文學界の最新号に掲載されている戸川純の小説「狂女、純情す」を読む。
戸川純については音楽もほとんど聴いていないしテレビによく出ていた頃に見ていた程度。それでもあの独特のオーラから放たれるイメージは尊敬の対象でしかなく、もはや歴史上の人物だと思っていた。「蛹化の女」は日本人アーチストの曲で一番好きなものの一つ。
この小説は、西村賢太チックなタイトルも併せて、彼女のパブリックイメージをなぞるような私小説スタイルの効果が存分に発揮されている。文章もよくて、一気に読んでしまわせるだけのパワーを持っている。要するに壮絶な内容なのだが、戸川純が書くが故のリアリティがある。インタビューも掲載されていて、小説以外のそっちのエピソードの方がある意味で凄かった。アクタガー賞候補ありうるんじゃないかとすら思う。
詳細な感想はできたら改めて書く。
しかしけっこうなインパクトのある小説だと思うのだが、意外なほど話題になっていないような気がする。いまどき文芸書を読む人がいかに少ないかということか。