中古HP EliteDesk 800 G4 DMをオークションで落札しました。ACアダプタとSSDが欠品で送料別9500円です。6年くらい前のビジネス用PCで、リース明けからだいぶ日が経っているはずですが、弾数は十分のようです。
事の発端は、ふと「サーバー側の技術を勉強したいな」と思ったことです。私はキャリアを通して組み込み畑で働いていました。サーバー側の技術に関しては現代人として常識的なことを知っているにとどまります。そこでサーバー側の仮想化などを手元でいじって勉強しようと思ったわけです。
こういう場合、私はいつもPC上のVMWareにLinuxをインストールしてつつきまわします。ところが今回はそれがうまくいきませんでした。試したいのはサーバー側の仮想化ソフトですが、そもそもVMWareが仮想化ソフトであるため、入れ子になるのです。そんなこんなで実験が前に進まないのでやふおくでよさそうなものを見繕って買った次第です。
1リットルPC
1リットルPCという呼び名があるわけではありませんが、事務仕事などでよく使われる小型PCのサイズがだいたい1Lです。細身の学習英和辞典を奥に伸ばした形をしていて、会社の机においても邪魔になりません。この形状はLenovoのThinkcenter、DELLのOptiplexなどが知られています。
リース会社が一括で仕入れてリース明けに放出するのか、ビジネスノートPCと並んで中古品の弾数が豊富かつ程度が割と良いものが手に入るのも特徴です。きちんとした品質のものは大手リース会社の再生備品として手に入るほか、オークションに出品されている玉石混合のものにチャレンジすることもできます。
HP EliteDesk 800G4 DMは、おそらく2018年に発売された製品です。CPUにはシンクライアント向けのIntelの第8世代Core iプロセッサを使用しています。7年前ということで値段が下がりきっていることと、これ以前の製品は性能が許容できないくらい低いことから実験用の中古としてはねらい目でしょう。オークションだと15000円から16000円が相場のようです。
リースで扱われることから周辺部品がそこそこ多いのもポイントです。
外観
手に持った印象は「思いのほか好感触」です。大量生産品という思い込みを裏切り、チープさは感じさせません。焼付塗装されたプレス加工品の筐体はがっしりとした手ごとたえです。
フロントはぱっと見たところ真空管アンプを思わせるデザインです。DELLもLenovoも真っ黒なデザインですのでHPのほうが都会っぽいといえないこともないです。しかし最新機種では真っ黒のITっぽいデザインに変わりました。
前面のType-C USBポートは1つ。パワーデリバリーではありません。Type Aポートは公開されている使用ではUSB 3.0となっておりWindowsデバイスマネージャの表示でもUSB 3.0です。しかしレセプタクルの色はUSB 2.0を表す黒になっていてちょっと戸惑います。見えるところがカラフルだとうるさいので嫌がったのでしょうか。

後方にはUSB 3.0ポートが4つあります。こちらも黒です。DisplayPortが2系統ある上にオプションに1系統のビデオ出力を追加することができます。オプションのビデオポートはVGA/DisplayPort/HDMIから選ぶことができます。私の個体にはVGAポートが追加されていました。なお、オークションにはオプションポート用のUSB Type-Cボード*1、RS-232Cボード*2を見つけることができます。
Ethernetポートは1000BASE-Tです。

内部
背面にあるローレットねじを手で回すと上面のカバーを開けることができます。ねじが固い時にはトルクス・ドライバー*3かマイナス・ドライバーで開けます。HPでの製造にはトルクスを使い、現場では指や汎用品のマイナス・ドライバーでも開けることができる設計思想なのでしょう。
私の個体にはHDDのケージがないため内部はがらんとしています。
m.2ポートが3つありますが、2230フォームファクタが無線専用で、2280フォームファクタの2つはNVMeストレージ用です。ストレージ用m.2ポートのキーはMキーでした。
実はこのシリーズ最新版のElite mini 800 G9はストレージ用のm.2が2つしかありません。確かにシンクライアント用だと1つあれば十分です。じゃあなぜG4に2つあるかというと、どうやらIntelがOptaneメモリを推していたことと関係があるようです。兵どもが夢の跡ですね。
上の段落は私の勘違いでした。HPのミニPCのM.2ポートはEliteシリーズが3ポート、Proシリーズが2ポートです。これは今でも変わっていません。

