力はしっかり味わえました。

「旅の中で宿泊費にメリハリをつけたい」そんな大人の旅行スタイルには、Aタイプはとても現実的で賢い選択だと思います。

Aタイプ客室の広さと間取り|8畳+畳敷きスペース

Aタイプは8畳のお部屋に、プラスアルファのスペースが付いた造りです。その“アルファ部分”は、他の宿でいう広縁のような位置づけですが、ここも畳敷き。
椅子ではなく畳というのが、なんとも落ち着きます。

Aタイプのお部屋は8畳プラスアルファの広さ

Aタイプの部屋はロビーから階段を下りた位置にあり、建物の中では川に一番近いと思われます。そのため、川の流れの音がよく聞こえます。

さらさら、というよりも、思っていた以上にしっかりとした水音。

私は自然の音として心地よく感じましたが、静寂を求める方や音に敏感な方には、少し気になるかもしれません。

窓の外には五百川の清流

窓側から見たお部屋はこちら。広すぎず、狭すぎず。夫婦2人で過ごすにはちょうど良い広さで、圧迫感はありません。

Aタイプのお部屋

さりげない癒しのしつらえ

床の間にはお香の用意があり、赤べこの置物が飾られていました。

床の間にはお香の用意があった

テーブルの上にはお茶請けのお菓子の用意がありました。電気ポットが用意されていて、お茶はティーバッグで用意されています。ハーブティーもありました。まずは一息つくことにします。

お茶請けのお菓子とお茶セット

客室露天風呂

客室の露天風呂

窓の向こうに五百川の流れを感じながら入る、客室の半露天風呂。

湯船は陶器製で、丸みのあるフォルムがやわらかな印象です。
大きさは1人でゆったり浸かるのにちょうどよく、肩までしっかり温まれます。

客室の中にありながら、窓を開ければ外の空気を感じられる造り。
完全な露天ではありませんが、屋根があるため天候を気にせず入れるのは安心です。

客室の露天風呂

川のせせらぎがよく聞こえ、湯に浸かっていると時間の感覚がゆっくりになります。

川音を聞きながらの湯あみが楽しめる

湯口から絶えず注がれる源泉。
この“流れ続けるお湯”を見ているだけで、温泉宿に来た実感が湧いてきます。

お部屋のお風呂は滞在中はいつでも入れる

洗い場もついていますが、冬場は外気の中で体を洗ったりシャンプーするのは寒いので、体を洗うのは館内の貸切風呂を利用しました。

洗面スペース

洗面スペースはこのような造りです。ガラス扉の奥が、客室露天風呂へと続いています。

洗面所兼脱衣所

洗面台には化粧水や乳液の用意もあります。

基礎化粧品の用意もある

チェックアウト前に排水管が外れて床が水浸しになるというハプニングがありましたが、フロントへ連絡するとすぐに対応してくださいました。

設備・備品について

クローゼットの中には浴衣、半纏、タオル、湯籠の用意がありました。

タオルや浴衣はクローゼットの中に

貸切風呂にはタオルの用意がないので、お部屋からタオル持参で行きます。湯籠があるのは大変ありがたいです。

貸切風呂に行くのに便利な湯籠の用意も

お部屋の冷蔵庫は小型タイプで、おしぼりが入っていました。

お部屋の冷蔵庫

お部屋のコンセントは、客室内は床の間の脇に1つありました。タップがついているので、差込口は3つとれますが、寝ながら充電することを考えると、もう一か所あるといいなと思いました。テレビの裏にもコンセントあるのですが、ここはすでにテレビや電気ポットで使用されていました。

お部屋のコンセント

WifiはPW付きのものが用意されていて、お部屋で快適に使用できました。

館内で楽しめるサービス

貸切風呂

客室にいつでも入れるお風呂はありますが、館内には貸し切りで利用できるお風呂が3か所あります。それぞれ趣が異なり、湯巡り気分を味わえるのも魅力です。3か所ともチェックインの日は夜10時まで、翌日は朝7時から9時半まで利用できます。予約は不要で、空いていれば利用できるシステムです。

森のかくれんぼ(露天風呂)

貸切利用できる露天風呂

こちらが貸切風呂の中で唯一の露天風呂です。ちょっと高い位置にあるので五百川を直接眺めることはできませんが、川のせせらぎは聞こえてきます。

こちらのお風呂は脱衣所も外。シャワーとカランはありますが、石鹸やシャンプー使用はできません。

自然豊かな環境での湯あみは癒されます
川音の湯(内湯)

こちらは内湯タイプ。湯船は2人でゆったり入れる広さがあり、貸切風呂の中では最も使い勝手が良いと感じました。

川音の湯

湯船の中に頭を置ける枕状の石があり、リラックスできます。窓の外には五百川の清流。夜はライトアップされています。

窓からの眺め

カランとシャワーは2人分あり、シャンプーやボディソープもそろっているので、しっかり体を洗いたい場合は、この「川音の湯」が一番おすすめです。洗顔フォームが洗い場にあるのは、私にとってはとても嬉しいポイントです。

