制作費1本2万円ゆるすぎるCM
夢グループ
芸能界のルールを知らない素人だから成功した奇跡のマルチメディア事業
今や年商150億円を超える企業に成長
その秘密とは?
夢グループのCMに対し広告代理店が頭を抱えている
自社製作で制作費は1本たった2万円(CM出稿料は別)
通常こうしたCM制作を代理店や制作会社に発注すると
キャスティング料金と製作費でどんなに安く見積もっても1本100万円はかかる
CMを自社制作されてしまうと広告代理店は制作費得られなくなる
何よりあのクオリティで売上向上という前例ができてしまった
このレベルでいいんだという認識が他の企業にまで浸透してしまう
今後も夢グループ以外に続々とこうしたCM制作を内部にシフトする企業が増える
「夢グループ」はテレビ通販事業のほか芸能プロダクションも営み
さらに全国各地で興行を展開するコンサート事業の3本柱を軸に運営されている
そんな夢グループを1台で築き上げたのが石田重廣社長64歳
19歳で上京し築地市場吉野家などのアルバイトに従事するもことごとく解雇
その後は本や百科事典地球儀などの飛び込み営業を経て独立
広告付き地図の広告を販売する事業を開始
その一方で手を出した中国絨毯を輸入販売するビジネスは失敗に終わる
20代は浮き沈みの激しい生活を送ったと言う
30歳を過ぎた頃から通販事業をスタート
主力商品もシルク製のパジャマやナイトウェアに切り替えこれが大ヒット
カタログ通販事業が軌道に乗りイメージモデルとしてタレントを起用
にしきのあきらや松方弘樹など
タレントを抱える芸能プロダクションとしてもスタート
芸能界といえばよそ者を嫌う村社会
大手プロダクションの社長は基本現場の叩き上げマネージャー上がり
そんな中で石田社長は芸能のことなど全く無知
知り合いだった芸能プロの社長の紹介で「狩人」が所属
有限会社あずさ2号という会社を作った
彼ら2人を迎える条件として出来高払いではなく給料制で
1人につき毎月100万円を支払った
ところが前年の彼らの仕事をチェックしてみたら年に2日間しか仕事をしていない
「なんでこんなに仕事がないの」と聞いたら
「私たちここ45年はずっとそんなもんです」
「社長から給料が100万円もらえるなんてもう本当にラッキーです」
と言われ頭を抱えた
ラッキーはいいけどこっちは何とかして仕事を作らなきゃいけない
でも通販事業のノウハウしかない
そこでカタログやチラシパンフレットを作り
お祭りやホテルのディナーショー企業のイベントなどに
「狩人」を売り込むためのパンフレットのDMを送付
企業ホテル商工会議所など約5000カ所に出した
ここで一つだけ明確にしたものがある
芸能人の営業というとその料金体系は公にされず交渉次第
そもそも代理店が間に入るのでからお客さんも気安く依頼ができない
そこでステージ1本80万円、ステージ2本160万円とし
160万円の部分にディスカウント価格2本で100万円とした
要は通販カタログのスタイルを取った
当時こういう試みはなかったため依頼が殺到
わずか年2本だった営業がなんとその年だけで
「狩人」は100本以上の仕事が決まった
次第にこれが芸能界で噂となり
「ぜひ社長の事務所に所属させて欲しい」
と売り込んでくるタレントが一人また一人と増えていった
現在は給料制ではなくなったというが
何より営業という仕事が絶え間なく入る
要は舞台に立てるわけで
一度スポットライトを浴びたスターにとっては
これこそが何よりの喜びであることは言うまでもない
こうして芸能プロダクション事業も成功させた夢グループは
全国各地のお祭りやホテルのイベント等に自社の歌手を出演させ
自ら企画プロデュースという興行も打つようになる
その代表が「夢コンサート」
これまでの芸能界の常識ではありえない大御所と呼ばれる歌手が一堂に会し
10名単位で登場するステージになってこれが今シニア層大人気のイベント
どんな顔ぶれが揃っているのかというと
例えばチェリッシュ、尾藤イサオ、水前寺清子、瀬川瑛子、新沼謙二、
もちろんこれ全員が夢グループの歌手ではない
芸能プロ運営のほかプロモーターとしてコンサート事業も行うため
必然的に様々な制約や大人の事情を超えて他の事務所所属の歌手も集う
まさに芸能界を知らない素人だからこそできた越境コンサート
業界のしがらみを知らない石田社長だからこそ実現できた
この「夢コンサート」、今年の5月は26公演
そして6月はなんと27公演という
ほぼ毎日全国のどこかでこの「夢コンサート」が開催されている
年末のテレビ東京のような顔ぶれの年忘れコンサートが
平日毎日行われているわけ
成功の要因は言うまでもなく完全にシニア層にターゲットを絞ったこと
シニア向けのエンタメビジネスというのはこれからますます伸びる
これまでは歌舞伎など一部の富裕層をターゲットにしたコンテンツしかなかった
もちろん大衆向けにも演歌のコンサートなど存在したが
それはあくまでも単体でコンテンツとしては弱い
それが「夢コンサート」では1ステージに10人近い歌手が集う
まさに熱狂を生む装置
しかもこれB2Bにも近いビジネスモデルなわけ
要は通販事業者が自社で企画製造あるいは輸入した商品を
卸売業者や店舗などを通さずテレビCMを使って直接販売
さらにそのテレビCMまでも自社で制作
出演するタレントも事務所を介さず自社の所属タレントを起用
このテレビCMで知名度を得たタレントがコンサートにも出演
そしてそのコンサートの企画演出もプロモーターを介さず自社で行う
徹底的に中間業者を省き内部制作化することで
芸能界における義理やしがらみと大手事務所の力学からも解放
芸能ビジネスの掟に染まっていない素人だからこそできた離れ技
芸能界というエンターテイメントビジネスに未来があるとしたら
こうした業界のルールやマナー、悪しき慣習を
いやそんなのも一般社会じゃ通用しませんよと開き直り
笑い飛ばすことのできる素人たちによる
こうバカなふりをした飛び入り参加の数が増えることではないか?
※長谷川良品氏の動画より書き起こし