「ワイルド7」第二部「バイク騎士事件」は、1969年から70年にかけて「少年キング」に連載されました。
- 作者: 望月三起也
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2002/10/30
- メディア: コミック
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そんな折、メンバーの一人である八百が、西洋の甲冑に身を包み、巨大な槍を装着したバイクに乗った、七人のバイク騎士に襲われて重傷を負います。
しかし、なぜか捜査に及び腰な草波。
ワイルド7たちは、草波隊長が、命令に背いた自分たちを処分して、バイク騎士を新たなワイルド7の後釜にしようとしているのではないか、と疑念を抱きます。
単身、独自の捜査を進める飛葉ですが、表の稼業であるルポライター*1の取材で、箱根の山中にある新格闘技、レスキック(レスリング+キックの合成語)のジムを訪れます。
レスキックは、殴る・蹴る・投げる・極めるのすべてを駆使する総合格闘技で、しかも拳にはグローブでなく革の手袋、ヒザには鉛入りのサポーター、シューズの足裏にも鉛を入れるというすさまじく過激なもの。
ジムでは、この過激な格闘技を売り込むため、テレビ局の幹部をここへ招いてはボコボコに暴行し、脅迫して契約させているのでした。
このことを知った飛葉も、格闘家たちによってボコボコにされます。
いくらワイルド7でも、素手の格闘技ではプロにかないません。
ブチ切れた飛葉は、仲間の両国に電話して、ヘリでバイクと武装一式を持って来させ、またジムに乗り込みます。
「また殴られたいのか?」とせせら笑う格闘家たちに、飛葉はなんのためらいもなくコルト・ウッズマンを発砲。
卑怯となじられる飛葉ですが、
「ひきょうだ? おまえらは裸の格闘技のプロだ!
こっちはプロじゃねえ、
それを素手で戦っちゃかなわねえのがあたりまえだ!」
と、完全に開き直ったような台詞を吐き、さらにバスバス撃ちまくります。
「おらおら、なんとかぬかせ!
さっきまでの威勢はどうしたんだ!」
と得意満面の飛葉。
あまりの事態に、
「き、きちがいだ!」
と、規制もやむなしな悲鳴をあげる格闘家。*2
このジムを裏で操っているのが、ワイルド7の宿敵である遠井弁護士とテレビプロデューサーの黒松、そして彼らのバックにいる政界の影の大物。
彼らの計画というのが、過激に血しぶきをあげる格闘技や、『人気あるコンビを使ったジャンケンゲーム』*3を放送するテレビ局を立ち上げ、高視聴率の番組のCMとして彼らの組織に属する人材を視聴者に売り込み、議員として国会に送り込み、国政を意のままに操る独裁者になることでした。
…なんだか、いろいろとツッコミどころはあるものの、最近の政治情勢をみると妙にリアルなような気もします。
黒松の素性に関して、草波は弱みを握られているために強く出ることができず、孤立無援の苦しい戦いを強いられるワイルド7ですが、結局は黒松の新テレビ局立ち上げパーティを襲撃して黒松を殺害し、彼らの陰謀を粉砕します。
真の黒幕である影の大物の正体は明かされず、遠井弁護士も逃亡して結局最終回まで登場しませんでした。
「ワイルド7」って、こういう大きな陰謀をぶち上げて伏線を張り巡らせたものの、結局すべてどっかにうっちゃって、ヘンな小悪党との対決で終わるというパターンが多かったんですね。
そういう計算をぶっちぎったところに面白さがあった、ということで納得しておきましょう。
男の魂、ってのはそういうもんなんですよ。
*1:この設定は、その後まったく出てこない。
*2:新版では「きがくるってる!と、こちらも微妙な台詞に差し替えられている。
*3:原文ママ、ちょうど連載当時問題になっていた「コント55号の裏番組をぶっとばせ!」のことと思われる。