川音の湯にはシャンプー類も完備

こちらは守田屋さんオリジナルのシャンプーも試せます。

守田屋さんオリジナルのシャンプーとトリートメント

川音の湯の洗面スペースには、Refaのドライヤーが設置されていました。

Refaのドライヤー
漆塗りのお風呂

やや小ぶりな湯船のお風呂でした。私はこちらのお風呂は利用しませんでしたが、扉を開けたら湯気がもうもうとたっていました。

漆塗りのお風呂
泉質

館内に掲示してある温泉分析書です。磐梯熱海温泉はpH9.3というアルカリ性単純温泉が特徴で、お肌がツルツルする美人の湯が魅力です。自家源泉ではなく、温泉は貯湯槽から供給されているようです。

温泉分析書

駅前の足湯やチェックイン前に立ち寄ったもう一つの足湯の温泉分析表とほぼ同じ内容でした。足湯の方には「温泉事務所でレジオネラ属菌殺菌のため次亜塩酸ナトリウムを投入しています」とあったので、おそらく宿の温泉も同様と推測します。

ラウンジサービス

ラウンジ

こちらの宿にはラウンジサービスがあります。チェックインの日は夜9時半まで、翌朝は7時から使えます。

ラウンジの利用時間

ラウンジにはコーヒーマシンはもちろん、緑茶を含めたいろいろなティーバッグや、ちょっとしたお菓子、ジュースやチェックインの日の夕食までは日本酒のサービスもあります。

ラウンジの飲み物

お菓子もあれこれありました

べこのへや

ロビーの隣にこんなお部屋が。

べこのへや

お部屋の中には様々なべこの置物が展示されていて、購入することもできました。

様々なべこ

超ミニサイズのべこちゃんもありまして、我が家も2つ購入しました。

超ミニサイズのべこちゃん達

こちらには漫画もありました。

マンガもある

 

守田屋の夕食と朝食|個室で味わう会津の恵み

夕食も朝食も、食事は館内の食事処でいただきます。
とはいえ大広間ではなく、お部屋ごとに仕切られた個室タイプ。周囲を気にせず、落ち着いて食事ができる空間です。

守田屋は、公式サイトでも料理長を写真付きで紹介しており、「お料理が食べたくて来ました」と言ってもらえる宿でありたいと記しています。
食材や器にもできる限り地元のものを取り入れるなど、食事へのこだわりが伝わってきます。

温泉宿ではありますが、ここは“料理も楽しみに訪れたい宿”なのです。

夕食

会津らしさを感じる和の献立

席に着くと、すでにいくつかのお料理が並んでいました。季節感のある器に盛られた前菜や鍋。これから始まる食事への期待が高まります。

個室でいただく夕食

お品書きを眺めながら、ひと品ずつ味わう楽しみ。
会津の食材や郷土料理の名前が並び、土地の恵みを感じる構成です。

夕食のお品書き

箸置きが赤べこでこちらもご当地アイテム。

赤べこの箸置き
ノンアルコールメニューが充実

食事のはじまりに、まずは飲み物を注文します。

私たち夫婦はアルコールがほぼ飲めないのですが、守田屋ではノンアルコールの選択肢が豊富で良かったです。宿特製のゆずジュース、ご当地サイダー、奥会津の炭酸水など、土地を感じられるラインナップ。

温泉宿によっては、アルコールは豊富でもノンアルコールは数種類だけということも少なくありません。その点、守田屋は飲めない人への配慮がしっかり感じられました。

飲み物の注文はタブレットで行います。

ノンアルコールメニューが充実

私は奥会津の炭酸水をいただきました。こういうご当地メニューはとても嬉しい。

奥会津の炭酸水
食前酒で乾杯して夕食の始まり

飲めない私達も食前酒くらいはいただきます。まずは乾杯。

乾杯

まずは前菜からいただきます。

前菜

続いて会津の郷土料理のこづゆ。お祝いの時などに頂くそうです。

こづゆ

お造りは2人分が大皿にのってきました。

お造り

台の物は福島県認定ブランド地鶏の川俣軍鶏を鍋でいただきます。

川俣軍鶏の鍋

焼き物は吉次というお魚の柚庵焼き。

焼き物

蒸し物は甘鯛の蕪蒸しでした。見た目も美しく、思わず写真を撮りたくなる一品でした。

見た目も美しい甘鯛の蕪蒸し

締めのお食事は、白米の上にのっていた昆布ちりめんも美味しかったです。デザートは旦那さんのお祝いであることを伝えてあったら、アイスをサービスしていただけました。

お食事とデザートが出て夕食は終了

朝食

朝食も夕食と同じ食事処の個室でいただきます。賑やかなビュッフェとは違い、席に着けば整えられた和の膳。落ち着いて一日の始まりを迎えられるのが嬉しいところです。

朝食

焼き魚、青菜のおひたし、きんぴら、漬物などが並びます。

和朝食

温泉卵と湯豆腐も。特別に華やかというよりも、丁寧に整えられた王道の和朝食です。

温泉卵と湯豆腐

お食事の感想

地元の食材を使い、会津の郷土料理も入れながらのお食事は大変美味しくいただけました。量も60代の私には多すぎず少なすぎず、ちょうど食べきれる量なのも良かったです。

アクセス|チェックイン前の寄り道散歩

駅から宿へ、五百川沿いをのんびりと

最寄り駅は磐越西線の磐梯熱海駅です。東京方面から向かう場合は、東北新幹線の郡山駅で磐越西線に乗り換えます。郡山駅から磐梯熱海駅までは20分くらいです。駅から宿までは1キロほどなので、徒歩でのアクセスも可能です。

