レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ディアーズ・オブ・ブラッド」(2022)です。

ブリュッセルの地下鉄運転手レオ(アントニオ・デ・ラ・トレ)は、地下鉄を運転中ホームに一人の青年を発見する。何か異常を感じてブレーキを掛けるが、銃声のような音が響き青年は線路に落ちてしまう。レオは列車を止めて、青年に駆けつけるが絶命していた。ベルギー警察ヴィルジニー刑事(マリーヌ・ヴァクト)は、レオのアパートを訪れ、亡くなったのはレオの息子ユーゴで遺品を渡した。が、彼女は監視カメラ映像からレオはユーゴから何かを受け取っていた事を知っていた。彼等の間に何があるのか調べる必要があった…
好きです、この作品。凝った興味深いプロットを持ったノワールスリラーです。少しだけネタをばらすと、ユーゴは武装強盗の片棒を担いでおり、又ベルギー警察の捜査官が身分を隠して彼らに潜入していた。レオはスペイン人で、ベルギーに特殊移民として入国している。その経歴は隠されていた。こんな感じで、プロットはなかなか興味深く構築されています。
いや、巷では全く話題になっていない作品ですが、私はとても巧く纏めているのに驚きました。監督・脚本はジョルダーノ・ジュデルリーニ、私は見ていませんが「レ・ミゼラブル」の脚本家だそうです。
例えば、ユーゴが住んでいたガレージ付き住居の描写、武装強盗団が隠し持っている自動小銃の隠し場所、加えてその隠し場所に手榴弾を使ったブビートラップが備え付けられており、その辺りの描写が良いですね。うーん、美しいです。
美しいマリーヌ・ヴァクトのヴィルジニー刑事、煙草腐れ飲みのヘビースモーカ役で、リアルで良いと思います。まあ、美しすぎるのが頂けませんが。
こんな感じでしっかり纏まっており、とても良く出来た映画ではありませんが、なかなかイケるノワールスリラーになっています。ラストの銃撃戦もまずまずで結構楽しめると思います。興味を持たれた方は是非鑑賞して下さい。
また、この作品を公開して下さった配給会社クロックワークス殿に感謝したいと思います。「殺人鬼の存在証明」もとても良かったですから、この手の作品今後とも宜しくお願いします。 八点鐘




