
2025年12月18日に全面施行されるスマホ新法での初期検索エンジン選択制、チョイススクリーン導入は問題があると考えます。
本記事では、日本のスマートフォンでの検索エンジンのチョイススクリーン導入の危険性について解説します。
この記事のまとめ
- スマホソフトウェア競争促進法は、スマホで利用されるアプリストアやブラウザ・検索エンジンなど重要なソフトウェアの競争環境を整備するもので様々な規制が導入される
- 検索エンジンへの影響として、Googleが検索結果で自社サービスを優遇することが禁止される他、初期検索エンジンの選択制(チョイスウィンドウ)の義務付けなど多くがある
- 日本語検索エンジンは選択肢が限られる中で初期検索エンジンの選択制が導入されると、問題を持った低品質な検索エンジンが子供・高齢者などに多く使われるようになり、様々な危険に晒される事が懸念される
- インターネットの健全な利用のため「規制内容の再検討」もしくは「低品質検索エンジンの改善」が必要
スマホ新法(スマホソフトウェア競争促進法)の検索への影響
年末に全面施行される通称「スマホ新法」「スマホソフトウェア競争促進法」、正式名称「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律」は、全体として素晴らしい法律です。
この法律で最も大きく扱われるアプリ販売ストアに関する規制は、社会生活に必要不可欠になったスマホアプリの流通に特定企業の意図が働きすぎる事を抑制するものです。アプリ関連やそのセキュリティなどは専門ではなく明言はしづらいのですが、非常に意義ある動きと考えます。
さて、この法律についてSEOの専門家として注目するのは、検索エンジンに強く関わる部分です。九条で示される検索エンジンの自社サービスの優遇への規制と、十二条で示される標準設定に関する件です。
スマホ新法第九条 検索エンジンに係る指定事業者の禁止行為
第九条
指定事業者(検索エンジンに係る指定を受けたものに限る。)は、その指定に係る検索エンジンを用いて提供する検索役務において、スマートフォンの利用者が検索により求める商品又は役務に係る情報を表示する際に、当該指定事業者(その子会社等を含む。)が提供する商品又は役務を、正当な理由がないのに、これと競争関係にある他の商品又は役務よりも優先的に取り扱ってはならない。
情報インフラとして最も重要なものの一つとなったインターネット、特にWebを活用する上で無くてはならない検索エンジンが自社サービスを優遇して多くの企業が事業に圧迫を受けている状況が以前からありました。
- 検索結果に歌詞が表示されて歌詞サイトの運営が圧迫される
- 検索結果に天気が表示されて天気情報サイトの運営が圧迫される
- 検索結果に地図情報が表示されてローカル情報サイトの運営が圧迫される
そのような動きは検索サービスの検索体験向上の取り組みと事業者側の利益とのトレードオフとも言えますが、スマホ新法ではEUなどで進む先行事例も踏まえて望ましいバランスを目指して規定されているものと考えます。
7月29日に発表された最新の詳細指針、検索エンジンの自社サービス優遇問題が記述された67-77ページを読むと細かい検討と配慮が見て取れるもので、現実性を意識して進んでいることがわかります。
2025年9月現在、この指針を踏まえた実装が調整・検討されている段階です。
実装次第では、日本国民の検索体験を阻害するものになったり、日本の事業者の厳しい状況が続くものになるかもしれませんが、現状の指針を読む限りでは期待出来るものと私は考えます。
(この件は今後も注目し、もし問題がある場合は随時発信をいたします)
スマホ新法の規制の多くは、先行する海外での動きとその問題点を踏まえて設計されたことが伺える現実的かつ効果的ものと私は考えます。
ただ、海外を参考にして進めることで大きなリスクを生じる項目があります。それは十二条に関わる検索エンジン選択の問題です。
検索エンジンの品質は国によって状況が大きく異なります。他国の状況を元に規制を進めるべきではありません。
スマホ新法第十二条 標準設定等に関わる措置
スマホ新法第十二条で規定される、スマホに重要な機能、例えば検索やブラウザ、決済や地図などで使うアプリの標準設定を簡単に変更出来るようにする規制は素晴らしいものと考えます。
この素晴らしい取り組みの中で私が大きな問題があると考えるのは「スマホ初回起動時に検索エンジン等の選択画面『チョイススクリーン』の表示を求めている事」です。
