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菊地成孔『刑事コロンボ研究 上』感想(3)

佐藤愛子の『私の遺言』を読んじゃったりしたせいで最近右腕が怠く痺れて肘に痛みが来るのは変な本を作ったせいで西村賢太があの世で怒ってるのでは?と密かに慄いている。

前書き2「続・〈倒叙〉とは何だったのか?」について

ここは短いのでそのまま面白く読めるし解説など不要だと思う。最後の読者(?)とのメールのやりとりにズバリ要約されている。

コロンボ倒叙形式というのは、まず殺人場面という罪悪感の原因が提示されると同時に、犯人が得ようとしている享楽の輪郭がぼんやりと描かれ、その享楽の輪郭をくっきり描き出すようにしてコロンボがやり遂げる犯行の立証により逮捕、つまり主体の側に自白させる(去勢)ところに至り終結する、という点で、精神分析に似ています

著者はこれに転移(恋愛)の連鎖構造を絡めて論じている。すなわち「コロンボ」は構造的に視聴者に〈良性転移〉を引き起こすように作られており、その鍵が〈倒叙〉だというのである。

「今までのコロンボ研究本はミステリーファンが書いているので精神分析的な視点が欠如していた」という指摘は、「前書き1」に続いて従来の「コロンボ・マニア」にクリティカル・ヒットする可能性があり、冒頭で彼らが以後の読書を放棄する蓋然性を高めている。

しかし「コロンボ」を犯人とコロンボの〈ラブ・ストーリー〉として読む可能性に開眼させるこの書の功績はいくら強調しても足りない、と思う。

全ての被害者は「!!!!!」という指摘もなんという慧眼。

「今まで何となくうすぼんやり感じていたことを明確に言葉にしてくれた!」という読書体験における最大の快感が一気に押し寄せ、ドーパミン全開になる。

youtu.be

奇しくもシリーズ第1作(冒頭)『殺人処方箋』の犯人は精神科医というのも面白い。




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