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一日、一日を大切に

6月19日

会社で男性とすれ違った時、ふっと風が舞って男性から何かがひらひら落ちるのが見えた。なんだろうと見てみたら、コンビニのおにぎりをはがした時のテープの切れ端だった。まるで桜みたいに散ったおにぎりのテープに風情を感じたが、男性はそのまま足早に行ってしまった。

 

彼の体のどこかに隠れてくっついていたであろうこのテープは、知らない間に自分の服についてしまったごはん粒とよく似ている。意図せず、その人の可愛さや頑張っている姿が浮かび上がるのだ。

 

6月21日

相談して申し込み寸前までいった物件、サイト掲載から3日で埋まる。部屋をお求めの皆さん、梅雨時期だというのに行動が早すぎやしないでしょうか。駅周辺も歩いて、まだ居住中なので建物前まで見に行ったのにな。

未練もあるけど、まだこれから巡り合うべき部屋があるのだと考え直すことにした。週末を不動産屋に使うのも疲れてきてしまったので、日曜は休むことにした。

 

6月24日

クーラーを付けて寝ているのに、今朝は起きたら汗がなぜかびっしょりで体調が優れなかった。出社の仕事をしているが、何とか在宅に持ち込めないかと、持ち帰っていた社用PCと早朝から格闘。VPNの設定ができれば在宅が出来るのに、エラーが出てストップしてしまったので結局出社することにした。

 

早く諦めればいいのに、家にいたすぎてうだうだ粘っていたため、時間はぎりぎりどころか、間に合うのはほぼ不可能レベル。全速力で自転車を漕いで駅の階段を一気に駆け上ったら、自分史上最大に息苦しくなり、眼前に白い星が散った。過呼吸の予感。必死に息をしながらやっとの思いでホームに着いたら、結局電車が遅れていた。脂汗の嵐。脳内にSansanの松重部長(早く言ってよぉ)登場。

 

電車で携帯を覗くと、青白い自分の顔が映る。目の前に立っているアジア系のエキゾチックな女性が灼けた肌に真っ赤な口紅を付けていて、こんな悲惨なコントラストあるかい、と落ち込んだ。オフィスに着いた時にはすでに、持ってきていたペットボトルは空になっていた。

 

でもなぜか、「今日は私は駄目だ」と諦めた瞬間から、心の隅の方に固まっていた少しの力が溶けてきたというか湧いてきて、おまけに忙しかったので目の前のことを夢中でこなしていたら、夕方には意外と元気になっていた。朝には嘔吐寸前だった自分が、何事も無かったかのようにお客さんに愛想を振りまいているのが白々しかったけど、でも意外と他の人もこんな風に生きてたりしないのかなと想像したりした。

 

眠れない理由があったりして体調が優れない時も、とりあえず目の前のことを夢中でやってみるのは有効。

 

6月26日

朝起きたら両手の薬指だけが腫れていて、うまく握れない。これはまさかリウマチというのではないか? こんな風に、昨日とはまったく違う今日が突然訪れることあるのだと思い知らされた。健康を失った経験があっても、いつしかそんなことは忘れてしまう。それでまたこんな朝を迎えて、身体は大切にしなくては、今日一日を大切に生きなくてはと思い直す。人は忘れることで生きていけるというのは間違いないが、忘れすぎるのもいかがなものか。

 

それでも変わらずに仕事をしたが、私は大量の件数をスピード重視で片付けるという機械的な作業が本当に向いていない人間だということを実感した一日だった。特に人とのやり取りにおいて、機械的に素早く対応するということができない。

 

でも私、機械じゃないし、人間だし、そんなのこの人生ではできなくていいやと思い直す。ある面では使えなくても、ある面では意外とさまになるとか誰にでもある話。

 

前に似合っていた洋服や化粧が似合わなくなったら、それに代わる似合うものが必ず出てくる。健康を失えば、そこに学びが必ずある。できないこと、失うものがあれば、できることも得るものも必ずある。いつもそれを見つけられるわけじゃないけど、自分が探さなかったら誰が与えてくれるのって思うから探し続けるのみ。




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