(7/29発表「スマホソフトウェア競争促進法に関する指針」より抜粋)
選択画面に係る2つ目の要件として、規則第 28 条第2項第2号において、スマートフォンの利用者による当該スマートフォンの初回起動後速やかに、当該スマートフォンの利用者が選択画面に表示される個別ソフトウェアの選択肢から特定の個別ソフトウェアを選択するようにすることと規定されている。
「初回起動後速やかに」とは、例えば、スマートフォンの初回起動後の初期設定のタイミングで選択画面を表示するほか、当該選択画面の対象となる個別ソフトウェアの初回起動時に選択画面を表示し、選択肢から特定の個別ソフトウェアを選択するようにすることをいう。
これは、実際の検索エンジンのシェア独占の改善の影響は軽微な上、多くの健康被害・詐欺被害を生じかねない規制と私は考えます。
チョイススクリーン(初期利用アプリの選択ウィンドウ)
チョイススクリーンとは
チョイススクリーンとは、スマホ本体やブラウザ等が最初に起動されたときに画面に現れる、機能選択画面です。

この画像は、EUでの規制に伴って欧州圏で導入されたチョイススクリーンのイメージ図です。(Android公式サイトより引用)
日本のスマホ新法で規定されるチョイススクリーンは、最新の指針(92-93ページ)では下記の要件などが指定されています。
- 表示される項目数はスマホ1画面に収まる程度、具体的には4~5個程度が考えられる。
- 表示される選択肢は、アプリストアのダウンロード数の上位など客観的かつ合理的な選定基準で選ぶ。
- 選択肢掲載の選定では公平性が確保されるべき。具体的には対価の要求・支払額での選定などは認められない。
- 選択画面には、個別ソフトウェアの名称、標章及び説明が表示されるようにすること。
- 表示順位は、最上位等が選ばれやすい事などを踏まえて任意に固定されるべきではない。
もし、ダウンロード数や利用者数を踏まえて日本でのチョイススクリーンが導入される場合は、「Google」「Yahoo!検索」「Microsoft Bing」に加えて「ChatGPT」、もし検索エンジンに絞る場合は「Perplexity」などが加わった選択肢となる事が想定されます。
チョイススクリーンの事例とその効果の薄さ
検索エンジンのチョイススクリーン制度は、ロシアで実際に検索エンジンシェアを大きく変える効果が見られました。
ただ、その後2019年にチョイススクリーンが導入されたEUではロシアのような効果にはならなかったようです。
その後数年で数ポイント程度の小規模な検索エンジンシェア変化は発生しており、チョイススクリーンの影響もあったのではと言われていますが、それでも小さな影響と私は考えますし、かつわずかな変化です。
この違いは、ロシアではYandexというGoogleと十分に競り合う認知とサービス範囲を持ったローカル検索エンジンがあったものの、それがない場所ではあまり影響が出なかったのではと推測します。また、EUでのチョイススクリーンはオークションの勝者が選択画面に表示される様々な問題を持つもので、有効な検索エンジンがチョイススクリーンに表示されない国があった問題もあります。(日本のスマホ新法ではこの問題を踏まえてオークション入札による表示検索エンジンの選択を禁止しており、同様の問題とはなりません。)
日本では、Windowsユーザの多くがChrome / Google検索を使っていることがよく知られています。Windowsユーザでしたら誰でもわかる通り、Googleへ初期検索エンジンの切り替えを行う際には激しい引き止めが行われますし、定期的にEdge / Microsoft Bingに変えるよう強い推奨が表示されます。それでも一部の検索エンジンの違いが分からないリテラシーが低い層などを除き、Chrome / Googleを使う人が多いです。
また、今回のスマホ新法では、端末引き継ぎ設定が行われた場合は初期チョイススクリーンの表示は求められていません。大半のユーザには表示すらされません。
この状態から推測するに、チョイススクリーンが導入されても多くの人はGoogleを利用し続けることとなり、Googleのシェア独占に大きな影響が生じないと考えられます。
実際には影響は小さくとも選択の機会が生まれること自体が必要という考えもあります。しかしそれに私は同意しません。日本でのチョイススクリーンでの初期検索エンジン選択制は、大きな社会問題に繋がることなのです。
日本での初期検索エンジンチョイススクリーン導入のリスク