CPUファンは筐体で押さえてあるだけでネジ留めしてありません。ツールレスで車のボンネットのように持ち上げることができます。DDR4メモリが2スロットあり、この機種だと64GBまで増設できるようです。
こんな具合に、中古PCとして購入した場合にいじりたい場所へはツールレスで簡単にアクセスできます。

Windows 11でテスト
サーバーで遊ぶ前にWindows 11でテストしてみることにしました。この製品が発売された2018年ごろには大企業製のPCはハードウェアにWindowsのライセンスが組み込まれています。そのため、ハードディスクを買い替えてWindows をクリーンインストールしてもちゃんとライセンスを取得できます。おかげで気軽に中古を買って使うことができます。
最初にコイン電池を交換します。私の場合電池が空だったので毎回BIOSエラーが出ていました。コンビニでCR2032電池を購入して解決です。
電池の次はSSDを装着します。Lifebook U939を買ったときに実験用に集めた256GBのSSDのデッドストックがあるため、それを使いました。ただ、それらのSSDは2242フォームファクタですが、本機に使用できるのは2280フォームファクタのSSDだけです。そこで、アマゾンで売られているSSDの延長治具を使って伸ばしました。これはねじを締める圧力で二つの基板をつなげるとという小学生の発想のような製品です。当然ですが衝撃や長期使用に耐えるとは思えませんので、あくまで短期実験用です。長期で使いたければ折った部分の基板を捨てずに接着剤で両者を接着して補強すればよいでしょう。

ハードウェアの準備が終わったら、BIOSをアップデートします。便利なことにこの機種はOSなしでもBIOSをネットワークからアップデートできます。あっけないくらい簡単でした。

これで準備が整いました。
USBメモリにWindows 11のISOイメージを焼いて本機にさし、起動します。特に何の問題もなくインストールが進み、あっさりと完了しました。当たり前ですね。ビジネス機ですもの。Windowsが動くに決まっています。
使い心地ですが、やはり7年前の小型機ですので何もかもがサクサクというわけではありません。特にWEBブラウザでページを開くときには少しもたつきます。ただ、Youtubeの視聴やテキスト入力にはストレスはありません。この文章も本機ではてなに書いています。
最後にYoutube視聴中の画面を貼っておきます。Full HD画質のときのCPU負荷はだいたい6%でした。また、正規ライセンスを使用していることもわかります。
Youtube視聴中はファン音はほとんどしません。部屋の窓を閉じてエアコンやファンヒーターを切れば回っていることがわかる程度です。ただし、最大負荷がある程度の時間続くとキューンと耳障りな音を立ててファンが回ります。ちょっとイライラする音です。インストール後1日くらい使っていますが、そこまでファンがうなったのはWinodws updateの時だけでした。宅内サーバーとしては気にならないと思います。
ところで申し訳程度にスピーカーがついており、オーディオを聞くことができます。試しにらじるらじるを聞いてみたところ、当然のように低音の抜けた音になりました。もっとも、これはこれで味があります。昔ポケットラジオで株や競馬を聞いたおじいちゃんたちなら感涙にむせぶことでしょう。

まとめ
HP EliteDesk 800 G4 DMを中古で購入しました。標準部品を使うことを最大限に利用したいじりやすい製品だと感じます。主記憶8GB、SSD 256GBでも、メール、WEBページ閲覧、Youtube視聴程度の仕事であれば普段使いすることもできそうです。
この後は格安で買った主記憶32GB、SSD 1TBを装着してサーバー実験機とします。