"シリアスシーンを徹底的に削ぎ落としたイチャラブ特化作品"とメーカーのページにある。看板に偽りなしだったが、それだけに問題もあり。

全体の感想
(少なくとも自分にとっては、)シリアス展開がお話のスパイスとして大切な要素であると認識できた。シリアスに振り切るあまりついていけない展開を嫌ってこの作品をプレイしてみたのだが、皮肉にもシリアスの重要さを学んでしまった。
このゲームをプレイする際は、ヒロイン全員を攻略するのではなく気に入ったキャラだけ攻略するのが正解かもしれない。だって飽きるから。
ヒロイン4人の個別ルートはもちろん違う物語が展開されるのだが、話の根幹/展開がさほど変わらない。3,4人目になると、"そろそろ主人公の家でえっちか~"ってわかってしまう。続きが気にならないというのは致命的に思える。
反対に、2人目くらいまでは楽しくプレイすることができた。安定して読めるのは大きい。ヒロインたちはみんないい子だから好感が持てるし、主人公も癖がない。ヒロインといちゃいちゃ過ごしたいなら確かにおすすめできる。でも気に入った子だけにした方がよい。私がいちばん好きなヒロインは柚姫かな。初々しいけどまっすぐで努力家で、素直に応援できる女の子だった。
それから、テーマになっているお菓子作りの描写はかなり子細でしっかり作りこまれている。どうしておいしいお菓子になっているのか、逆になんでうまくいかないか、など。"想い出のお菓子"みたいにお菓子がかかわるシーンも多い。しっかり精魂込めて作られたシナリオだと伝わる。
※下にヒロインごとの感想を記載した。当然ネタバレあり!
ヒロインごとの感想
※書いた順番で攻略したのだが、上述した通り3,4人目の評価が低いのは"飽き"のせいかもしれない。
【ののかルート】〇
快活なメインヒロインて感じでよい読後感のシナリオだった。
ののかがお菓子の全国大会的なものに出ることになる。理想のショートケーキを目指すと言う話。
幼少期にののかの作ったお菓子を主人公が食べたことがお互いにお菓子好きになる要因になっていたという旨がある。共通ルートではそんなに強調されていなかったけど、幼馴染枠といっていい。
大会に向かって協力するうちに2人で過ごす時間も長くなって告白して付き合うことに。って全国大会予選落ちするんか~~い!!!ののかは特にショックを受けていない様子だった。本作をやっていて初めて驚くシーン。
大会向けのアレンジをもとにウェディングケーキ作りに励むことに。努力したことは無駄にならないということだ。
ウェディングケーキでお互いとお菓子への愛情を深めた2人はかりん先生のアシスタントとなり、数年後独立してお店を構える。最後は自分たちのウェディングケーキを食べて締め。平和でいいんじゃないでしょうか。
【柚姫ルート】◎
お菓子作りも恋愛も初々しい二人の関係がよく表れていた。
このルートに入って気が付いたことだが、このゲーム共通ルートだとヒロインと1対1で話す機会がそこまでない。柚姫がどんな感じで主人公に接しているのかが共通ルートに入らないとわからなかった。
柚姫は最初お菓子作りが上手くいかないが、おうちで練習したお菓子を昼休みに主人公に味見してもらうようになる。お菓子作り初心者が柚姫と主人公2人しかいなかったので、同志という関係。2人とも向上心があるので読んでいて気持ちがよい。
授業のペアになったのでお菓子作りの調査だ!って感じでふたりで街に行ったりするうちに仲良くなる→わりと急に告白に至る。告白シーン自体は声優さんの演技も相まってとても良いです。全般的に柚姫ルートめちゃくちゃよい。付き合った後も、なぜか2人とももじもじしている。初々しくて私は好き。
こ、交換留学で来年海外へ!?シリアス排除はどこへ……?と思ったら「今すぐじゃないしずっとでもない。胸張って行ってこい!」のあとスイーツ美味しいで雰囲気解消。