検索エンジンに表示される悪質な詐欺URLや詐欺広告が多大な被害を生じている事が社会問題となっています。
検索エンジンはインターネットの入口となる場合が多いです。検索エンジンの品質が低いとそれはそのままインターネット利用体験の品質の悪化に繋がります。検索エンジンが危険だとそれはそのままインターネット利用の危険さに繋がります。
その中で、日本の検索体験の健全性はGoogleの改善によって守られ続けてきました。
日本では、2016年後半のWELQ騒動などをきっかけに検索結果の健全性に対する意識が高まっており、Googleは高いレベルで検索の健全性を意識した改善を続けています。
もちろん100%健全な状態が保たれているわけではありません。しかし、他に比べると天地の差があります。深刻な検索語句では信頼性のあるサイトを優遇するアルゴリズムは強化され続け、現在では過剰に思えるほどの状態になっています。
日本では、もともと日本語の特殊性などから有効な検索エンジンが生まれづらい環境にありました。現在、1パーセント以上のシェアを持つ検索エンジンはGoogleとYahoo! 検索、Microsoft Bingのみです。Yahoo!検索のエンジンはGoogleですので、有力検索エンジンとしてはGoogleとMicrosoft Bingのみと言えます。
この状況でチョイススクリーンが導入されると、多くの人はGoogleを選び、一部ヤフーサービスを愛用している人がYahoo!検索を選ぶでしょう。そして残りの人、検索エンジンの違いなどが分からないリテラシーの低い子供や高齢者などの一部がMicrosoft Bingを選ぶ結果になると私は考えます。
Microsoft Bingは世界3位のシェアを持つ検索エンジンで悪いサービスではありません。ただGoogle等に比べると体制が弱く様々な問題を起こしています。
Bingの問題:フェイクニュース対策の弱さ
Microsoft Bingは世界的にGoogleに劣る部分が多い検索エンジンです。海外の学術機関による調査でもそのことが示されています。
スタンフォード大学の調査によると、フェイクニュース対策という観点でMicrosoft Bingは脆弱と報告されています。
Bingの問題:詐欺広告の多さ
このMicrosoft Bingの品質問題は、日本語検索において特に顕著です。
まずは、検索結果で見られる広告の低品質さ・詐欺の多さは明確です。
検索広告の詐欺誘導が話題になる際、3-4パーセント程度と推測されるシェアを考えるとあまりに多くBingの広告が問題の原因になっています。
- 「Bing」で「rakuten」と検索するとサポート詐欺サイトを踏んでしまうかも - やじうまの杜 - 窓の杜
- ASCII.jp:楽天、ヤフー、Amazonなどを装った検索結果からの“サポート詐欺”に注意 IPAが呼びかけ
- Bingで”アマゾン”と検索すると検索結果の一番上に本物と同じURLの詐欺サイトが出現、「クリック不可避」「URLだけで判断できない」と話題に - Togetter [トゥギャッター]
Bingの問題:偽サイト対策の弱さ
Microsoft Bingでの検索で上位表示される偽サイトも定期的に話題になります。
【拡散希望】bing検索結果の比較的上位に、東京国立博物館の「交通・料金・開館時間」ページと見間違えるような偽のサイトが表示されています。電子チケット購入のリンク先は詐欺サイトです。チケット購入の際は、ご面倒でもホームページ「https://t.co/CMvky7Kgqv」からたどるのが安心です。 https://t.co/SEFFAatnEv
— 東京文化財研究所/TOBUNKEN【公式】 (@tobunken_nich) 2025年6月30日
【偽サイトに注意】#防衛省 Webサイトと同じ内容を表示する偽サイトの存在を確認しました。 #内閣サイバーセキュリティセンター ( #NISC ) より他の政府機関でも偽サイトの存在について注意喚起が発出されています。ご注意ください。https://t.co/ck6TgnJpYG https://t.co/tf2C13yYS2
— 防衛省・自衛隊 (@ModJapan_jp) 2022年6月15日
2022年には最低でも18の地方自治体公式サイトがMicrosoft Bing検索結果から消え、偽サイトが上位表示された問題がありました。
この問題が発見されて、公式窓口に報告され、X等で話題になり、報道機関に取材などもされて記事になりました。
