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2024年下半期のお茶紀行① 産地&茶園別に巡る紅茶

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上半期の記録:

 

 前回に引き続き、2024年12月までのおおよそ半年間で触れる機会があった紅茶の記録。

 各種フレーバードやブレンドを除く、単一農園(シングルオリジン)の感想を格納します。当時から各種SNSに残しておいた写真をこちらにも。

 

目次:

 

スリランカ(セイロン)

ヌワラエリヤ

  • ペドロ茶園

 

 等級はFBOP(フラワリー・ブロークン・オレンジペコー)、現地での工場見学後に売店で購入したもの。お釣りがないとのことで紙幣が使えずカードを使用した思い出。

 ここのPekoeは昨年飲んだことがあって好きで、せっかくなので異なる等級を選んでみた。

 ヌワラエリヤの紅茶でわりと出会う柑橘系の風味はほとんどなく、その代わりに別の果実感がほのかにあった。なんだろう、梨とか桃とか、その混合みたいな印象……濃厚ではなくて軽い。4分半くらい蒸らした結果は口当たりが柔らかく、多分これがFloweryの所以なんだろうなと思う鼻への抜け方が顕著。もう少し置くとそれなりに重たくもなる。

 250gもあるのでまた日々の変化を楽しみに。今回のおやつは苺タルト。

 

  • ダムロ・ラブーケリー茶園

 

 スリランカ旅行時、ダムロ・ラブーケリー茶園の工場見学でもらった紅茶をいれる。地域的にはヌワラエリヤの中心部から近く、ハイグロウンの区分。

 こちら無料配布のものだったのであんまり期待していなかったのですが、普通に上質なBOPFの茶葉、という感じでとてもおいしい。考えれば宣伝のために配っているのだから威信にかけて適当なものを出さないのは当然かも……。

 細かめの茶葉なので日本の水道水なら蒸らし時間は30秒で十分かと。それ以上置いとくと相当しぶしぶになります。

 

ウバ

  • ウバハイランズ茶園

 

 等級はBOPで2023年産。

 細かく裁断されたサラサラの茶葉。抽出して奥底に甘さと渋みを持つ液体を楽しみ、飲み込むと、今度は舌の上から鼻に抜けていく独特な清涼感が顕著にあらわれる二重の構造。

 クオリティーシーズンのウバ独特のメントール香というもの、数年前に初めてお店で飲んでみる前は「そんな風味の紅茶が本当にあるのかな?」と疑っていたけれど、本当にあるのだ。不思議。ミントともハッかともまた違う……。

 夏は柑橘系のシャーベットなどを一緒に食べるとさらにおいしいかも。

 

  • アンバ茶園

 

 アンバ茶園の面白い紅茶「Vangedi Pekoe」をいれてみる。

 もっと荒々しいものかと思っていたらほんのり甘く、蜜を思わせる風味と香りでびっくり。素晴らしくおいしい。これも私が現地で製造を体験したお茶のひとつで、石臼に葉っぱを投入し、棒でドツドツ突きました。餅つきみたいに交互に行うのですが、力が衰えて久しいため(剣道経験者の名折れ……)ほどほどで交代し横で解説を聞くなどした。

 別名に「イリーガルティー」や「泥棒紅茶」というものがあって、かつて労働者が持ち帰った茶葉を使い、自宅で酸化させて作っていた製法に由来するみたいです。ここではそれを商品に。

 

キャンディ

  • アンクーンブラ茶園

 

 CTCに加工されたミルクティー用の茶葉。MITSUTEAさんにて購入。

 外袋に書いてある目安量を参考に少し変えて、だいたい10gの茶葉を300ccの熱湯でいれた。4分したらティーポットに牛乳100ccを注いでかき混ぜ、カップに注ぐ。こんなにとろみが出るとは思わなかったので驚いた。普通の牛乳を使ったんだけれど舌触りが生クリームみたい。

 日頃ストレートティーを好んでいる者からすると、例えば一般によく合うと言われるようなアッサムティーよりも、こういった癖のないキャンディの方がミルクとよく調和してくれるような気がしないでもない。私はホールリーフのアッサムをそのまま飲むのが好きだからそう感じるのでしょうか。

 

インド

アッサム

  • フィロバリ茶園

 

 等級はGTGFOP、2023年夏摘み(セカンドフラッシュ)

 わりと濃い目に出しても渋くはならず、香ばしさの奥にどこか蜜を思わせるコクと甘さがあるような気がする。葉っぱの青みや湿度はそれほどなく、むしろ乾いた印象。細かい部分を感じ取るには少し置いて温度を冷まさないと難しかったです。

 苺のドライフルーツを買ってきたので一緒に食べたら非常に合い、良かったのですけれど、その内容量が想像より少なかったのと絶妙なシワシワ加減が完全に「苺のミイラ」であったため笑っちゃって……たまに感性が小学生なので、苺のミイラとかいう謎ワードがなぜかツボにはまってしまいしばらく抜け出せない。

 

ダージリン

  • ギダパール茶園



 茶園名はギダパール、またはジッダパハールとも表記されることがある。

 等級はSFTGFOP1、DJ3のロット。

 なんというか飲む日の気温や湿度、自分の状態によってずいぶん印象が変わる紅茶のような気がする。青々とした草の香り、風の匂いだな~という感じはいつも共通していて、でも想定するのがどういう土地なのか、また時間帯はいつなのか、の差異を頭に浮かべられるみたいな。

 何にでも合いそうだけれどデザートよりもご飯系かな?

