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山中貞雄

坪内祐三によると、普通の映画好き百人に、日本の映画史上で最高の映画監督は誰かと尋ねれば、一位はたぶん黒澤明で、本格的な映画好き百人になると、小津安二郎だが、さらにマニアックな映画好き百人になれば、一位は、きっと、山中貞雄だろう、という(『文庫本を狙え!ちくま文庫より)。

 

そんな言葉が頭に残っていたので、「新春特番・天才監督山中貞雄」というのに出かけ、『丹下左膳余話 百万両の壺』と『河内山宗俊』を観てきた。

 

どちらの映画もそれぞれに素晴らしく、観てよかった。

 

今彼の映画を見るには、彼が僅か二十九歳で中国で戦病死し、生涯で二十三本作った映画のうち現存するのはわずか三本にすぎないとか、小津の六つ年下で互いに大変慕っていたとかいう歴史的伝説の存在を抜きにして虚心坦懐に作品に接することは難しい。

 

それでも、そんな予備知識は抜きにしても、『丹下左膳余話 百万両の壺』はその脚本の妙故に、そして『河内山宗俊』はその映像の鮮烈な迫力とヒロイン原節子の真っ新な存在感ゆえに、非常に印象深い作品であることは間違いない。

 

良い映画は人を饒舌にするが、本当に良い映画は人を黙らせるのではないか。少なくともこれらの山中貞雄の映画を見て、容易に感想というものが出てこない。ただ、この映画を記憶しておきたい、忘れたくない、という強い思いを抱かせる。

 

最近、見たものや触れた作品たちをあまりにも次々に忘れるので。残らないというのは結局それだけのものだとも言えるのかもしれないが、記憶に残しておきたいものも確実にあるのだ。

 

そしてもう一つ確実に言えるのは、山中貞雄の生涯は余りに短すぎた。このような天才は、再び戻ってきて、この世に恩恵と祝福を与えてくれないといけないと思う。




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