2024年5月に北海道のタウシュベツ川橋梁を訪れた時に、糠平(ぬかびら)源泉郷の中村屋さんに宿泊しました。こちらの宿のお風呂は源泉かけ流しだし、食事は地元の食材を手作りしたお料理がどれも美味しく、一人旅も受け入れてくれるので、個人旅行客には人気の宿です。噂に違わぬとても居心地の良い宿でした。
連泊すると、日中の時間帯にお風呂を貸し切り利用できたり、アイスのサービスなんていう特典もあったので、今回は連泊でお世話になりました。

中村屋の概要
- 客室数17室。トイレ付きもあればトイレ共同のお部屋もあり、間取りも異なる
- 温泉は加水・加温・循環・消毒なしの源泉かけ流し
- 客室もロビーも含めてWifiは快適に使用できる
- 毎朝地元の牧場から牛乳配達のサービスがある。美味しい。
- 連泊すると温泉貸切利用やサウナ、アイスのサービスがある
- トイレ付きの広いお部屋に平日に1人で泊まり、2食付きで1泊22,000円くらい
公式サイト
宿泊したお部屋
私は夜中にトイレに起きることもあるので、トイレ付きのお部屋を選ぶようにしています。トイレ付きのお部屋が3部屋あり、私が選んだのは和洋室タイプの107号室です。

入口の扉を開けると天然の木材と漆喰で仕上げた玄関。折りたたみ傘も干せる結構広い玄関でした。奥の木の扉の中はトイレで、その手前に洗面台があります。左側のガラスの引き戸の奥が客室です。

客室内は御覧の通り洋間の奥の窓側に畳のコーナーがある和洋室です。とても広いお部屋です。

窓側から出入口方向を見るとこのような感じで、シングルベッドが2台並んでいるのがわかります。柱時計がなかなかあじわい深いです。

窓から見える景色は裏山という感じ。絶景ではないのですが、たまに鹿がいたりします。手前の簾がかかった段々の通路は。露天風呂に向かう渡り廊下です。

部屋の水回りとしては、玄関の奥に洗面台があります。スペースが広くて使いやすいです。

客室内にもミニシンクがあります。ミニシンクの脇には電気ポットや冷水ポット、コーヒーなどのアメニティが用意されています。シンクの上に並んでいるカップがオシャレです。

ドリップバッグタイプのコーヒーと粉末タイプのお茶の用意があります。コーヒーはロビーにエスプレッソマシンがあるので、そちらを利用することが多かったです。

ミニシンクの下には茶器のセットと冷蔵庫です。冷蔵庫は電源をオンにして使用します。

お部屋にはマッサージ機もあります。その横に扇風機。エアコンもありましたが、私が訪れた5月は湯上りに少し扇風機の風に当たるとちょうど良い感じでした。

扇風機の背後の棚にあるのは枕です。お布団はベッドに用意されていますが、枕は自分で好みのものを選ぶシステムです。柔らかいタイプから硬いタイプは広辞苑まで並んでいるのがおもしろいです。


お茶請けのお菓子は甘納豆です。甘納豆が入っている器をフロントに持って行くとお代わりがいただけるサービスもあり、美味しかったし連泊だったこともあり、3回お代わりしました。

源泉かけ流しの温泉
糠平源泉郷は湯量が豊富なのか、ほとんどの宿が源泉かけ流しで温泉を楽しめます。もちろん中村屋さんも加水・加温・循環・消毒なしの正真正銘源泉かけ流しの温泉です。ぴんぼけで申し訳ないのですが、源泉かけ流しの宣言書も掲示されていました。

大浴場
大浴場は男女別に内湯が1か所ずつで、毎晩暖簾が入れ替わります。1泊2日で利用する場合は、チェックインしたら暖簾の入れ替え時間以外は、翌朝10時まで夜間の時間帯もずっと入浴可能です。北海道の夏の朝は夜明けが早く、ついつい目が覚めてしまいます。そういう時に温泉に入れるのはとても嬉しいです。

チェックインした日は手前の浴室が女湯になっていました。手前の浴室は浴槽が木でできていて、奥の浴室はタイルの浴槽です。奥の浴室の方が広々した感じがしました。

こちらが木の浴槽。

湯口が熊さんです。源泉がザバザバとかけ流されています。お湯の温度も私にはちょうど良くて幸せ・・・。たぶん40~41度くらいと思います。洗い場にはシャンプー、コンディショナー、ボディソープはありますが、洗顔フォームはありません。

脱衣所は籠形式で、洗面台もありドライヤーもありました。これはどちらの浴室の脱衣所も共通です。

鏡には中村屋さんの前身である富士見観光ホテルの文字が残っていました。当時は客室数は50室くらいあったそうです。

タイルのお風呂
もう一方の内湯はタイルの湯船。湯船の形がお花のようでかわいらしいです。こちらのお風呂は木のお風呂よりちょっと湯の温度が熱く感じました。

開放感抜群の露天風呂
露天風呂は内湯からは直接出られないので、服を着て移動します。裸で移動しないでね、という注意書きがありましたが、裸で行っちゃう人がいるのかしら。
こんな渡り廊下を渡って向かいます。

