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飛びつき抱っこハグ出ました!

日本の大エースがまたもやってくれました。大会も折り返しを迎えたミラノ・コルティナ五輪、スピードスケート女子500メートルで?木美帆さんが銅メダルを獲得しました。これで500メートルは前回北京での銀につづく2大会連続メダル。すでに獲得している1000メートルでの銅とあわせて2大会連続での500・1000・1500でのトリプルメダルも視界に入ってきました。この勢いでチームパシュートを含めた4メダル、金入りで取り切ってもらいたいものです。




今大会では自身の真の種目と自認する1500メートルでの金を最大の目標とし、大会入りにあたってもそこにフォーカスしてきた?木さん。この500メートルは出るのか出ないのかわからないといった具合で、方針を明確にしてきませんでした。主要な国際大会への出場もワールドカップ第3戦ヘーレンフェーン大会の2部での優勝があるくらいで非常に限定的なものでした。

そのため世界ランキングは下位になっており、この日の登場も第4組という早い順番でのものでした。通常であればメダルを争う選手が出てくるような順番ではありません。実際、今季美帆さんが試合で記録してきたタイムを見ても38秒台から37秒台後半といったところで、最終的に36秒台に入るのではないかというメダル争いを云々する実績は残してきていませんでした。

しかし、ふたを開けてみればそこにいたのは世界の?木美帆さんでした。第4組アウトレーンからスタートした?木美帆さんは、スタートしっかり決めると、最初の100メートルを全体でも4番目のタイムとなる10秒40で入ります。少し距離が長いところで強みを見せる美帆さんとしては非常に速い入りで、最初のコーナーの出口では早くも時速53キロ弱までスピードを伸ばすなど、さらに後半へと伸ばしていけそうな手応え。アウトレーンのスタートだったことと同走の中国・王さんも前半型で非常に入りが早かったことで、同走選手が美帆さんにとって絶妙にいい位置でのターゲットになってくれるという幸運もありました。美帆さんはバックストレートでは時速55キロに迫るところでまで加速し、3コーナー・4コーナーに入っていきます。

このコーナーでも非常にスムーズな動きで、52〜53キロ台でまわってくると、ストレートに戻ってくる頃には再び54キロを超えるところまで加速するなど、まったくロスがありません。最後までスピード落とさず入線すると、本人も即座に笑顔を見せる好タイム37秒27が出ました。自己ベストに近いこのタイムは、ワールドカップでも表彰台圏内に入るもの。解説の加藤条治さんも「めちゃめちゃいいです!」「これはいいです」「あ、これはいいです」「あれ?メダルも狙えるところまでもしかして」「あれれ?」と大興奮です!

↓いわゆる漬物石となって美帆さんはこのあと長くトップに座りつづけます!


日本勢の山田梨央さんも37秒78でつづき、一時は日本勢のワンツーとするなど、さらに期待感が高まっていくレース。美帆さんのタイムを上回る選手がようやく出たのは第12組、1000メートルを圧倒的な強さで制したユッタ・レールダムさんのところでした。それでもタイムは37秒15とわずかな差。これはリアルに美帆さんのメダルも見えてきました。

組が進んで優勝候補が並ぶ最終盤へ。第14組ではメダルの期待がかかる日本の吉田雪乃さんも登場しますが、タイムを伸ばせず。これで残るは最終組の2人だけで、依然として美帆さんは2位をキープしています。銀か銅か4位か。最終組の世界記録保持者フェムケ・コクさんと、この種目で北京五輪金のエリン・ジャクソンさんのレースで美帆さんの結果が決まります。

「この2人が残っているのではさすがに4位までか…」と覚悟しつつ見守ると、何とバックストレートでエリン・ジャクソンさんがつまずいてしまいました。このわずかな減速が最終的にメダルの有無を分けました。先着したコクさんはオリンピックレコードでの金、そしてエリン・ジャクソンさんは37秒32でわずかに美帆さんに及ばず4位。?木美帆さんの銅メダルが決まりました!

↓決まった瞬間ガッツポーズからダッシュしてコーチに飛びつき抱っこハグする美帆さん!


1000メートルでは銅でも悔しそうにしていたのに、500の銅はめちゃめちゃ嬉しそう!

基準がよくわかりません!



スタンドで見守る姉の?木菜那さんもジャンピングガッツポするなど喜びに沸く日本勢。オランダファンで埋まる場内からも、長年にわたり鎬を削る強力なライバルへの敬意を込めて美帆コールが贈られました。互いにチカラを出したレベルの高い決着、その一角に日本の大エースが食い込んだことは誇らしくさえなるよう。出るか出ないか迷うくらいの扱いだったはずの種目が、いざ銅となるとめちゃめちゃ嬉しそうにしているあたりの喜び基準は謎が深まるばかりですが、とにかく美帆さんが喜んでいる姿が見られて嬉しい限り。

1000のときよりも動き自体がよくなっている雰囲気もあり、本人的な手応えも増しているようなので、これはチームパシュートと1500メートルでも大いに期待できそう。「1500があるので500は控えた」が想定された動きだったなかで、「1500があるのに500も出た、そしてメダルを獲った」わけですから、これはもう大きな大きな結果が見えてくるというもの。最大最強のライバルと目されたオランダのヨーイ・ベーネさんが1500メートルの代表を逃したということも含めて、吹く風はオール追い風になってきました。

4種目出場というのは大変過酷で、そのなかで一番狙っている種目が日程の最後になるというのは難しい状況ではありますが、それを乗り越えてこその大エース。歴史を紐解いても、スピードスケートの王者というのはそうやっていくつもの種目を制してきました。最後に向けてあげていく、その過程においてもしっかりメダルを確保する。そんな大会の流れを構成して、最後に500以上の笑顔を見せてもらえたらいいなと思います。そのときは飛びつき抱っこハグスペシャルでヨハンコーチをひっくり返す感じでいっちゃってください!



強いオランダ勢を打ち倒して悲願の金をつかむ締め、見えてきました!