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Kaze at Music Station

昨夜藤井風が出演した「ミュージックステーション」が話題を呼んでいる。

2曲にわたるパフォーマンスも圧巻だったが、間でのトーク場面がいくつもの見どころを生んでいた。

いろんな角度からいろんな感想があるところだと思うが、自分が最も感じたのは、彼の「人としての誠実さ」みたいなものである。

彼には「自分をこう見せたい」というようなセルフイメージや「壊れてはいけないアーチスト像」みたいなものがなく、周囲の人を楽しませたいという思いだけがある。その一方でただその場を適当に盛り上げたりやり過ごしたり取り繕ったりするようなやり取りには関心がない(というよりできない)。

今では稀な資質といえるが、純粋なアーティストにはそういう人がたまにいて、「天然」の括りで扱われたりする。たとえばエレカシの宮本がそうだ。彼もバラエティで生真面目に受け答えしようとして場の空気から浮き上がってしまうことがよくある。藤井風にも同じものがある。タモリも「こいつは宮本と同じタイプだな」というのは感じたはずだ。

純粋で素朴な青年という側面とパフォーマーとしての華のある才能のチグハグさがなんとも奇妙な捉えどころのない危うさを感じさせるのもエレカシ宮本に通じるものがある。こういうところが女性の母性本能をくすぐるのかもしれない。

タモリに対して「ジャズのお勧めを教えてください」といったド直球の質問をしたかと思えば「どうして髭を生やさないんですか?」という謎の質問もしていたが、そういう質問にタモリは適当にふざけてあしらう態度ではなくて、一応きちんと答えていた。それは風が決して単なる場つなぎのために聞いているのではなく、ひとりの人間として心から訊いていることを感じ取ったからだろう。

逆に「プレマ」のパフォーマンスに対する感想を聞かれたタモリは、「台風が過ぎてよかった」と的外れな答えをしていた。これは風自身ではない大人の計算みたいなものの見える演出にはコメントしないという態度を示したものだ(個人的にはあの小芝居的な演出がよくなかったとは思わない。ちょっとやりすぎ感はあったが、バラエティ的に盛り上がって面白かった。犬猫よりも象派という答えにサイギータを連想した人は私と同じ)。

タモリ以外とのやり取りでは、ME:IのRINONとザグザグ(岡山ローカルのドラッグストア)のCMソングを歌った場面がちょっとしたニュースにもなり、あれはあれで面白かったが、個人的にはBE FIRSTのソウタから「音楽を始めたきっかけは?」と訊かれたのに対して風が誠実に答えていたのが印象的だった。

森山直太朗とは「天然対決」みたいなところがあり、直太朗の質問が変化球だったためにあそこは唯一風が苦し紛れに答えた場面だった。

それにしてもお茶の間に「プレマ」のあの歌詞を届かせたのはすごい。あれは真に藤井風にしかできない芸当だった。




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