ブルーハーツ「終わらない歌」の歌詞の考察を行います。
この曲は、オリジナルアルバムでは、「THE BLUE HEARTS」に収録されています。
また、ベストアルバムにも収録されています。
作詞は、真島昌利(マーシー)です。
「終わらない歌」は、ブルーハーツの代表曲の一つです。
数あるブルーハーツの楽曲の中でも、特に人気がある曲と言えます。
歌詞が心に刺さる曲と言えるでしょう。
ただ、歌詞の解釈は、人によって様々です。
特に、「終わらない歌」が何なのかについては、意見が分かれると思います。
そこで今回は、「終わらない歌」が何を指しているのかを考えつつ、歌詞の考察をしていきます。
この曲は、出だしはサビの部分から始まります。
ただ、サビの部分の歌詞の考察は、後に回します。
世の中に冷たくされて
まずは、この歌詞から見ていきましょう。
世の中に冷たくされて 一人ボッチで泣いた夜
もうだめだと思うことは 今まで何度でもあった
『世の中に冷たくされて』という部分を見ると、この曲の主人公は、「今の社会にうまく馴染めていない」ということが推測できます。
社会の雰囲気というのは、「政治」によって決まる部分が大きいです。
権力者が、「こういった政策を行う」と言って、それが議会で承認されると、実際に社会の中でその政策が実施されます。
ただ、政策というのは、良いものばかりではありません。
大多数の国民が「なんで?」と思うような、悪い政策が実施されることもあります。
また、「少数者を切り捨てるような悪い政策」が実施されることもあります。
このような「悪い政策」が沢山実施されている社会だと、『世の中に冷たくされた』と感じる人が多くなります。
そうなると、辛くて泣いたり、「もうだめだ」と思ってしまったりします。
この曲の主人公は「今の世の中に馴染めず、辛い思いをしている」と言えるでしょう。
真実(ホント)の瞬間
さらに、続きの歌詞も見ていきます。
真実(ホント)の瞬間はいつも
死ぬ程こわいものだから
逃げだしたくなったことは
今まで何度でもあった
『真実(ホント)の瞬間』というのは、どんな瞬間でしょうか?
これは、「自分が全くやりたくないことを、やらされそうな瞬間」だと思います。
人は、「これは、どうしてもやりたくない」と思っていることがあります。
しかし、社会の中で生きていると、「どうしてもやりたくないことを、やらされそうになる瞬間」があります。
そういう時、人は、恐怖を感じて、「逃げ出したい」と思います。
この歌詞では、そんな瞬間の気持ちを描写しています。
そして、自分勝手で独裁的な権力者が社会を支配している時は、『真実(ホント)の瞬間』が多くなります。
『真実(ホント)の瞬間』を感じることが多い社会は、良くない社会と言えるでしょう。
なれあいは好きじゃないから
こちらの歌詞も見ていきましょう。
なれあいは好きじゃないから
誤解されてもしょうがない
それでも僕は君のことを
いつだって思い出すだろう
「なれあい」というのは、「相手の悪い部分に気づいていても、それをしっかり指摘せずに済ませてしまう関係」のことです。
「なれあいの関係」は、相手の問題点をはっきり指摘しないので、「すぐに関係性が壊れない」というメリットがあります。
ただ、長期的に見ると、非常にデメリットが多いと言えます。
「言いたいことがあるのに言えない状態」が続くと、相手に対するストレスがどんどん溜まっていってしまいます。
そして、お互いに悪い部分を指摘し合えないと、人として成長することもできなくなります。
この歌の主人公は、そういった部分が『好きじゃない』のだと思います。
そのため、この主人公は「相手の悪い部分を、しっかりと指摘していく」というスタンスを取っているのでしょう。
ただ、相手の悪い部分を指摘すると、言われた方は「あいつ、俺のことが嫌いなのか」と誤解されてしまうこともあります。
「あの人は、この部分が良くないな」と思っていても、「あの人の全てが嫌いという訳ではない」ということは、よくあります。
ただ、相手の悪い部分を指摘すると、「あいつは、俺の全てが嫌いなんだ」と思われてしまうケースが多々あります。
しかし、この主人公は、「そういう誤解をされたとしても、なれあいの関係を続けているよりは良い」と割り切っています。
相手の悪い部分を指摘すると、相手に「あいつは俺の全てが嫌いなんだ」と思われて、関係が切れてしまうこともあるでしょう。
ただ、この主人公は、それがきっかけで関係が切れたとしても、「あの人の、この部分は良かった」と認めているようです。
そのことから、成熟した考え方を持っていて、「個」としてしっかりと独立している人だということがわかります。
人の悪い部分はしっかりと指摘するけれど、良い部分もしっかりと認めていて、非常に、人としての懐の深さがあります。
こういった「個として、しっかりと独立した人」が増えると、社会はより良い方向に向かっていく気がします。
サビの歌詞
最後に、サビの歌詞を見ていきます。
終わらない歌を歌おう クソッタレの世界のため
終わらない歌を歌おう 全てのクズ共のために
終わらない歌を歌おう 僕や君や彼等のため
終わらない歌を歌おう 明日には笑えるように
ここで、「終わらない歌」という言葉が出てきます。
そして、『終わらない歌を歌おう』と連呼しています。
では、一体、「終わらない歌を歌う」とは、どんな意味なのでしょうか?
