我が家の庭および庭先(駐車スペース)で撮影する場合の、強いLED街灯による光害を逃れて星由来の連続光を何とか捉えたいという事なんですが、OSCカメラだけで、できるだけ手軽にできないかをあいかわらず模索中です。
そしてIR720Proという波長720nm以上を通すIRパスフィルターを買いました。720nm以上であれば、現在出回っているLED街灯のほぼ全ての光をシャットアウトできます。今回はこのフィルターとL-eXtremeフィルターの撮像画像を合成してみました。OSCカメラでも近赤外に感度のあるASI585MCPを使用しています。対象は、いつものガンマ星雲です。
下記が仕上げた写真です。

<諸元>
- 機材:
ASI585MCPro ,
GS-200RC(D=203mm,f=1624mm)+KASAI RC用0.75xReduser ,
AM5赤道儀 , QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡 ,
①IR720 Proフィルター
②LeXtremeフィルター,IRCUTフィルター - 支援ソフトウェア:
ステラリウムによる自動導入 , SharpCapによるアライメント,
APTによるピント調整支援、GOTO++、ディザリング撮影 ,
PHD2による2軸オードガイド , ASI Mount Serverによる赤道儀連携 - 撮影地:
神奈川県茅ヶ崎市自宅庭先 - 撮影日時:
①2025/08/19(火)22:19 ~ 2025/08/20(水)03:50
②2025/08/20(水)21:51 ~ 2025/08/21(木)03:44 - 撮影条件:
Gain200 , Offset5 , センサー温度 -5℃
①240sec x 58コマ(232分)
②120sec x 147コマ(294分)
総露光時間 526分(8.77時間) - 編集(PixInsight):
FBPP/GXP/STNET2/BXT/NN/LRGBC/GHS/CS/CURV/NXT等
<クロップとカブリ補正(ほとんど有りませんでしたが)>
②画像に①画像をアライメント後周囲をクロップで除去後、
どちらもGXPでカブリ補正
<色合わせ>
A) ①の星無し画像:①のIntegration後画像をSPCCで色合わせ後取り出し
B) ①の星画像:①のIntegration後画像をSPCCで色合わせ後取り出し
C) ②の星無し画像:②のIntegration後画像を疑似HOO合成後取り出し
D) ②の星画像:②のIntegration後画像をSPCCで色合わせ後取り出し
<合成>
A)とC)はリニア画像を合成、B)とD)はストレッチ後の非リニア画像を合成
カシオペ座ガンマ星雲ってIC63とIC59のペアのはずなんですが、IC59がほとんど写りませんでした。ほんとは右下のIC63から右上のIC59にかけて、ダイナミックな星雲の流れを表現したかったのですが。これでは、潔くIC63だけを中心に入れた方がましでした。
それでもIRによるIC63の内部構造は、デュアルナローとは明らかに異なる構造に見えます。(下図左がIRで、右がデュアルナローのIC63部分。いずれも色合わせ後のstfのオートストレッチ画像)

また、IR画像の星の色の階調が出ませんでした。露光不足なのか感度不足なのか。星の色の階調はデュアルナロー画像によるところが大きいです。
L-eXtremeは7nmと少し広めの半値幅なので、星の色も意外と表現できると感じています。IR画像では大きく写っている星が明らかに多いので、合成してみるとブロードバンド撮影っぽくて良い感じになりました。それとIR画像では望遠鏡のスパイダーによる光条が大きく出ます。上記では、左のIR画像だけにナビ(右下の写野外に有るカシオペ座γ星)の左上の光条が残っています。
露光時間をさらに稼げば星の階調と反射星雲を表現できるのか。まだまだ試行錯誤は続きます。
一応ほとんど写ってないIC59の位置もわかるアノテーションです。

※8/26追記
ASI585MCPのIR特性を思い出してあらためて見てみると、R,G,Bの感度特性に差が無くなるのは約850nm以上。この波長以上ではチップ上に配置されているRGGBフィルターの特性にRGBの差が無くなるということなのかもしれません。感度レベルは異なるもののASI294MCPも同様です。
つまりRGBの色が出るのは、720~850nmの間だけということになるわけですが、この範囲だけでは、色が出なかったという結果だと思います。少なくとも、もっと赤が出るかと思ったのですが。