

旅行系ユーチューバー(?)の「スーツ」氏なる人物(最初見たときメンタリストのDaigoだと思った)が、突然「悟りを開いた」などと言い出し、話題になっていたところ、昨日動画サイト「リハック」に本人が出演し、MCと2時間半に及ぶ対談を行った。
これを見て思い出したのは、何年も前に書いたこの記事である。
この記事は、この本を読んだ影響で書いたものだが、本の中身は「スーツ」氏のような人のオンパレードである。

これは仏教でいう「生悟り」というやつで、覚醒体験をしてある日突然世界のすべてが分かったような気になり、「世界には意味なんてない」「すべてはこのままでよい」「すべては許される」という認識になって、一時的に躁状態になる。
ワーナー・エアハルト系の自己啓発セミナーを受けた人がしばしばこのような状態になる。
ドストエフスキーの『悪霊』に出てくるキリーロフという登場人物がこのタイプをうまく表現している。そのことについても、以前記事を書いた。
ネットでは精神疾患だとか統合失調症だとか離人症だとか言われ、こういう「病人」を出演させるのはけしからん、という声もあるようだが、必ずしも「病気」とは思わない。また特に社会的に危険だとも思わない。自暴自棄になって犯罪を起こす「無敵の人」とは根本的にメンタリティが違う。
むしろ、こういう人を社会的に危険視して排除しようとする傾向の中に、日本人の宗教アレルギーを見る。そういうのが藤井風のスピ傾向を批判する動きにつながっている。
個人的に興味深いのは、著名なユーチューバーがこういう状態になったことで多くの人が彼の言うことにまがりなりにも耳を傾けたということだ。これが無名の市井人であれば単に「あいつはおかしくなった」で片づけられてほとんど誰に知られることもなかっただろう。
スーツ氏がこれからどうなっていくのか知らないが、しばらくぶりに「精神世界ウォッチ」の対象がでてきたなと思っている。他にもいないかな…
