※厳密には「Crysis 2」に関する内容もあったが,こちらは西川善司氏による解説記事の内容と被るため,割愛する。興味のある人は10月7日の記事を参照してもらえれば幸いだ。
BF3のグラフィックスが持つ
6つのポイント
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そんな竹重氏も,バトルフィールド3(以下,BF3)のグラフィックスについては,「いままでのPCゲームと比べても一線を画すレベルに達している」と語る。そのポイントになるのが,以下に挙げる6要素だ。
- テッセレーション(Tessellation)
- 被写界深度(Depth of Field)
- カラーグレーディング(Color Grading)
- グローバルイルミネーション(大域照明,Global Illumination)
- ボリューメトリックスモーク(Volumetric Smoke)
- FXAA(Fast Approximate Anti-Aliasing)
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2.の被写界深度は,簡単にいうと,ピントが合った対象物をはっきりさせ,その背景と前景をボケさせる描画技法である。被写界深度そのものはあまり目新しい技術ではなく,これまでもさまざまな形で用いされているが,BF3では非常に高精度かつ高品位のものが使われているという。
被写界深度を多用すると,画面のリアル感が増す一方,FPSでは「ピントが合っていないところの敵が見えにくい」というリアル感は出るものの,敵が見えにくくなったりもする。その点BF3では,「ゲーム性をスポイルすることなく被写界深度を使えているところが見どころ」だと竹重氏は言い切っていた。
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これも,最新技術というわけでもなく,グラフィック的にもそれほど大きな変化が生じるわけではないのだが,こういうところでリアル感が増すということだろう。
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そして5.のボリューメトリックスモークだが,これは,BF3のデベロッパであるEA DICEがそう呼んでいる煙の描写法である。竹重氏いわく「ライティングの影響を受けて,“煙自身”が煙の影を受ける。それによって煙自体が立体的に感じられるようになる,高品位な煙のレンダリング」とのことだ。従来より煙のリアリティが増したというわけだが,右に示したスクリーンショットからもそれは感じ取ってもらえるのではないかと思う。
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すでに海外版を入手済みの人はもちろん,これから国内版を入手する予定の人も,少し余裕が出てきたら,以上の6点に注目してみると,新たな発見があるかもしれない。
リアルタイムのグローバルイルミネーションが
BF3に現実感をもたらす
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グローバルイルミネーションというのは,間接光を含めたライティングの計算を行う手法のことで,BF3ではラジオシティ(Radiosity,光の反射をパッチ単位で熱の相互輻射に置き換えて厳密に計算し,間接光を表現する技法)を使った本格的なグローバルイルミネーションが用いられているという。
氏は,グローバルイルミネーションでは光源が無限になるが,負荷がその分高いため,従来は,オフラインレンダリングされたものがコマーシャルフィルムや映画などで使われていたと紹介しつつ,「それがリアルタイムで実現できるようになってきた」点が重要だと指摘していた。
では実際のところ,ゲーム画面にはいったいどれほどの変化をもたらすのだろうか。その分かりやすい例として竹重氏が示したのが下のスライドだ。
左側がグローバルイルミネーションを使った描写,右が使っていない描写である。スライドの下部分はライティングだけを抽出したものだが,違いが最も分かりやすいのは,手前右側の黄色いコンテナと,その1つ奥にあるコンテナだろうか。グローバルイルミネーションでは間接光が計算されるため,コンテナに反射した黄色っぽい光が奥のコンテナを照らしているのだ。従来的な光と影の処理だと単に暗くなるだけのところにも間接光が当たるわけである。
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竹重氏はもう1つスライドを示したので紹介しておきたい。
下のスライドは,やはり左がグローバルイルミネーションによる間接光を適用したもの,右が適用してないものになるが,左では橋桁の底に間接光が届いている。画面右端,地面に近いところのタンク周辺における影に,グローバルイルミネーション適用時は明暗が生じている点にも注目してほしい。
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| EVE Onlineより室内の描写。間接光により,壁や床などがリアルに描かれている |
