雨戸を閉めるために外を見ると分厚い雲。今日は新月なのに。。
Askar カラーマジック 6nm DフィルターセットによるSHO写真の最初に選んだのは、有名な、ケフェウス座の魔法使い星雲SH2-142です。HOO合成でも面白そうな星雲ではあるのですが、今回はせっかくなので、ハッブルパレット(SHO合成)です。
ハッブルパレットとは、ハッブル宇宙望遠鏡の有名な画像処理方法で、天体から得られる3つの輝線を特定の色(チャンネル)に割り当てて、人工的なカラー画像を作成する技術です。具体的には、SII輝線を赤(R)、Hα輝線を緑(G)、OIII輝線を青(B)に割り当てることで、本来なら似通った色になる輝線を異なる色で表現し、天体の詳細を際立たせます。
SII輝線はイオウ原子由来で、主な2本の輝線の中心は672nmです。これはHaの656nmよりわずか16nmしか離れていないのですが、D1はHa、D2はSIIを選別してくれます。D1D2両方から得られるOIIIも含め、輝線名の頭文字を取って、SHO合成とも呼びます。
初撮影天体なのですが、ケフェウス座はカシオペア座の西隣のため、時期的に遅く、我が家からだと軒先に沈んでいく時間が気になります。それでも何とか2時間ずつ撮影できました。本当は4時間ずつ撮影したかったのですが、それだと2日間必要になり、最近の天候を考慮すると2日目の撮影は来年になりそうなので2時間ずつにしました。明るい天体なので何とかなると思いました。
下記が仕上げた写真です。

<諸元>
- 機材:
ASI294MCPro ,
GS-200RC(D=203mm,f=1624mm)+KASAI RC用0.75xReduser ,
AM5赤道儀 , ZWO Off-Axis Guider + ASI 220MM-Mini ,IRCUTフィルター ,
①Askar D1(OIII,Ha) ②Askar D2(OIII,SII) - 支援ソフトウェア:
SharpCapによるアライメント , ステラリウムから座標取得 , APTで自動導入 ,
APTによるピント調整支援、GOTO++、ディザリング撮影 ,
PHD2による2軸オードガイド , ASI Mount Serverによる赤道儀連携 - 撮影地:
神奈川県茅ヶ崎市自宅庭先 - 撮影日時:
①2025/10/17(金)19:40 ~ 2025/10/17(金)22:26
②2025/10/17(金)22:46 ~ 2025/10/18(土)00:58 - 撮影条件:
Gain200 , Offset5 , センサー温度 -5℃
①120sec x60コマ (120分)
②120sec x59コマ (118分)
総露光時間 238分 - 編集(PixInsight):
FBPP/GXP/STNET2/BXT/SCNR/CURV/CS/LRGBC/GHS/NXT等
フィルター交換によるズレのため周囲を若干トリミング除去
■編集所感
編集は大変でした。でも初めてのSHO合成にしてはまあまあの出来だと自己満足しています。今回良く緑(Haが濃くてSIIが薄い部分)も出せたのが気に入っています。欲を言えば、やはり露光を倍にできればかなり解像感が増すと思います。
新しい編集をやる時は、丹羽さんのサイトを参考にさせてもらう事も多いのですが、今回は下記を参考にさせていただきました。
上記はモノクロカメラの事例ですが、OSCでもRGB分解後にセンサー特性を考慮してpixpathで疑似的にHa,OIII,SIIを生成しますので参考になります。主にCurvプロセスのHueを使う部分について参考になりました。
また、SII(R)とHa(G)が混ざる茶色~黄色が思うように出なかったため、最後にPaintShopProで色相補正も行いました。
■若干のトラブル
庭先に三脚を設置する時、極軸を合わせる前にだいたい北に向けて水平を出した後、「ノートPCのシステム時計変更->ステラリウムによる自動導入」を繰り返しながら調べると、01時過ぎには軒先に沈むことが分かったので、2時間ずつの撮影になりました。①では途中早い段階で子午線反転動作が入りますが、プレートソルビングが成功するようになっていればaptが自動でやってくれるので楽です。
今回のトラブルとしては、ノートPCのシステム時計が1時間進んでいたことに撮影中に気づいてしまったことです。今更直すのも時間の無駄なのでそのまま最後まで撮影しましたが、全ファイルタイムスタンプが1時間進んでいます。時計が進んでいたことによりapt上で自動子午線反転動作(赤道儀がその追尾動作により架台に接触する事故を防ぐために赤道儀の東西ポジションを逆転すること)がやたら早い時刻に行われたのは言うまでも有りません。
■アノテーション
一応アノテーション入れてみました。

大きさは長手36' ほどあるため、この光学系でぎりぎりです。
■おまけ
SH2-142が軒先に隠れた後、フィルターはAskar D2のまま、LBN673周辺を放置撮影してみました。中心座標は9月にフィールドフラットナー使用(f=1624mm)+ L-eXtremeで撮影した時と同じです。
今回はレデューサー使用(f=1218mm)+D2 なのですが、star alignmentプロセスでサイズも自動変更して合わせてくれることを思い出したので、この時の写真とSHO合成してみました。
下記がその写真です。

<諸元>
- 機材:
ASI294MCPro ,
GS-200RC(D=203mm,f=1624mm),
AM5赤道儀 , ZWO Off-Axis Guider + ASI 220MM-Mini ,IRCUTフィルター ,
①KASAI ED屈折用FFL 使用、L-eXtreme(OIII,Ha)
②KASAI RC用0.75xReduser 使用、Askar D2(OIII,SII) - 支援ソフトウェア:
SharpCapによるアライメント , ステラリウムから座標取得 , APTで自動導入 ,
APTによるピント調整支援、GOTO++、ディザリング撮影 ,
PHD2による2軸オードガイド , ASI Mount Serverによる赤道儀連携 - 撮影地:
神奈川県茅ヶ崎市自宅庭先 - 撮影日時:
①2025/09/17(水)21:39 ~ 2025/09/18(木)04:10
②2025/10/18(土)01:14 ~ 2025/10/18(土)04:16 - 撮影条件:
Gain200 , Offset5 , センサー温度 -5℃
①120sec x159コマ (318分)
②180sec x48コマ (144分)
総露光時間 462分 - 編集(PixInsight):
FBPP/GXP/STNET2/BXT/SCNR/CURV/CS/LRGBC/GHS/NXT等
なかなかカラフルでかっこいいのですが、かなり荒くなってしまいました。失敗作です。原因は、②の露光不足だと思います。①のHaに比べてSIIが薄く、無理やり合わせようとして荒くなったと思います。