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2025年09月08日08:00
日本女子バレーの未来に光が見えた4位!
いやー、惜しかった。「惜敗」という表現がお世辞とか優しさではなく文字通りに似合う、紙一重の敗戦でした。2010年大会以来15年ぶりのメダルを目指した日本女子バレーの世界選手権3位決定戦は、マッチポイントを握る瞬間もあったうえでのフルセット負けとなりました。ただ、そこまで到達したこと、その位置に「到達」のくさびを打ち込んだことはきっとこの先につながるものになるはず。遠ざかっていくような気持ちで見ていた光を再びしっかりととらえることができた、この惜しさが財産になる、そんなことを思える大会でした!
#2025女子世界選手権大会 3位決定戦、#バレーボール女子日本代表 はブラジルにセットカウント2−3のフルセットで敗れ、本大会を4位で終えました。
— 公益財団法人日本バレーボール協会 (@JVA_Volleyball) September 7, 2025
最後までご声援をお送りいただきありがとうございました。
Photo: @volleyballworld#WWCH #STRONGROOTSFirstBloom pic.twitter.com/zKDoZMP0wn
パリ五輪では決勝トーナメントにすら進めず予選ラウンド敗退の9位に留まり、大会後には大エース・古賀紗理奈さんが引退ということで、しばし雌伏の時間がつづくだろうと見込まれた日本女子バレー。しかし、今大会の活躍はその見立てを完全に払拭するものでした。熱戦に次ぐ熱戦でのベスト4進出。準決勝トルコ戦は「あと1点」があればフルセットまで持ち込めた激闘で、3位決定戦も「あと1点」があれば銅メダルという惜敗でした。平均身長だけを見れば絶望しか思い浮かばないほどの大きな差を跳ね返し、我慢と粘りで際どい勝利をもぎ取る姿は本当にお見事でした。
メダルを懸けてブラジルと争った3位決定戦などは、本当に見事なものでした。第1セット、準決勝での敗戦を引きずっていたのか、あるいはブラジルの高さと強さの前に圧倒されたのか、まったく精彩を欠く日本。サーブジャッジで判断ミスが連発するなど、瞬く間に大差をつけられ12-25で早々にこのセットを落とします。日本の得点はほとんどサイドアウトによるもので、往年のサーブ権のあるときしか点が入らないルールであればこのセットの日本の得点はたったの1点。限りなく完封負けに近い内容でした。
つづく第2セットも大勢変わらず、中盤には5連続失点で6-12とされ、セットカウント0-2は不可避と言える状態に。ブラジルの高いブロックを前に、打てば止められ、避ければ待ち構えて拾われ、コースを狙えばアウトになると手詰まり感も覚えるほど。僕も時計を見ながら「これなら阪神優勝には余裕を持って間に合うな…」「石破会見より先にこの試合が終わるかも…」「まぁ、昨日のあの負けのあとでは仕方ない…」と気持ちをなだめながらの観戦となったもの。
しかし、日本女子はしぶとかった。セッターを代え、ミドルを代え、タイムアウトを惜しまず速やかに使い、打つスロットを変えていこう、目の前のことに集中していこうなど戦術面と精神面両方に具体的な指示を与え、タイムアウトがなくなれば無理目のチャレンジを仕掛けてでも間を作り、ベンチからアクバシュ監督が何とかしよう、何とかなるまで手を繰り出そうと畳みかけてきます。ベンチワークの動きの早さとタイミングの的確さと「熱さ」は大会を通じて光る日本の強みでしたが、そのしぶとさが第2セット終盤の追い上げ、そして第3セットにつながりました。
第3セットは珍しく日本にブロックポイントが出て最初の得点を取ると、相手のアタックライン踏み越し、スパイクアウト、日本の素晴らしいディグからの得点と「いい流れ」が立てつづけに起こり、5-0スタートというこれ以上ない立ち上がりに。このいい流れのなか、佐藤淑乃さんのスコア・決定率はグングン上がり、それによって石川真佑さんや和田由紀子さんへ向ける注意も分散され、ブラジルのブロックも「壁」から「柵」程度に見えてきました。ミドルも積極的に絡める多彩な攻撃で序盤のリードを守り切った日本が、第3セットを奪い返してやおら反撃ムードを高めます。
↓最後は佐藤淑乃さんがサービスエース&バックアタックで決めた!
