今回の第三者委員会報告書において、本件文書に書かれた7つの事項のうち6つの事項については事実とは認められないという結果であった。
6つの事項について事実と認められないと判断されたことにより実名を上げられた職員や企業団体の名誉が回復され良かったと受け止めている。
以降各事項につきコメントする。
事項第1 ひょうご震災記念21世紀研究機構の人事について
本件文書では斎藤知事そしてその命を受けた片山福知事が何の配慮もなく行った五百旗頭真氏への解任通告が日本学術会の至宝である先生の命を縮めたことは明白と記載されていたが、県側の行為と氏の死亡との因果関係は不明という他ないと判断された。
しかし一方で人事案に対する県の考え方、そして継続的な協議など丁寧な調整を行うという第三者委員会の指摘は真摯に受け止めたいと考えている。特に外部の有識者については十分なコミュニケーションを取りながら進めるように留意していく。
事項第2及び第3について
本件文書では令和3年に実施された知事選挙そして令和7年に行う予定であった知事選挙においていずれも事前運動や選挙投票依頼などを行い、職員の論功行賞功労人事があったと記載されていたが、いずれも事実とは認められなかった。
私以外の多数の職員の実名が記載されていたことから、事実と認められないと判断されたことは彼らの名誉にとっても良かったと受け止めている。
事項4 いわゆる贈答品について
本件文書では、いわゆるおねだり個人への増与、贈収賄などがあったと記載されていたが、いずれも事実は認められなかったとされた。企業名や地方公共団体名そして職員名が名指しされていたことから、事実と認められないという判断されたことは良かったと受け止めている。
しかし自らの発言や態度が結果として増与を希望していると周りの職員に理解されかねないということは真摯に受け止め、今後注意をしていきたいと考えている。
なお物品の受領についてはすでに利害関係者からの受領は行わないようガイドラインの改正を行っており、その運用について私自身も含め県庁内で徹底していきたいと考えている。
事項5 政治資金パーティーについて
パーティー券の販売などに関し、本件文書では補助金カットを仄めかしてパー券を大量購入させた、圧力をかけた、利益供与などと記載されていたが、いずれも事実とは認められなかった。事実と認められなかったと判断されたことは、実名を上げられた職員や団体の名誉が回復され良かったと受け止めている。
ただし今後仮に同様の場面が生じることがあるとしても、公私の区別を明確にし、県民から無用の疑念を抱かれることないように注意をしていきたいと考えている。
事項6 パレードについて
本件文書では協賛金と補助金の間にキックバック、見返りの関係や不正行為があったと記載されていたが、いずれも事実とは認められなかった。事実が認められなかったと判断されたことは、実名を上げられた職員や団体の名誉が回復され良かったと受け止めている。
なおパレード担当職員の業務について負担が極めて大きかったという指摘は真摯に受け止めなければならないと考えている。改めてお亡くなりになった課長に対し謹んで哀悼の誠を捧げると共に、ご遺族に対し慎しんでお悔やみを申し上げる。
今後大規模な行事や臨時イベントなどの方針の検討、そして労務管理においては全庁を上げて柔軟な組織体制を検討するなど今後の改善につなげていきたいと考えている。
事項7 パワーハラスメントについて
私は知事就任後、行政改革及びより良い県政運営を追求していきたいという高い要求水準を有していたため、職員に対して厳しい言葉などで必要と考える注意や指導などを行ってきた。
しかし今回の第三者委員会による「パワハラに該当する」という指摘については私自身真摯に受け止めたいと考えている。不快な思いそして負担に思われた職員に対しては改めてお詫びを申し上げたいと思う。
報告書でも指摘されている通り、叱責する前にまずは事情を聞くということ、寛大な態度で職員の行動を受け止めるということ、そして感情的にならないこと、聞く耳を持つということ、職員の努力をしっかり受け止めるということ、知事の言動には重みがあるということ、 さらに具体的な改善点や反省点をえ自主的に職員から打ち出せるように指導するということ、コミュニケーションを密にすることなど、こういったご指摘は本当に真摯に受けてめていき、そして改善の対応をしたいと考えている。
今後はあの百条委員会でも提言をいただいたアンガーマネージメントを含むハラスメント研修を定期的に受講するとともに、ハラスメントのない風通しのいい職場作りを再発防止に向けて取り組んでいきたいと考えている。
どんな立派な政策でも私1人で実行できるものではない。県庁職員の皆様、本庁も出先機関も含め、全ての職員が献心的に日々職務に励んでいただくことで初めて実を結んでいくものである。そして組織の業務効率を最大化させるためには、職員1人1人がやりがいを持って仕事をしていただき、職員が本来持っている力を発揮できる、そんな職場環境を整えていくということをしっかりやっていきたい。
不快な気持ちや負担を感じた職員に対しては改めてお詫びを申し上げたいと思う。しっかりと反省をし感謝の気持ちと謙虚な姿勢を胸に刻んで、これからも態度を改めていきたいと考えている。
公益通報者保護法について
同法における主要論点については第三者委員会の調査や視点からの指摘は尊重させていただきたいと思っている。
一方で各論点については司法専門家などによって様々な考え方や意見がある。例えば通報対象事実の要件充足については、報告書では通報時点で中傷性を認める考え方があるとする一方で、判断は文書内容自体から行うという考え方も指摘されているところである。また通報対象事実とそうでない部分が混在する場合についても様々な意見がある。
