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ふたご理論

「すばる」2024年6月号に掲載された二瓶哲也「ふたご理論」を読む。

ずっと読みたかったのだが、「すばる」の当該号が図書館で貸出し中になっていて、このたびようやく読めた。

二瓶哲也の小説は、これまで「ヒマラヤの年輪」「宮水をめぐる便り」「それだけの理由で」を読んでいる。個人的には「それだけの理由で」がちょっと西村賢太風で一番好きだった。

それぞれ過去記事に感想を書いてある。

今度の「ふたご理論」は、読み終えた後、「ウェルメイドな作品」という言葉が頭に浮かぶような、よくできた小説だった。

脳梗塞で半身不随になり障がい者施設で暮らす54歳男性と、歯科衛生士として施設で働く23歳の女性の関わりを軸に描かれる。元役者志望の男が娘のような年頃の彼女に自分を撮影してくれと頼み、引き受けた彼女が撮影を進めるうち、意外な事実が明らかになる・・・・

この小説そのものが映画化できそうなストーリーだと思った。

自分はいわゆるストーリーを売りにした小説はあまり好みではなく、実験性や文体の個性などを味わうのを好むのだが、二瓶哲也の作品はいつも最初から最後まで抵抗なく、するすると没入して読むことができる。大抵の小説はどこかで引っ掛かるところがあったり退屈に感じて素直に読みきれないことが多いのだが、そういうところがまるでないのは、文章と構成の巧みさだろう。

ただ先にウェルメイドといったのには少し皮肉も込められていて、自分の好みからすると、後半の物語の展開がちょっとうますぎてリアリティを欠くうらみがあった。もちろんこういうのが好きな読者もいるだろうから、これはこれで一つの作品として成立していると思う。




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