しかしそれでもこの偽サイトは上位表示され続けます。結局問題発生後一ヶ月半、報道されてから二週間以上経ってやっと修正されました。
それまでの期間、Microsoft Bing検索では災害が発生した際に検索しても公式情報が表示されない危険な状態でした。
昨日まで大雨で避難指示が出ていた佐賀県嬉野市について[嬉野市 避難]と検索したGoogle(左)と、Microsoft Bing(右)の検索結果の違い。
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2022年6月21日
嬉野市公式サイトを検索から除外してしまったBingでは一次情報を出せていません。こんなリスクある状況を一ヶ月も維持しているのは明らかに問題です。 pic.twitter.com/sXtR5IyaUx
そして、直近では公安調査庁が海外からの偽情報の拡散が偽ニュースサイトを通じて行われている問題を注意喚起しました。
報道機関のサイトを装った「ニュースサイト」の中には、中国企業が運営しているものもあると指摘されています。こうした「ニュースサイト」は、現地メディアの転載記事等に紛れ込ませて、偽情報を拡散しているとされています。
— 公安調査庁 (@MOJ_PSIA) 2025年8月15日
疑わしいニュースサイトにはアクセスしないことが大切です。 pic.twitter.com/u5jfyL53gf
これらの偽サイトはGoogleではほぼ表示されませんでしたが、Microsoft Bingでは様々な検索語句で上位表示されていました。
偽サイトの拡散は社会の不安定さに繋がりますが、品質の低い検索エンジンはこの問題を拡大する影響力を持ちます。

広告4件に続いて通常検索2位に中国企業の偽ニュースサイトが表示されている。
Bingの問題:総合的な検索品質の悪さ
単純な検索品質という観点でも、コロナ禍の際には様々な問題を持つ検索結果を表示しつづけていました。
Microsoft Bingでは、Googleと比べて誤った医療・健康情報が多く表示される傾向が強い傾向が見られます。米国の検索結果では見られないような問題が多く日本の検索結果では見られ、日本での体制の問題が確認出来る事例です。
これだけMicrosoft Bingに問題があるのは日本対応の体制が弱いからと考えます。
その要因は、先進国では日本は最もMicrosoft Bingのシェアが低いからでしょう。下のポストは、マイクロソフト公式アカウントが紹介した外部データによるMicrosoft Bing利用率です。主要国の中で日本だけは数字が記載されていません。これは2017年と少し昔のデータではありますが、弊社では長期間日本の検索市場を観測しており、大きなシェア変化は生じていないと考えます。
このことから日本は多くの国に比べてMicrosoft Bingのシェアが著しく低いことが推測されます。
Did we mention Bing is bigger than you think 😊? #SEM #PPC #bingadswebcast pic.twitter.com/jeJxJGcxl5
— Microsoft Advertising (@MSFTAdvertising) 2017年8月17日
これは日本が世界で唯一Yahoo!検索のエンジンがGoogleであって、Microsoft Bing利用者が少ない期間が長く、ユーザの少なさから改善が行われなかったからと推測いたします。
チョイススクリーンでシェアが伸びることでMicrosoft Bingの日本売上が伸びて体制拡充する期待も持てますが、たとえEUでの変化の程度にシェアが伸びたとしても、Microsoft Bingの世界売上シェアの中で日本は低い状態にとどまることが推測されます。
大規模なレイオフが進み、AI関連サービスへの注力が発表されるMicrosoftが日本の検索事業の品質向上にリソースを投下することは困難と考えます。
なにより、今後数年で改善されたとしても、多くの人が詐欺に騙された後では間に合いません。
2010年7月、公正取引委員会の許諾の元に行われたGoogleとヤフーの提携は日本の検索にとって大きな分水嶺でした。
多くの国ではYahoo!検索の検索エンジンにMicrosoft Bingが採用されることで、Google以外の検索エンジンが一定数使われる環境が残り、検索エンジンの選択の余地が残りました。しかし日本ではMicrosoft Bingの弱体化・検索品質の低下に繋がり、Googleの一強状態が確立しました。
