レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「勇者の赤いバッジ」(1951)です。

1862年、北軍第304歩兵連隊はバージニア州ラッパハノック川近くで野営していた。やがて司令部から上流に移動、南軍と交戦すべしと命令が来た。部隊は移動、南軍と対峙、交戦となった。ヘンリー二等兵(オーディ・マーフィ)は初陣であり、又家から飛び出して兵役に志願したので、いざ戦闘が始まるとその戦いの恐怖に駆られて、壕から飛び出して逃亡してしまう。やがて、南軍にやられた部隊がトボトボと後退しているのを見て、何とも言えない気持ちに陥ってしまうヘンリー二等兵だった…
世界初の総力戦と言われたあの南北戦争を扱った映画です。何せ死者が両軍合わせて50万、ほぼ同時期の戊辰戦争の死者が約1万人なので戦争の規模が判るというものです。
且つジョン・ヒューストン監督の問題作です。オリジナルは約二時間だったそうですが現存している作品は短縮版69分しかありません。この短縮版を鑑賞しました。
スティーブン・クレイン著「赤い武功章」を映画化した作品ですが、物語が敵前逃亡から始まるストーリーなので色々とクレームが付き大幅カットされたと聞いています。ヒューストン監督はオリジナルをスタジオから買い取ろうとしたようですが、スタジオからの返答は倉庫が火災でオリジナルはないという返答だったとか。
この敵前逃亡から始まる話ですが、映画を見ているとやがて彼はそれを乗り越えて、後半はヘンリーは南軍の攻撃に怯むことなく反撃し、連隊旗手が倒れるや否やその連隊旗を掴むと率先して突撃する有様で、その辺りの心理を丁寧に描いているのがこの特徴だと思います。そういう意味では、異色の戦争映画と言っても良いと思います。
映画の画質はすこぶる良好で、当時の作品としては素晴らしかった。戦闘シーンはロングで、それ以外の人物描写はパンフォーカスを多用する驚く様なスタイルをもった作品です。これにも驚きました。
主演はB級西部劇スター、オーディ・マーフィですが、私にはとても新鮮に感じました。マーフィ主演映画は「地獄の戦線」しか見ていませんが。彼は第二次大戦で多くの武勲を上げた叩き上げ兵士として有名でした。
今回、あの煽情的な「シビル・ウォー」と比較するためにこの作品を撮り上げてみました。描写の凄まじさ、迫力は敵いません。と言うよりその内容から比較の対象にはなりえませんが、戦う兵士の心理の描き方はこちらの映画の方が丁寧で、素晴らしいと感じました。ヒューストン監督、うーん、美しいです。 八点鐘





このブログで紹介した南北戦争が背景の映画