中村屋さんの露天風呂は基本的に混浴ですが、脱衣所は男女別です。脱衣所は狭いですが、一度も他の人と出会いませんでした。

こちらが露天風呂です。解放感は抜群です。

露天風呂も源泉が勢いよくかけ流されています。

糠平温泉郷のお湯は無色透明で、露天風呂の湯船には体を隠せるような岩とかないので、混浴はちょっとハードル高いかも。
でも夜8時半から10時までは女性専用タイムです。晴れていれば星空が美しいそうなので、夕食後に入るのも良いのですが、私が泊まった時は夜は雨が降ったりしてました。夜星が見やすいように、一時的に照明を消すスイッチまであります。こういう工夫がホント素晴らしい宿です。

運が良いと鹿が遊びに来ていることもあります。宿の人に聞いたらよくいますよ、とのこと。珍しいことではないそうです。

連泊すると貸切で楽しめる
連泊するとお風呂を貸し切りで1時間楽しめるサービスがあります。内湯2か所と露天風呂の計3か所の湯船のうち、1か所はお掃除で使えませんが、残り2つのいずれかを貸し切りで利用できます。私は露天風呂を貸し切り利用させてもらいました。露天風呂は日中は混浴ですが、貸切利用なら誰かが入ってくることはないので、のびのびと湯あみができました。

露天風呂横には連泊の人だけが楽しめるサウナもあるのです。

サウナの中はセルフロウリュ可能です。

泉質
中村屋さんの温泉の泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉です。美人の湯ですね。pHは7.8で弱アルカリ性です。無色透明で香りもあまりしないのですが、湯につかると源泉かけ流しということもあり、とても新鮮なお湯につかっている感がありました。


お食事
夕食・朝食ともにレストランでいただきます。どちらも地元の食材を使ったお料理で、隣の厨房で作り立てのお料理が運ばれてきて、大変満足度が高いお食事でした。
レストラン入り口には食材と産地の一覧が掲示されています。山地が裏の山なんていうの食材も。

夕食のスタート時間は18時、18時半、19時の中から選択します。朝食は7時半から8時半までの間にレストランに行ってバイキング形式でいただきます。
初日の夕食
夕食は食前酒を選ぶところから始まります。お酒がダメな人には食前酢が選択できます。どれも宿の自家製です。

どれも自家製。素晴らしい。

初日は「きよまい」というブドウに近い植物からできたお酢をいただきました。

初日の献立表。

手前の「ちょっと一皿」は先付のような位置付けかな。その奥には納豆の三食和えやビートのきんぴら、トマトと黒米のサラダが並びます。

続いて牛乳と丸麦の茶碗蒸し。そして行者ニンニクの炒め物。この時期、北海道では行者ニンニクが旬なようで、炒め物が運ばれてきました。


テーブルのコンロの鍋もそろそろいい感じになってきました。中身は鶏肉です。

続いて揚げたての山菜の天ぷらが運ばれてきました。本当に熱々です。宿のスタッフの皆さんが野山から積んできてくださったものを天ぷらにしているんです。

つづいてニジマスのガーリック焼き。こちらはホイルに包んで焼き上げてありました。オーブンから出てきたばかりの熱々です。

この後はご飯とお味噌汁、自家製福神漬けをいただき、最後にデザートです。ホントどのお料理も一つ一つ丁寧に調理されていて感動しました。


2日目の夕食
連泊でも夕食のメニューは異なるのが嬉しいです。まずはお品書きから。メインはポークの陶板焼きです。

まずはちょっと一皿から。十勝名産のグリーンアスパラが存在感あります。

小鉢には切り干し大根やニジマスのマリネ、マッシュポテトです。

今夜も食前酒を選びます。量はそんなに多くないことが昨晩で分かったので、2日目はアルコールを選ぶことにして、オンコというのをお願いしました。オンコは赤い実がつく常緑樹です。


温かいお料理の最初はスープ、続いて揚げ物です。揚げ物は昨夜の山菜の天ぷらも美味しかったですが、2日目は野菜の揚げ出しで、食感が良く胃に優しい感じです。金継ぎされた感じの器もステキ。


続いて今夜もオーブンから出てきたばかりの熱々のお料理が。グラタンです。インカのめざめというジャガイモを使っています。

この日のメインその1はポークの陶板焼き。中までしっかり火を通していただきます。

メインその2は蝦夷鹿のローストです。北海道で鹿はよく見るけど、食べるのはもしかしたら初めてかも?