それは10年以上の時間を掛けた変化であって、簡単に是正されるものではありません。
「高い効果が見込めないにもかかわらず、詐欺被害が続出するなど問題が多く本格的な改善の可能性も低い検索エンジンを、騙されやすい人だけが使うようになる。」
日本における初期検索エンジンのチョイススクリーン導入はそのようなリスクを持っているのです。
わずかな影響しかないと想定される動きです。これで増加する被害者自体も多いものではないはずです。ただこれは、スマホを新しく購入する人に特に影響します。比較的低年齢層が多いでしょう。中高生が初めて出会うインターネットの世界の入口が危険なものになる事は無視できない。私はそう考えます。
日本の健全なWeb検索を守る規制にするために必要なこと
今回のスマホ新法で、Googleは検索エンジンとして唯一の規制対象となりました。他の検索エンジンは規制対象外です。
他にも様々な検索エンジンなどプラットフォームに対する法規制が進んでいますが、多くの法律ではGoogleのみ、一部の法律ではGoogleとYahoo!検索が対象となり、その他の検索エンジンは対象外となっています。
問題ある検索エンジンが監視対象外になり改善もされず、今回の新法でチョイススクリーンを通して多くの日本国民に推奨されるようになります。
初期検索エンジンのチョイススクリーン導入の意義は理解出来ます。AI検索などの影響で大きく環境が変わり始める中で、特定の会社が不当に新規参入を阻害する事があれば日本社会にとって不利益な事です。それを少しでも改善しようという取り組みは非常に素晴らしい事と思います。
ただ、健全な検索エンジンが限られた日本の状況を踏まえて初期検索エンジンチョイススクリーン導入をするのであれば、対象検索エンジンの改善体制の保証が必須と考えます。
検索品質は一朝一夕に改善されるものではありません。特に健全性の問題の抜本的解決には、AI技術があってもは多くの専任スタッフの対応が必要不可欠です。
現在の日本語検索でそのような体制が組まれているのはGoogleとYahoo!検索のみ。現実的なレベルで健全性を求める場合、チョイススクリーンにはGoogleとYahoo!検索以外は掲載することが出来ません。
もし初期検索エンジンチョイススクリーンの導入を進めるのであれば、掲載する検索エンジンは検索結果に明らかな問題がある場合に日本語での通報に対して短時間で改善する体制を保証することを条件とする必要があると私は考えます。
検索結果の健全性を担保する何らかの保証なしに初期検索エンジンのチョイススクリーンが導入された場合、それは日本国民の健康と財産を損ねる結果に繋がります。
公正な取引を保つための検索エンジンの独占の解消は重要なことです。しかしそれは日本国民の健全なインターネット利用を害してまでおこなうべきものではない。私はそう考えます。
私はWELQ騒動の時に多くの医師や被害者と対話する機会があり、検索エンジンが伝える情報の深刻さと、問題があったときの被害の大きさを実感しました。このままチョイススクリーンが導入されると、あのときのような問題を引き起こすのではないかと懸念しています。
スマホ新法、スマホソフトウェア競争促進法は日本国民を守る素晴らしい法律です。インターネット利用に大きく影響する検索にも大きな良い変化をもたらすことになります。ただ、この初期チョイススクリーンのように問題がある規制も含まれています。
しかし、このスマホ新法による検索への影響はほぼ注目されていません。スマホ新法は注目され多くの記事で問題の指摘などが行われていますが、検索への影響について言及されることは稀です。本記事で初めて検索エンジンが対象となることを知った人もいるはずです。
インターネットは日本社会を支えていますが、そのインターネットの小さくない部分を支えているのは検索エンジンです。検索エンジンは子供や高齢者も日々使っています。その検索エンジンの健全性を変える規制は強く注目されるべきと私は考えます。
どうか、検索エンジン選択の観点で「健全さ」に注意してください。あなたの大切な人が初めてスマホに触れる際に、問題あるインターネットの入口が選ばれないように注意してあげてください。それが法規制で促進されないよう注意してください。
スマホ新法・スマホソフトウェア競争促進法の2025年12月の全面施行が近づき、今後様々な変化が出始めてくるものと思います。その変化の中で健全な検索環境が阻害されないよう、検索エンジンへの影響を監視していく必要があります。