なんで反対の意味になってしまうのー(汗)という物を4つ紹介します。
(1)in the balance
balance は「釣り合い,均衡」という意味ですね。強勢は ba にあります(/bǽ/)
lose one's balance で「バランスを失う」,keep one's balance で「バランスを保つ」です。分かり易いですね。off balance はどうでしょう? off は「離れて」の意味があるので,off balance は「バランスを失って」です。
では,be in the balance はどうでしょうか? in には「……の状態にあって」の意味があります(in silence,in a line)から「バランスが取れている」でしょうか?
実は逆です。be in the balanceは「不安定な状態にある」という意味なのです。これは奇妙ですね。balance は「天秤」という意味もあります。ba は「2」を表す「バイ(bi)」(バイナリー binary とか,バイセクシャル bisexual のバイ)と同根で,「2つの物を皿に乗せて測る」ということで「天秤」です。「天秤」に乗せるとゆらゆらしますよね。そのゆらゆら状態にあるということで「不安定だ」ということなのです。「均衡」という意味と「不安定」という意味があるなんて困ったものですが,in the balance を訳すときには注意しましょう。
(2)temper
temper は「気分,気質」という意味です。be in a bad temper は「不機嫌だ」,lose one's temper は「カッとなる,怒る」です。
では,be in a temper はどうでしょうか? lose one's temper すると「怒る」わけですから,temper は「平静な状態」ですよね。また,be in a bad temper「不機嫌だ」から bad が無くなっているので,「普通の気分のこと?」ってなりますよね。
実は be in a temper は「怒っている」という意味です。「temper の中」にいても「怒っている」し,「temper を失って」も「怒る」という意味なのですから,訳がわかりませんね。be in a bad temper「不機嫌だ」から,bad を「引き算」しても,やはり「怒っている」。このように数学的な論理性で測れないことがある(=結局いちいち覚えるしかない)点が,数学好きで英語が苦手な生徒がいる理由なのではないかと思います。言葉は日々変化するので,こういう奇妙なことも起こるわけですね。この temper に関して言うと,結局この語は「怒っているかどうか」を言うのによく使われた結果,どのみち怒っているの意味に使われてしまうようになったのではないかと思います。
(3)defeat
defeat には「勝利」という意味と「敗北」という意味があります(汗)
defeat of N は「N を破ること」→「N に対する勝利」
defeat against N,defeat by N は「N に敗れること」→「N に対する敗北」
前置詞で区別できるとはいえ,なぜこのようになってしまうのか。しかしこれは,原則に基づいた真っ当な現象なんです。
これは「名詞構文」という,1回分の記事にすべき大きな話題に関連するのですが,動詞の名詞形には
(a)「……すること」
(b)「……されること」
(c)「……したもの・されたもの」
の意味があるのです。例えば recognize は「認める(承認する)」の意味がありますが,そこから recognition は(a)「認めること」,(b)「認められること」の意味があります。また select の名詞 selection には「選択(すること・されること)」のほか(c)「選ばれたもの(セレクション)」もありますよね。defeat に戻ると,動詞のdefeat は「……を打ち破る」です。だから名詞 defeat は(a)「打ち破ること=勝利」,(b)「打ち破られること=敗北」の両方の意味になり得るのです。
(4)in no time と at no time
in no time は「すぐに,まもなく」,at no time は「決して……ない」です。すごく似ているのに意味が反対に近いですね。その理由を明快に示したのが以下の記事なので,ぜひ読んで下さい。
「えーなんでー(汗)」と思えることでも調べれば理由があるはずですから,辞書などはよく読むようにしましょうね。
↓以下の記事もいかがでしょうか?