不正目的である「他人に損害を与える目的」については、報告書でも知事の失脚や信用失墜を望む感情や、作成配布することで斎藤知事の信用が低下する効果を望む感情も伺えると言及されている。
また配布先が10箇所に限定されており、直ちにこの文書内容を広く流布して県政を混乱に陥れようとの不当な意図も看守することができないとも述べられている。これも受け止めはしたいと思う。
一方で3月20日に私本人が民間人から入手した時点において、10箇所以上にすでに広がっていたという事実がある。そして今の時代は、SNSによって誰もが簡単に広く流布できるという社会情勢を踏まえると、今回の文書が広く流布し県政の混乱や個人法人団体の信用が失墜される可能性が高いと判断することにも一定の合理性はあると考えている。
体制整備義務についても、法定指針の対象について3号通報も含まれるという考え方がある一方で、内部通報に限定されるという考え方もある。
今回の懲戒処分にかかる公益通報保護法上の違法性の認定については、百条委員会に参考人として出席した専門家が指摘している通り、最終的には司法の場で判断されるべきものである。
真実相当性については多数の項目が真実相当性がないと認定されている。通報対象事実となる2項目、いわゆるコーメーカーとパレードについては、第三者委員会から時期の近接性や副知事の権務による外形的な問題を指摘されたと受け止めている。
一方で、県のような大きな組織において副知事など幹部がいわゆる利益相反しうる複数の業務の担当や事業実施が近接するということは通常よくあるのであり、その際にも公務員としては当然法令に抵触することがないように職務遂行することは当然であることを踏まえれば、外形的に疑わしい事実があるとする認定には疑問がある。
そしてコーヒーメーカーについては、第三者委員会の報告書では、私がコーヒーが好きだと言ったことがあり、私がH社を訪問した後、実際にコーヒーメーカーが県庁に発送されたこと、返還までに時間がかかったことなどを根拠に真実相当性が認められるとされている。
一方で報告書で指摘されているD氏の発言自体は報告書には記載がなく、またその後の陳述書にも記載が認められないということからすれば、本件文書の作成配布時に、元県民局長や周囲の職員がその発言を認識していたかどうかには疑問がある。
また私がH社を訪れた当日及び実際に送られてくる前にも受領しないようにと指示していたことは事実として認定されているから、私に収賄の意図などなかったということは明白だと考えている。
コーヒーメーカーが県庁に送られ、箱を開けない状態で保管されていたという私の感知しない事実を持って、私が収賄罪を犯したと信じるに足りる相当性があったという結論にも疑問がある。
また単なる儀礼的な贈答品が賄賂に当たらず、知事に自社製品を話題にしてもらうことを一般的に期待した贈答品も賄賂には当たらないという意見もある。
私としてはこれまで述べた通り、本件文書の内容自体及び元県民局長の事情聴取でも真実相当性が認められると認識するに足る供述や証言は把握していない。
真実相当性が認められなかった他の項目について個人名や企業団体名まで上げて事実でないことを述べているということから、誹謗中傷性の高い文書であるという認識に変わりはない。
懲戒処分の取り扱いについては、4つの非違行為のうち3つについては報告書において適法かつ有効とされている。残りの1つについては、委員会の報告書の違法性の指摘は真摯に受け止めるが、公益通報の各種論点についてはすでに述べた通り、司法の専門家でも意見が分かれており、個別の論点の是非については、私自身が当事者であるということと、第三者委員会が私の主張や説明についてさらに反論する場がないということを踏まえれば、これ以上言及することは差し控える方が良いと考えている。
今回の初動の対応は確かに後から見れば様々な課題は指摘されるとしても、当時の判断としては止むを得ない適切な対応だったと考えている。
もちろん委員会の指摘は尊重させていただきたいと思うが、一方で懲戒処分という人事上最も重い行政行為について、県として弁護士の助言ももらいながら手続・内容ともに適切に進めてきたと考えている。
ただ第三者委員会が指摘する公益通報者保護体制整備の必要については真摯に受け止めなければならないと考えている。
既に1号通報の外部窓口の設置を実施しているが、今後外部通報、いわゆる3号通報の体制整備、特に知事など幹部が対象となる場合も含め、外部通報の対応についてはどのようにすれば現実的に可能なのかということなど、今後の法改正の内容を踏まえて国、企業そして自治体などの対応を参考にしながらしっかりと対応していきたいと考えている。
第三者委員会の報告書では具体的な指摘をいただいたことに改めて感謝を申し上げたいと思う。百条委員会の報告書も含めて私自身真摯に受け止めたいと考えている。
その上で反省すべきところは反省し、改めるべきところは改める、その上で県政をしっかりと前に進めていくということが大事だと考えている。
令和3年8月に知事に就任してから県政を良くしたいという思いで懸命にこれまで取り組んできた。思うような成果が得られた部分もあればあそうとは言えない部分もあった。
よりスピード感を持って前に進んでいきたいという、私自身もまだ焦りがあったという気持ちも否定はできない。職員に強い物言いをし、結果として不快な思いをさせ、負担を感じさせてしまったということは自省している。このことについては、県民の皆さんのために働いていただいている職員の皆様に本当に申し訳ないと思っている。
私の責任を問う声も聞こえているが、反省すべきところは反省し、改めるべきところは改め、今回の一連の件を契機に、より風しの良い職場環境を構築することが県民の皆さんに対する私の責任の取り方であると考えている。