今回の旅では、ちょっと歩きたかったので、あえて少し早めに到着する列車で向かい、五百川沿いの遊歩道を散策しました。

駅前の足湯で休憩

磐梯熱海駅に到着。まずは駅前の足湯でひと休み。電車移動のあと、温泉のぬくもりにほっとします。磐梯熱海には無料の足湯が2か所ありました。足湯があるのはその地の温泉の湧出量が豊富な証ではないかと、私は思っています。

駅前の足湯

その後、駅前の物産館をのぞき、地元のお菓子や名産品をチェック。館内には簡単な食事がとれるコーナーや、トイレなどもあります。

駅前の物産店
熱海ゆけむり緑地から五百川へ

物産館を後にしたら、駅横に広がる熱海ゆけむり緑地を抜けます。

熱海ゆけむり緑地

緑地を抜けたら線路沿いにあるき、踏切を渡ります。正面に発電所の建物が見えます。

発電所の建物

道路を会津若松方向に向かって歩くと、けやきの森の看板があります(着物美術館のちょっと手前あたり)。ここが遊歩道の入り口です。

けやきの森の看板

五百川にかかる橋を渡り、遊歩道へ。階段の上り下りもあるので、キャスター付きのスーツケース持参では厳しいです。木立の中を歩く時間はとても気持ちよく、川のせせらぎがや鳥のさえずりが聞こえてきます。

遊歩道

五百川を眼下に見ながら歩ける場所もあります。

五百川

入り口から20分くらい歩くと、源泉神社が見えて来ました。ここで山から駆け下りてくるかも鹿のような動物を見かけました。源泉神社に出たら遊歩道は終わりです。手水には「深沢の名水処」と書かれていました。ちょっとした湿地帯があり、水芭蕉が咲きそうな気配がありました。

源泉神社

通りに出ると足湯と手湯があります。トロミを感じるお湯で、お肌がツルツルになります。

足湯と手湯

遊歩道を歩いたのは20分ほどでしたが、足が少し疲れたので、ここで休憩。ここから宿までは歩いて5分ほどなので、チェックインに良い時間まで足湯で時間をつぶしました。

歩いた後の足湯は最高

この足湯の隣には、温泉の貯湯タンクがありました。磐梯熱海温泉は、集中管理方式なのかもしれません。

貯湯槽

このルートだと一度宿を通り越す形になりますが、時間に余裕があれば、ぜひ歩いてみてほしい道です。

遊歩道を歩かない場合

駅から宿までは1キロほどなので、徒歩でのアクセスも可能です。駅前にタクシーがいるので、歩きたくない場合はタクシー利用も可能です。私達は帰りにタクシーを利用したら、5分ほどで料金は800円でした。

 

 

守田屋に泊まって感じたこと

pH9.3のアルカリ性単純温泉は、やわらかな肌あたりで、いわゆる“美人の湯”。そのお湯を客室の露天風呂で好きなときに楽しめるのは、温泉好きにとってたまらない贅沢です。

全10室、しかも12歳以上限定ということもあり、館内はとても静か。五百川のせせらぎを聞きながら過ごす時間は、慌ただしい日常を忘れさせてくれるものでした。

食事も印象的です。会津の食材を大切にした料理はどれも丁寧で、量もちょうどよく、最後まで美味しくいただけました。ノンアルコールメニューが充実している点も、お酒を飲まない私たちには嬉しいポイントでした。

スタッフの方々も多く、皆さん親切で対応は丁寧。外国人スタッフの方もいらっしゃいましたが、日本語でしっかり意思疎通ができ、安心して滞在できました。

一方で、いくつか注意したい点もあります。

私たちが宿泊したAタイプの客室は川に最も近い場所にあるため、川音はかなりはっきり聞こえます。自然の音が心地よいと感じる方もいると思いますが、音に敏感な方は気になるかもしれません。

また、窓に遮光カーテンがないため、日の出が早い季節は早朝から部屋が明るくなります。朝ゆっくり眠りたい方は、その点を踏まえておくと安心です。

食事処はスリッパを脱いで上がる形式で、個室内に床暖房はありませんでした。宿で用意されている足袋を履いて向かいましたが、寒い時期は足元の冷えが気になる場面も。
何か足元を温める工夫があると、より快適になると感じました。私は登山で使うウールの厚手の靴下を持っていたので、朝食の時にはその靴下で行きました。

それでも総じて、
「温泉・料理・静けさ」を求める大人の旅には、とても満足度の高い宿です。

川の音に包まれながら、美人の湯に浸かり、会津の恵みを味わう。ゆったりと時間がほどけていくような滞在でした。また季節を変えて、再訪したいと思います。

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