シリアス解消されている。
お菓子作りにザッハトルテ。失敗と努力の描写がかなり詳細で好感が持てる。
【楓花ルート】×
エロ担当か?あんまり盛り上がらないシナリオだったが、エロシーンは豊富だった。
共通ルートから両想いっぽい。2人とも露骨に態度に出てるし。
カステラづくりもあり、本ルートはよりいっそうお菓子作りガチルートって感じになっている。毎日楓花の実家の和菓子屋さんで調理過程を見せてもらうって相当な気概を感じる。
特に波もなく告白に至る。主人公の家に来るまでの流れも他2人とあんま変わらないような……。3人目で飽きてきた感は否めない。
金平糖づくりの過程もかなり省略されている。代わりにえっちシーンが豊富。エロ担当だったか。
和菓子屋さんがみんなで慰安旅行に行くから楓花1人になってしまう→危ないから主人公も一緒に泊ってあげてよ!とさそう楓花のおじいちゃん。どっからその発想が出るんだ?なんか都合よく人間が"配置"されている感じする。
結末も悩んでいた割には主人公が楓花の実家に弟子入りし、修行したのちに2人で独立という特に驚きのない展開で終わり。最初から最後まであまり見ごたえがなかった。
【美絵瑠ルート】×
共通ルートの切れ者っぷりはどうしちゃったの?ちょっと違う恋愛が描かれると思っていたら他の子と大差なかった。
"良い子"な他3人と明らかに違う雰囲気を持つ美絵瑠はかなり気になっていた。ちょっと都合の良すぎる天才設定に見えるが果たして。
こどもに優しいなど、基本的に根はいい子らしい。……根が悪かったらギャルゲーのヒロインになれないか。
褒められるのがにがてっぽいのは感じる。
個人ルートに入ってからも神出鬼没で試食係みたいなポジションに落ち着いているが、本当は一緒に作りたいみたい。
主人公が美絵瑠の辛口アドバイスを受けてどんどん成長し、美絵瑠においしいと言わせるまでになる。
告白シーンは割と急だった。もちろんそれまで少しだけ意識はしていたが、他の人から言われて急に自覚して、、、、なんとその日のうちに告白。行動力ありすぎる。
好きになった理由とかはあまりない告白であった。
デレるのはえ~って思わんこともない。告白する間際くらいにはもうベッタベタ。付き合ったあとはいっそうこどもっぽくなり、キレ味鋭かった美絵瑠はどこへ?となる。
あとはイチャついてやって両親のために思い出の料理作って終わり。う~ん。
プレイしながら書いていたメモ
メモっていた内容を整理したもの。雑多な内容なので読みにくいが一応載せておく。
【良い点】
・個別ルートに入ってからのイチャイチャがひたすら続く。これを求めている人には大満足だと思う。声優さんの演技も◎。シナリオの長さはこんなもんじゃないでしょうか?ちょっと個別ルートが短い気もするが、個人的には満足。ただ、このゲームを求める層はもっと分厚いシナリオを望んでいるかもしれない。ま~シリアスな部分がない以上、話の展開もしにくいのかも
・語尾がにょわ~なヒロイン。←これは良いです。
・専門用語などはテキストが出たときに画面に注釈が出る。単語にカーソルを当てると再表示が可能。
・ヒロインと話すきっかけが不意にぶつかった後、また教室で再開するというもの。お決まりは大事だからな。
・メインヒロインっぽいののかが好印象かな。声がかわいいので。将来パティシエになりたいらしい。
・製菓コースはヒロインとあとは男主人公しかいない。当たり前だな。
・お菓子作りの細かいところはわからないが、それぞれのヒロインについて作り方の特徴など述べているしわざわざクッキーのCGも用意している。気合が入っている。
・お菓子の家も同様。お菓子作りのうんちくなど定期的に出るので、ちゃんとお菓子作りをメインに据えた物語が作られている。
・私服に合わせて髪型がちょっと変わるのもよし。
・背景もこだわっている。特定ヒロインのルートでしか登場しない背景が何種類もあるし。(家、実家の和菓子屋、和菓子屋の厨房など)