私としては、ここまでの歌詞を見てきた印象だと、「終わらない歌を歌う」というのは「権力者に意見を言い続けること」という意味だと解釈しました。
『クソッタレの世界』というのは、「身勝手な権力者に支配されている世界」のことだと思います。
この曲は、そういう世界の中で、「権力者に意見を言って、反抗し続けよう」と言っている感じがします。
身勝手な権力者に支配されている世界では、『クズ』と呼ばれて排除されてしまう人もいます。
『クズ共』というのは、「社会の中で排除されている人達」のことを指しているのでしょう。
そして、『僕や君や彼等』というのは、「一般庶民」のことでしょう。
この曲の歌詞では、「社会の中で排除されている人」や「一般庶民」が笑えるような世界を作るため、「勇気を持って、権力者を批判していこう」と言っているのではないでしょうか。
まとめ
ブルーハーツの「終わらない歌」の歌詞の考察をしてきました、いかがでしたでしょうか。
「終わらない歌」という言葉の解釈は、人によって意見が分かれると思います。
ただ、私としては、前に述べた通り、「終わらない歌」というのは、「権力者に意見を言って、反抗し続けること」という意味だと解釈しました。
この曲の歌詞には、『真実(ホント)の瞬間』という言葉が出てきます。
この社会で生きていて、一番怖い『真実(ホント)の瞬間』は、なんでしょうか?
私としては、それは、「戦争に参加させられること」ではないかと思います。
戦争が起こると、権力者は、「戦争なんかしたくない」と思っている人を徴兵して、無理やり、命の奪い合いをさせます。
それは、本当に怖いことです。
この記事を読んでいる方の中には、「今の日本では、しばらく戦争なんて起こらないだろう」と思っている人もいるでしょう。
ただ、それはちょっと甘い考えだと思います。
2022年2月に、ロシアとウクライナの間で、突然、戦争が始まりました。
ウクライナの若者は、戦争が始まる前は、「戦争なんかすぐには起こらない」と思っていた人が多かったでしょう。
ただ、戦争が始まると、国外に出ることが禁止され、多くの若者が徴兵され、戦争に無理やり参加させられることになりました。
今の日本の憲法には、「憲法9条」があるため、今すぐにこういうことは起こらないでしょう。
ただ、もし今後、憲法が変えられてしまったらどうなるでしょうか。
平和憲法が変えられると、戦争が起こった場合に、若者は徴兵され、無理やり戦場に行かされます。
そうなってから、「戦争反対」と言っても、もう遅いのです。
それを防ぐためには、戦争が起こっていない今から、「戦争反対」「改憲反対」と言って、権力者に戦争を起こさせないようにしなければなりません。
権力者との闘いは、「終わらない闘い」と言えます。
一度、民意が通っても、独裁的な権力者は、また別の方法で国民を押さえつけようとしてきます。
そのたびに、「おかしい」と言い続けなければなりません。
この曲を聴くと、「理不尽な権力者には、ずっと反抗し続けなければならない」と改めて思います。