最後にデザートをいただき2日目の夕食は終了です。

朝食はビュッフェ
朝食もレストランでいただきます。ビュッフェ台には地元の食材を作った手作り料理がたくさん並びます。ご飯もパンもあって、パンは毎朝宿で焼いているそうです。作り立てのフカフカの食感がとても美味しかったです。

そして大粒の納豆がとても美味しく、ご飯もいただきます。

この納豆は中村屋さん提案の商品とのこと。


嬉しいサービス
ロビーにマンガ
フロント前のロビースペースにはソファーとテーブルがあり、結構な量のマンガもあります。マンガはお部屋で読むことも可能なので、温泉三昧のお供にはとてもありがたいです。エスプレッソマシンもあり、宿泊客は自由に飲むことができます。


エゾリスの穴
館内には「エゾリスの穴」というお部屋があります。

この部屋の中には宿のスタッフの方が、こんなものがあるとお客さんが便利なのでは?という視点で選んだものが並んでいて、宿泊客は自由に使うことができます。基礎化粧品やコットンなどの消耗品もあれば、アロマポットや電気スタンドなど、使い終わったら元に戻す物もあります。かなり品数があってびっくりしました。これも中村屋さんらしいおもてなしだと思います。


お代わり自由のポテチ
地元十勝のじゃがいもで作られたポテトチップスは、食べきってしまった後の袋をフロントに持って行くとお代わりをいただけます。でも一人旅だと一袋は食べきれず、お代わりしませんでした。ロビーの囲炉裏であぶって食べるのが中村屋流です。


毎朝の牛乳配達
宿泊すると翌朝7時頃、牛乳配達があります。私は連泊したので2回いただきました。

冷えた状態で届くので目覚めのいっぱいにしても良いし、冷蔵庫に入れておき、朝風呂の後の一杯にしても美味しいです。

売店
館内の売店は品ぞろえが豊富です。

食事の時に提供される食材の一つ、豆は売店で量り売りも。

湯上りに食べたくなるアイスも売っていて、連泊の人はアイスバーは無料でいただけるのです。

アクセス
静岡から向かう場合は飛行機にまず乗ります。糠平源泉郷の最寄り空港は帯広空港で、JALとAIRDOが就航しています。通常私はANA系空港会社を利用するので、計画当初はAIRDOを予約していたのですが、帯広駅から糠平源泉郷までの特急バスの出発時間が2024年度から繰り上がってしまい、AIRDOでは間に合わない可能性があり、少し早く到着できるJALで帯広空港に向かいました。空港から帯広駅までは、飛行機の到着に合わせてシャトルバスがあります。
帯広駅からは行きはノースライナーという特急バスを利用しました。三国峠経由のノースライナーが糠平温泉を通ります。事前予約制です。
帰りは糠平源泉郷を10時頃出発する一般的な路線バスで2時間近くかけて帯広駅まで戻ってきました。
宿の最寄りのバス停は、ノースライナーを利用する場合は、糠平源泉郷で下車します。こんな建物があるところがバス停です。

一般的な路線バスの場合は糠平温泉公園前が中村屋さんの最寄りのバス停です。こちらのバス停にはノースライナーは止まらないので気をつけましょう。
バスの時刻は十勝バスのサイトで調べられます。2024年5月の時刻表を見ると、帯広駅と糠平源泉郷の間は1日に4往復で、帰りは10時台のバスの後は16時台までありません。16時台のバスに乗ると帯広駅に到着するのは夜の7時頃になってしまい、私の場合その時間からはもう静岡まで戻れないので、連泊にしたわけです。
十勝バスの時刻表を探す時は、ぬかびら線を見ます。
帯広空港でレンタカー借りて行くともっと早く到着できるし、途中「幸福駅」や道の駅に寄ったりもできますが、北海道の道路はエゾ鹿との衝突がひとり旅だと少々心配で、今回は全部バスを使いました。道路は広くて走りやすい感じだったので、次回はレンタカーでも良いかなと思います。
まとめ
ひとり旅や個人旅行客に人気の宿なのも納得の宿でした。温泉は良いし、食事は地元の食材を丁寧に調理してくれ、できたてを運んで来てくれます。建物は年数がたっていて古さは否めませんが、スタッフ自らがリフォームを繰り返して大切に使っているのがよくわかります。ご主人や女将さんの気配りが行き届き、スタッフも皆さんこの宿で働くことに誇りを持っている感じがしました。こういう宿は本当に居心地が良いものです。
今回中村屋さんに泊まったのは、糠平源泉郷近くのタウシュベツ川橋梁を見に行くことが目的でした。レンタカーなど車でアクセスされるのなら1泊2日でも良いのですが、路線バスで行こうとすると、ちょっと時間のやりくりが大変だったので2泊3日にしたのですが、連泊するとタウシュベツ川橋梁観光のあと、午後半日をのんびりと温泉や街中散策に充てることができて、私としてはとても良かったです。タウシュベツ川橋梁ツアーについてはこちらをどうぞ。
静岡からだと遠くてそうしょっちゅう行けませんが、糠平温泉郷に泊まるのなら、次回も中村屋さんにしようと思いました。
この宿と同傾向の宿
今回お世話になった中村屋さんは、スタッフの気遣い・気配りが行き届いていて、お料理もいわゆる温泉旅館料理とは一線を画す献立でした。うまく言葉にできないけれど、私はこういう宿が好みです。今までに泊まった宿の中では、尾瀬沼に行く時に宿泊した「旅館ひのえまた」も同じように良かったです。