オリンピックで1話空いて4話。おそらく春の話の決着編。
全体
盛り上がらずに終わってしまったなあ……。といった感想。
イロイロ思うところがあった一方、こんなことが言いたいのかも?と考えを深められたのは良かった。そのせいか長くなった上に乱雑だ。
小鳩くんに魅力を見出せるか
アニメでは原作にあった地の文をほとんど取り上げられている小鳩くん。原作と同じセリフをしゃべっていても印象は大きく違う。
アニメの小鳩君は主人公らしくイケメン優男、冷静で高校生らしからぬ落ち着きっぷり。観察力に優れていて推理が得意。推理中は鼻につく発言が目立つ。実家が和菓子屋。*1こんな印象。
原作だと地の文で内心が語られまくるせいで、かなり斜に構えた性格。嫌な奴にすら思える。「頼んでもいないのに推理を開陳しまくったことにより嫌われた過去」を相当気にしている。
アニメの小鳩くんは内心を吐露しないので完成されている人間に見えてしまうが、放つセリフが原作のそれなのでどこかずれているように感じてしまう。
今回、健吾相手に推理を展開するときにそれが大きく出たと思う。3つの観点から「サカガミを信じられるか?」の採点をしてもらい、65%/17%/70%という数字を回答される。最後に3つの数字を掛け算して「健吾も8%しか信じていないんだよ」と言い放つ。詐欺師の話術。掛け算する必要ないし、3つの観点すべてを信じる必要もない。
原作だと地の文で「話術と勢いで乗り切った」と言及されている通り、これはサカガミがクロと決めつけて推理を進めるため、もっというと小佐内さんが危険なので健吾に用心棒役を引き受けてもらうためにこんなことを言っているんだよね。小佐内さん思いだ。焦りすらうかがえる。
詳細は書かないけど「当然○○だというとき、それは当然ではない」のやり取りもそう。小鳩君はまじめにそんなことを言っているのではなく、健吾を説得、もっといえばやりこめるために適当なことを言っている。そんな昔に戻ったかのような論調をみた健吾が「まったくお前ってやつは……」と返して話に乗ってくれる。健吾はいいやつだし馬鹿ではない。小鳩の発言がペテンとわかっていつつも焦る小鳩に付き合ってあげているわけだ。*2
アニメだとそんな内心はまったく見せない。冷静な態度で大真面目に詐欺師の論法を使う。流石に「当然○○だというとき~」のところは真面目に言っているのではなさそうだったが。
たしかにふだんから内面を見せていない方が、推理時の小鳩君とのギャップが見られてそこが面白いと思うのかもしれない。でも難しいな。私みたいな原作既読者は小鳩くんの内心を知ってしまっているし。*3逆にアニメだけで見ている人は急に鼻につく発言ばっかりしだしたな、と思ってしまうのではないか。なんかどこにも刺さらない気がする。
画面
推理中に小鳩くんだけが歩道橋を上っていくところは良かった。健吾を置いといて実質一人の世界で話を進めていっていることが視覚的に見えた。他はイマイチだったなあ……。相変わらず画面は暗いし、絵は動かないし。BGMもあんまりない。そのせいか推理シーンがずっと暗い。小佐内さんに危機が迫っていると早とちりして自動車学校へ急ぐシーンもなんかゆったりとしていた。
街並みはいつもキレイですごい。きっとモデルとなっている岐阜市の風景なんだろうけど、すっごい気合入っている。
小佐内さんに会った健吾が「ほんとにあの小佐内か?」と聞くシーンは違和感すごかった。だって、髪型もいつも通りだしどうみたって小佐内さんじゃん。もっと変装していれば健吾が疑問に思うのも納得なのだが。
話
敵であるサカガミ(とその上役)がやったのが、偽造免許を利用したライブチケットの高額転売っていう地味すぎる行為。高校生がやる犯罪なんてその程度ということか?話が小さくなったなという印象。巨悪を打ち倒す類の話ではないしいいのかな。
すごい気になっていた、ふたりがスマホを使っているせいで小佐内さんからのSOS空メール(早とちり)が遅れないのでは?という問題はあっさり解消していた。写真の送信を取り消した履歴は上手いな。
ネットカフェに「この男にご用心!」と伝えて何になるのか……?原作では他人に成りすまして消費者金融から金を借りようとしているだろう→だから消費者金融に証拠写真を警告する、ということを行った。高校生がやるにはハードル高い行為だと思うけど。
今回の小鳩くんは犯人たちがネットカフェからチケットの高額転売等なんらかの詐欺行為をするという確証があったのか?推理の中では「金儲けだろう」と推測があったのみで、どうやって金儲けするのかは示されていなかったし。
……逆説的になるが、意味がなかった可能性が高い方が良いのかも。小市民を目指す2人が結果としてあまり意味のなかった推理を行い、あまり意味のない警告をネットカフェに送る。犯人たちは所詮グレた高校生。ボロを出して犯人たちは大人である警察が捕まえる。自分たちがやった警告に意味があったと思い込んだ2人は「ヤレヤレ、また"やって"しまったよ。これからもっと気を付けないと。」と自戒するフリをしてさらに自意識を肥大化させる。なので、直後に水をぶっかけられたら意気揚々と新たな復讐を開始する。
なんかこう考えると未熟で高校生らしくていいな。