野沢収『ザ・ドアーズ 永遠の輪廻』とジム・モリソン詩集『「神」「新しい創造物」』を図書館で借りる。
野坂収という人は、1958年北海道生まれ、シンガソングライター三上寛のマネージャーをしながらロック評論家として「レコード・コレクターズ」や「ミュージック・マガジン」などで執筆している。ドイツにあるドアーズ・ファンクラブの創設時からのメンバーでもあるという。
ジム・モリソン没後のドアーズの作品との出会いがきっかけというのはかなり変わっていて、この本でもモリソン死後のメンバーの活動に重点が置かれているという意味ではかなり変わった本である。
それでも前半部は興味深いエピソードをきっちり押さえていて面白かった。ドラムスのジョン・デンズモアがレイ・マンザレクと知り合ったのはジョンが通っていたTM瞑想のセンターだったとか、「ジ・エンド」をモリソンの弟アンディとともに聞いたモリソンの父親が、新聞を読みながら手を激しく震わせたとか。
詩集は、訳文とともに原文が全部載っているのがうれしい。時間があれば写経して自分なりの翻訳に挑戦してみたい。
佐藤泰志『移動動物園』(文庫版)に収録されている短編(「移動動物園」、「水晶の腕」)そして『黄金の服』(文庫版)に収録されている「オーバー・フェンス」を読む。
私小説ではないが、感触としては初期の佐伯一麦を思わせるリアリズムとリリシズムの融合を感じた。松村雄策が好きな理由と小谷野敦が評価しない理由がよくわかる気がした。
「水晶の腕」がドアーズの「水晶の舟」を意識したかどうかは不明。たぶん違う気がする。