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| Need for Speed The Runより。ビルの光源とクルマのヘッドライトがゲーム世界のリアリティを増す |
またNeed for Speed The Runでは,クルマのヘッドライトといった,光源の向きや強さが不定の光においても「リアルタイムにグローバルイルミネーションが計算されている」(竹重氏)とのこと。氏は,Enlightenが非常に効果的に機能を発揮している例だと述べていた。
ところで,BF3的に重要な事柄を挙げておくと,EnlightenはGPUやCPUの性能に応じてスケールするようになっているそうだ。GPUやCPUの性能が高いほど多くの光線を計算してリアルな映像を描き,逆に性能がそれなりなら光源を減らしてそこそこの映像を描いてくれるようになっているという。
つまり,ゲーム側に用意されたグラフィックス設定メニューとは別のところで,GPUやCPUの性能により,描かれる映像の質が変わる可能性があるというわけだ。
なお,EnlightenはCUDAに最適化されているばかりでなく,事前計算――Enlightenではあらかじめライトマップを計算したデータを使ってリアルタイム時の計算を減らしているようだ――のフェーズでは,NVIDIAのリアルタイムレイトレーシング技術である「OptiX」も使用されているとのことである。
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というわけで,下に示したのムービーは,Unreal Engine 3にEnlightenを実装したテクニカルデモである。すべてGeForce搭載のマシンにより,セッション中,リアルタイムにデモされた。非常に素晴らしいデモで,筆者もちょっと感動してしまったほどだ。ぜひチェックしてみてほしい。
竹重氏は最後に,「なぜGPUの性能を上げるんだ,十分じゃないかという話があるが,過去,最先端のリアルタイムグラフィックスハードウェアを触ってきた立場からすると,現場は常にコンピュータバジェット(※計算資源)の不足に悩んでいる。この悩みは一度も解決したことがない」と,自身の経験を基に,「GPUの進化が止まることはない」と断言して,セッションを締めくくっていた。
バトルフィールド3の世界観をリアルで体感!?
報道関係者によるサバゲー大会にも参加してきた
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ちなみに,筆者はサバゲーどころかFPSもド素人クラスなので,ある意味,今回のツアーには最も適任な気がするのだが,会場へ向かうバスのなかで説明された内容によると,サバゲーというのは,「エアソフトガン」と呼ばれる遊技銃と,「BB弾」と呼ばれるプラスチック製の弾を用いて,戦場を模したスペースで,ルールに従って戦う競技のことだ。いや,聞きかじりなので,枝葉が間違ってるかもしれないが。
さて,先ほど写真のキャプションでも簡単にお伝えしたが,今回のサバゲー会場となったのは,千葉県にある「NO9.SC」という施設だ。会場に到着した参加者たちには,電動式のエアソフトガンと,目を保護するゴーグル,そして迷彩柄の衣装が手渡された。
筆者のつたない銃の知識で説明してみると,今回支給されたのはサブマシンガンタイプのもの。持ってみるとけっこう重く,2〜3kgはありそうな実感があったのだが,これでも本物と比べるとかなり軽いそうだ。
なお,今回の参加者には経験者も多く,自前の装備を持ち込んでいる人も多かったことを付記しておきたい。
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今回行われた競技のルールは,FPSでいう「Capture the Flag」(キャプチャー・ザ・フラグ,CtF)に近い「フラッグ戦」と呼ばれるもで,2つのチームに分かれ,それぞれの陣地に設置した旗を奪い合うというものだ。実際には,旗の代わりにブザーを設置し,先にそれを鳴らしたチームの勝利となる。参加者はNVIDIA関係者を含めて21名。今回は,赤組と黄組の2組に分かれて勝敗を競うことになった。
競技中はBB弾に1回でも当たるとアウトとなり,フィールドから退場しないといけないため,かなり注意深く行動する必要がある。味方から誤射されたり,跳弾に当たったりしてもアウトだ。
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そんなこんなで,合計8戦が行われたのだが,結果はベテランソルジャーが率いた赤組が5勝3敗で勝利。突出したプレイヤーが1人でもいると戦況がかなり有利に進むようだ。このあたりはFPSでも同じなのではないだろうか。
ちなみに筆者は黄組で,最初は開始早々に撃たれてしまうことが多くかったのだが,後半,周囲を注意深く確認するようにしてから生き残れることが多くなり,状況確認の重要性を思い知らされた。要するにFPSで死にまくるのはそういうことだったんだよ,というわけである。バトルフィールド 3で戦績がさっぱり上がらない場合は,筆者の痛い経験を参考にしてもらえれば幸いだ。
なお,日頃の運動不足がたたってか,ゲームと違って翌日筋肉痛になったのは言うまでもない。
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