そろそろ庭からの撮影は、春の銀河祭りに突入です。と言っても、ポリューションマップ上でSQM19.4[mag./arc sec2]+LED街灯の影響を受ける我が家では、CBPフィルターによるブロードバンド撮影に頼ることになるのですが、前述したとおりこれが結構厳しいことが分かってきました。それでもこのフィルターはノイズ除去性能が大変優秀です。
しかし波長425~455nmの範囲が第一番目の減衰域なので、約430~490nmの範囲の青(可視光)のうち下の方は写りません。
これにより連続した波長を放つ恒星由来の反射星雲を写すのは至難の業と感じています。
それでも、CBPフィルータを使って、銀河撮影に挑戦したくなるわけです。今回は、M106。M33に次ぐ視直径を持つ立派な銀河で、地球から2,100万光年離れています。
GS-200RCで狙ってみました。R200SSなどのF4鏡と比べると破壊力は有りませんが、レデューサーを入れてF6.4鏡として使用すれば標準的な明るさを得られるので時間さえかければ良い像を得られると感じています。シュミカセタイプなので軽く、庭での上げ下ろしも苦になりません。
下記が仕上げた写真です。

<諸元>
- 機材:
ASI294MCPro ,
GS-200RC(D=200mm,f=1624mm),KASAI ED屈折用0.8xレデューサーⅡ ,
, IR-Cutフィルター ,AM5赤道儀 ,QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡
, CBPフィルター(①) , L-eXtremeフィルター(②) - 支援ソフトウェア:
ステラリウムによる自動導入 , SharpCapによるアライメント,
APTによるピント調整支援、GOTO++、ディザリング撮影 ,
PHD2による2軸オードガイド , ASI Mount Serverによる赤道儀連携 - 撮影地:
神奈川県茅ヶ崎市自宅庭 - 撮影日時:
①2025/02/04(火)22:33 ~ 2025/02/05(水)04:16
2025/02/05(水)22:12 ~ 2025/02/06(木)03:35
②2025/02/07(金)22:34 ~ 2025/02/08(土)04:13 - 撮影条件:
Gain200 , Offset5 , センサー温度 -5℃
①240sec x 107コマ(428分:7時間8分)
②120sec x 132コマ(264分:4時間24分) - 編集(PixInsight):
FBPP/GXP/BXT/SXT/LRGBC/NBCM/NXT等
周囲ズレ部分除去と拡大のためトリミング
結構満足なんですが、贅沢を言うともっと腕の詳細構造を表現したいです。腕の色表現もまだ貧相です。CBPであとどれぐらい露光すれば良いのか。。
ウィキペディアによれば、「1995年には国立天文台野辺山宇宙電波観測所の45メートル宇宙電波望遠鏡やアメリカ国立電波天文台の超長基線アレイ (VLBA) による観測で、中心部に太陽の3,600万倍もの質量を持つ超大質量ブラックホールの候補天体が発見された」のだそうです。拡大すると、中心部左下に赤っぽい筋が外に向かって出ているのがわかるでしょうか。これは「中心部にある巨大ブラックホールが放つジェットの水素ガス衝撃波」なんだそうです。
銀河の編集は慣れていないのでいつも苦労します。最初はHaのブレンドのために、銀河編集では定番になっていたCombineHaWithRGB Scriptを使用したのですが、その後、やってみたかったNBClourMapper Scriptを初めて使用してやり直しました。具体的には、SXTで星を分離したCBPのRGB画像にデュアルナローで得たHaとOIII画像をブレンドしました。
性能的には同じようなものという感想です。メリットデメリットが有るので、備忘録のために軽く触れておきます。どちらのScriptもリニア/ノンリニアどちらの画像にも使えます。
<CombineHaWithRGB>
- メリット:Haのブレンドに特化しているので操作が比較的簡単。マスク設定ができる。
- デメリット:L-eXtremeだとどうしても赤色が強くなるので後でカラーバランスを調整する必要がある。Haしかブレンドできない。
(S/Nの高い画像であればHaからRを引いた画像をブレンドすれば赤が強くなる現象は抑制できる。S/Nが低い画像だとあまり効果なし。)
<NBClourMapper(NBCM)>
- メリット:Haに限らず、何でもブレンド可能。RGB画像にHaとOIIIをブレンドすることもできる。カラーパレットを調整してブレンドできる。
- デメリット:マスク設定できない。CombineHaWithRGB同様Background neutralization機能があるが、どうしてもRGBに対してブレンドする場合背景の明るさが増加する(私の使い方が悪いのかもしれません)。
今後どちらを使うかは決めかねていますが、NBClourMapperのカラーパレットを調整してブレンドできる機能はかなり便利です。作ったパレットを保存しておいて再利用もできます。全てナローバンド画像を合成するのであれば間違いなくNBClourMapperを使用する方が良いと思いました。
下記はアノテーションです。PGC(Catalogue of Principal Galaxies)カタログも掲載してみると、かなりの銀河が写っているのがわかります。

長手方向の視直径は18' ほどもあります。1°以上もあるM33に比べれば小さいですが、でもこちらの銀河の方がカッコ良い気がしてます。
ここに写っている伴銀河だと考えられている銀河は、
NGC4248 , PGC39615(UGC 7356) , PGC2292019 , PGC2292122
画像右上にある淡いのも伴銀河の可能性が高いようですが、PGC番号は付いていないようです。
横構図であれば右の方に、暗黒帯がおもしろいNGC4217という伴銀河も写ります。
最後に銀河の場所です。りょうけん座にある銀河ですが、北斗七星の2等星フェクダにも近い位置に有ります。
