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形にならないものがデュナミスである

テキストの持つ潜在的な力について。

随筆のテンポ

随筆で書くときにまず文が現れるままにします。 文が現れ、それからどちらに進もうかと思いつつ次の文が現れるのを待つ。 そんな感じに箇条書きしています。 アウトライナーで書くのと同じですが、最近はObsidianに直接箇条書きしていく。

この箇条書きの段階でも「マップ」を思い浮かべています。 フリーライティングとマッピングが並行して行われている。 この「仮のマッピング」も捉えておきたいですね。 「いま定義を書いているなあ」とか「いま例示を挙げてるなあ」とかの位置づけを確認している。

このマッピングは3種類くらいに分類できます。

  • what...それが何かの定義や感想を書く。
  • why...それがなぜ必要かの理由や目的を書く。
  • how...実行する方法や具体例を書く。

いま「仮のマッピング」の「what」を書きました。 こんな感じですね。

思いつくままに書いてはいるけれど、そこに「why」は隠れています。 「書くということを明らかにする」。 テーマを持っている。 全くの自動書記ではありません。 現れるセンテンスもその「why」を巡って連想をしている。

ただそれがどう繋がるかは現段階ではわかりません。 書いていくうちに「形」が見えてくる。 そういう信念というか「祈り」のようなものがあります。 「形になるといいなあ」みたいな願いを込めて書いている。 そこが「how」になっています。

形となること

センテンスという素材を集め、それを「形」にする。 センテンスが集まり段落になり、段落が集まり章立てとなる。 ブロックが大きくなってテキストが編み込まれます。

素材を集め「形」にすると、次はその「形」が素材となって上位の「形」を作る。 「書くこと」はそんな段階的なプロセスで形成されます。 この素材と形の関係。 アリストテレスなら「質料と形相」と呼ぶ側面です。 レイヤーを積み重ねてメタレベルに仕上がっていく。

「形にする」と書きましたが、意識してコントロールはできません。 書いているうちに「形になる」のが実感です。 テキストのうちに「形になろうとする力」が働いている。 デュナミス(潜在態)と呼ばれるもの。 人にできるのはそれの邪魔をしないこと。 それがメソテス(中庸・中動態)に当たります。

イカの種を蒔けば、時期を経てスイカがなります。 種の中にデュナミスがあり、それが現実に現れてくる。 英語で言えばダイナミックスです。 形を持たない「力」が形を求めて活動している。 「書くこと」はその「形」に近づこうとする行為です。

適切な保存

世界の適切な保存 単行本 – 2024/7/25

永井 玲衣 (著)

永井先生の新刊を読み始めました。 相変わらず泣きそうなくらい面白い。

哲学対話のエピソードが中心ですが、その中に現れた「偶然」や「言い間違い」がテーマです。 もし映画であれば「不要な部分」としてカットされるところ。 でも人生はその「不要な部分」の積み重ねでできています。 コスパで測れるものではない。

それが人生のある局面でふと思い浮かんで、心を慰めてくれたり、大きな決断のもとになったりする。 忘れて消えてしまったと思っていても、どこかに残っているし、できれば適切に「保存」しておきたい。

これは「守護獣」だなあと思いました。 ノイズを切り捨て、一貫性のある物語を生きていると思い込むと、人は「孤独」に閉じ込められてしまいます。 かといって、人の目を気にして承認欲求で生きていたら、誰の人生なのかわからない。

自分の内側に「他者」に開かれた通路を持つ。 それが「守護獣」です。 「こんなことを自分は考えていたんだ」という驚き。

その驚きを「ノイズ」として捨ててしまわない。 適切に保存する。 センテンスを書くことの意味はそこにあるのだろう。 「形」にならなくてもログには残る。 そのまま死蔵する「肥やし」に過ぎなくても、「肥やし」が土壌を豊かにする。

その豊かさが「デュナミス」なのだと思いました。 どれだけの「ムダ」を大事にしてきたか。 テキストはそこを正直に白状してしまいます。

まとめ

アリストテレス『ニコマコス倫理学』 2023年10月 (NHKテキスト) ムック – 2023/9/25

山本 芳久 (著)

アリストテレス倫理学は「人間の生活全般」を取り扱っていますが、テキスト論としても読めますね。




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