 

  • シーヨック茶園

 

 茶園名はシーヨクとも表記。

 今回はDJ-3 FTGFOP1 Vintageのロット。甘みがあってハーバルな感じ、柔らかめ、できれば長めに置いて濃く抽出するのが好みだった。お湯を注いですぐのごく淡いグリーンから、きらめく褐色へと徐々に移り変わっていく水色(すいしょく)が美しい。

 そして自分はパネトーネ派……多分……みたいな雰囲気を醸し出しておきながら、冬場、パン屋さんにハーフサイズのシュトーレンが売っていたらそれも買います。大きなやつは要らないからちょうどいい。半分にぶった切られていて形が可愛い。そして絶対にクルミが入っていないと嫌で(入っていないのもあるのです……)購入する前に原材料の欄をじっと見た。

 

ニルギリ

  • グレンデール茶園

 

 2024年春摘みの「ゴールデントワール」を。

 袋を開けたらいつもの茶匙では掬えないくらい茶葉が細長く大きく、すごいなと感心した。お湯を注ぐとそのねじれが徐々にほどけ、開き切る。一緒に何も食べないのがおすすめと書かれているのは本当にそうで、甘みのある液体から溶け込んだ繊細な風味を拾うのには集中力が必要だった。

 全然渋くない。これはしばらく置いておいてもそこまで変わらない感じ。

 あまり癖がないのが癖になる系統のお茶かと思いきや、少し冷まして口に含んだら草花の蜜の妖精みたいなものが一斉に押し寄せてきてびっくり。とても自分好みでおいしいお茶であるのは確か。

 

ネパール

イラム

  • ミストバレー茶園(春摘み)

 

 2024年春摘み(ファーストフラッシュ)より。

 スプリングブルーム SFTGFOP-TIPPY。

 昨年の1stを楽しんだので今年も……という感じでしたが、よく足を運ぶお茶屋さん、が良かったらセカンドとも比べてみてね~とのことで、来店時にサンプルをいただく。ありがたい!!

 2023年ファーストの記憶を引っ張り出して比較すると、2024年のものの方が冷ますとわずかにとろみを感じると言ってもいいだろうか、青い香りや渋みも確かにありますが鋭さはさほど。まろやかな草(まろやかな草?)の趣。

 好みです。

 

 さて、続いて2ndを。

 

  • ミストバレー茶園(夏摘み)

 

 2024年セカンドフラッシュ、等級はSFTGFOP1-TIPPY。

 こちらのティッピーとはまた別に、同じ今年の2ndでも「サマーブルーム」と名のついた等級があって、気になるし比べてみたい。

 なんといってもネパール産のセカンドフラッシュを味わうの自体が初めてで……沸騰直後のお湯を注いできっかり3分、飲んでみて渋みのしの字の片鱗すら感じないのがびっくりした。もっと長く蒸らしてみても全然大丈夫そう。

 ファーストの方に顕著だった草から転じて、今度は樹木を思わせる香り、ある。何も邪魔しない優しさ、他の風味と一緒にしたらかき消えてしまいそうな繊細さが漂っていて。

 

ダンクタ

  • ジュンチヤバリ茶園

 

 2024年春摘み、ヒマラヤン・スプリングJ35。

 同じネパールのミストバレー茶園と比較……確かに全然違う!  どちらも好きだな。

 こちらジュンチヤバリのファーストフラッシュは甘みとコクがある感じがする。後味にあまり強い渋みが出ず、爽やかというよりかは、まったり丸みを帯びた舌触り。

 なんだろう、イギリスの定番ヴィクトリアスポンジの欠片が欲しくなるみたいな風味、あるいは小さな金色のスプーン1杯の蜂蜜を用意して、お人形さんの唇にそっと運んでみたくなるような気分になる。

 

中国

安徽省

  • 祁門

 

 祁門 毫芽(キームン ハオヤ)Supremeを。

 説明文にあるような花の香りというより、私には黒糖やショートブレッドを連想させる風味が印象的で、仄かな甘みすら感じられる気がする。コクとわずかな苦味は口の中で全く後を引かず、消えるほどにふんわりと軽やか。

 おいしい。茶園に漂う霧をつかまえて液体にしたみたいな。今回はココナッツブレッドと一緒に飲んでみて相性抜群。

 

福建省

  • 正山小種

 

 正山小種(ラプサンスーチョン)竜眼香、2024年春摘み。

 これには所謂スモーキーな燻製香が付与されていない。有名でよく出回っている、強烈な煙の匂いが特徴的なもの(フレーバードティー)の方はあくまでも後付けで、茶葉そのものの奥行きを感じたければこのタイプのものを選ぶといい。

 関連して磯淵猛『一杯の紅茶の世界史』(文春文庫)の記述を読むとより想像できる事柄が増えて助かりました。

 竜眼香とある通り、奥底の方に果実的な甘さ(ドライフルーツのようなもの)があり、口腔にはかすかにジャスミンを彷彿とさせる風味も残る。口当たりまろやかでかなり自分好みのお茶。これでもどこか「薬」っぽさがあると感じる人がいるのは、確かに分かるような。

 

雲南省

  • 滇紅

 

 2024年、鳳慶県産。芯芽(金毫)がわりと入っているものをいただく。

 必ずしも含まれる芽が多いから良いというわけではないけれど、そのおかげで独特のクリーミーな味わいが増すので、まろやかなお茶好みの人には美味なはず。私も結構好きでした。猫舌でもわりと熱い状態のまま飲みたい種類。

 茶葉の見た目もふわふわしていて高地の動物っぽく、袋の内側を覗くと産毛がついている。かわいらしいかもしれない。

 

 ブレンド&フレーバー編の記事:

 

  • 主婦の友社

 

前回(上半期)分:

 

 

 

Odai「わたしの癒やし」




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