【お約束すぎて怖い】
・学園モノなので当然主人公の悪友が出てくる。この辺は立ち絵なし。
・主人公がスイーツ男子になったきっかけのお店でよく遊んでいた女の子がののかでした……話を読み始めたときから「こんな内容なんだろな」っていう予想を裏切らない。これはいいのか悪いのか。
・たぶん作ったお菓子を最初においしいって言ってくれたのも幼いころの主人公
・テストの次は学園祭。ベタを行く。製菓コースで参加するとなってカフェにする。ベタだ……。
・お菓子の家デザイン決め学園に泊まり込むこともあっさり決まる。滑り台みたいに決まったコースをなぞっていく。
・アイディア決めるためだけに学校に泊まり……?とも思ったが、エロゲならあるか、と納得してしまう。
・なんで学園祭の出し物案が決まらないのかは「参考資料が多すぎるから」みたいなふんわりした内容。みえるがしびれを切らして会議をまともに進めて終了。部長とかリーダーとかいないんだった。
・エロゲで100回近く見た、おっぱいのでかさがどうこう……みたいな話をヒロインたちがする。本当にテンプレートを一通りなぞる気なのか???恐ろしくなってきた。
・学園祭本番は特にトラブルも起きずに終了。ちょっと強引だが、学園祭を通して2人に恋心が芽生えましたって感じ。
・学園祭は後夜祭みたいな感じで花火が上がるよ!……マジで基本に忠実すぎる。ここまで来ると怖い。学園祭用の背景などもあるのでいい感じ。
・乳首の位置にボタンがあるパティシエ服。奇抜な服装はエロゲの特権。
【悪い点】
・最初ヒロインが一斉に出てくる。覚えられん。話が進めばだいたい覚えられたけど。
・身もふたもないルート選択画面。他のゲームでも選択肢1つで決めさせるものあるけど、シナリオ内のイベントとかに結び付けているイメージ。これは露骨すぎないか?例えば「○○ちゃんと一緒に行く」とかでも自然で良いのだが、今回は「お菓子作りの練習をしてたらたまたま○○が来た」みたいに神の力で物語が修正される。
・季節感が感じられない。2学期から専門授業が始まったから、夏→秋と季節が進んでいるはずだが背景や女の子の服装に反映されていない。
・やっぱりシリアス全排除の影響か、「なんてことない日常シーン」がかなり多い。あまり続きが気にならないので集中力が持たない。下がるシーンが基本的にはないので、お菓子作りも「ま、うまくいくんだろうな~」ってオチが見えてしまう。全員シナリオの流れが同じだから、3人目くらいからは次の流れが想像できてしまい、かつその通りに進む。
・お菓子作りガチだから、さすがに料理を作るところでセックスしないんだな~と思っていたが、そんなことはなかった。そうかい。
・感動シーンで主人公のっぺらぼうはかなり違和感ある。そうじゃないシーンも多いだけになぜ?
・お菓子の家がメインのはずなのに、教室の内装は先生が作ってしまう。これやるとお菓子の家インパクト薄くなっちゃわねえか?
【どうでもよい感想】
・毎週水曜日が丸1日専門授業らしい。他の授業はひっ迫しないのだろうか……。世界史の授業不足とか昔あったな。
・8年前のゲームなので、どこか言葉が古い。「リア充」とか。
・レシピのことをフランス語でルセットと呼ぶらしい。このゲーム中ではずっとルセットで通している。"かっこいいから"って理由つけているがタイトルに合わせる為だとしか思えないが……。これ意味あるのかな?
・"授業仲間は勉強やお菓子作りでお互いできないところを補完し合っている……あれ?主人公だけみんなの役に立ててないぞ!ということで焦り始める主人公。繁華街でお菓子を買ってきたのでした。ちょっと意味がわからなかった。
・どうしてフィクションの登場人物は授業中に寝て放課後まで起こされないのか?そうでなくても授業の終わった後の騒々しさで起きるはずだが……。