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— TBS バレーボール (@TBSvolleyboo) September 7, 2025
🏐#世界バレー 女子🏐
📺地上波TBS系列放送中📺
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【3位決定戦】
🇯🇵日本 ??㉕ 1️⃣
🇧🇷ブラジル ㉕㉕? 2️⃣
<第3セット終了>
🇯🇵日本 25-19 ブラジル🇧🇷#佐藤淑乃 選手のサービスエースで
セットポイントに持ち込み… pic.twitter.com/hlFnj7PMMp
第4セットは逆に日本が攻撃を決め切れず、0-5にされる苦しい立ち上がりに。返すだけでいいボールをブロックされるなどイヤーな場面も生まれ、序盤で早くもタイムアウトをひとつ使わされる格好に。その悪い流れを日本は佐藤さん、和田さん、石川さんによる打ち分けで断ち切ると、「相手のリベロが見送ればアウトのボールを拾ってしまう」なんて幸運にも恵まれ、1ローテで1点ずつ詰めていくという爆発への予感漂う追い上げ展開に。そして12-13としたところから、山田二千華さんサーブのローテで一気に15-12までもっていきます。たまらずブラジルもタイムアウトで立て直しを図りますが、王者の余裕かブラジルはいつも一手タイムアウトが遅い感触です。
その後、両チームスコアを重ね合うなか、日本は佐藤淑乃さんのサービスエースで一歩抜け出すと、24-22でセットポイントを握ります。すると、前日のトルコ戦でこの状況からセットを落とした記憶もよぎるなかで、それを乗り越えられたか試すように日本を試練が襲います。24-23で迎えた相手サーブからのラリー中に審判が試合を止め、ブラジルにオーバーネットがあったとして日本の得点…つまり第4セットの勝利を示したのですが、これに対するブラジルのチャレンジによって逆に日本のオーバーネットと判定され、25-23で勝った気分から24-24のデュースに引き戻されたのです。
これが「ブラジルのオーバーネットがあったかなかったか」のチャレンジの成否であれば、仮にブラジルのチャレンジが成功したとしてもノーカウントで24-23からやり直すだけですが、その過程で逆に日本にオーバーネットがあったことが確認されたため、逆にブラジルに得点が入るという2点損したような気分になる判定結果。「あと1点」に号泣した土曜日から24時間後にまたこれとは、なかなかに厳しい場面です。
ただ、ここで日本側が巧みだったのは、ナチュラルなのか意図的なのかはわかりませんが、アクバシュ監督が頭を抱えて叫びながら猛抗議をしたこと。判定は覆らないにしても、抗議の意志を示し、騒いで間を作ったことで、選手たちもある程度落ち着くことができたよう。ブラジルが再逆転で25-26とマッチポイントを握った状況でもひるむことなく、むしろ佐藤淑乃さんなどは怒りなのか自覚なのか「私に持ってこい」の頼もしい表情を見せ、ここからのしびれるスコアを連続で取り切りました。再逆転で29-27、日本が第4セットを取り、試合はフルセットへ!
↓この頼もしさは「エース」の顔!
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— TBS バレーボール (@TBSvolleyboo) September 7, 2025
🏐#世界バレー 女子🏐
📺地上波TBS系列放送中📺
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【3位決定戦】
🇯🇵日本 ??㉕㉙ 2️⃣
🇧🇷ブラジル ㉕㉕?㉗ 2️⃣
<第4セット終了>
🇯🇵日本 29-27 ブラジル🇧🇷
壮絶なデュースの中#佐藤淑乃 選手のスパイクが炸裂‼️‼️… pic.twitter.com/gcqhKn3bg7
最終第5セット、日本はブラジルと互角に戦いました。試合の序盤は3位決定戦らしい試合になるのかどうかさえ不安に思いましたが、ブラジルの選手たちを震えさせ、本気の本気を引き出すような戦いを見せました。サイドアウトの連続から、日本が二度のマッチポイントを握るところまでいきました。トルコ戦とは違う、本当の「あと1点」までいきました。その「あと1点」を許さず、失うことなく決めつづけた相手のエース・ガビが凄かった。あと0.5点ぶんほど、どこかであとひとつスコアを重ねて、相手サーブで24-23の状況を作れていたなら…そのくらいのわずかな差だったと思います。「あと1.5点」の1点差ではなく、「あと0.5点」の1点差にできていればメダルだった、そう思います。
そんな惜しさのなかでもイイなと思ったのが、すでに選手たちは頭を抱えて負けムードを作っているなかで、ちょっとどころではなくだいぶ無理目であってもチャレンジを仕掛けたアクバシュ監督のしぶとさです。コートにいる選手たちも、おそらくアクバシュ監督自身もタッチネットなどないだろうとは思っていたでしょう。それでも、使える権利と残された可能性に最後までしがみつく、それは世界のどのチームにとっても当たり前でありながら、日本チームには全般的にやや足りない気がする種類の強さだなと思います。潔さは美徳だけれど、もっとしぶとくてふてぶてしい、そんな貪欲さこそが「あと1点」を取る鍵だとすれば、このチームはそういったものを発揮していけそうな気がしました。メダルには届きませんでしたが、ロス五輪のメダルを目指すことを堂々と宣言できる、そんな世界選手権になったと思います!
↓あとひとつ、あと一本武器があれば勝てた気がしますね!
↓たとえば「みんなを助ける1点」「最後の1本」「あと1点」を託される選手が何人もいるとか!
まぁ、その「あと1点」までよくたどり着いてくれました!
最初の2セットのまま終わってたら「世界は遠いな!オス!」で終わってましたからね!
最初の2セットのまま終わらなかったこと、それを大きな財産として、次へ!
たとえガビやバルガスやエゴヌはいなくても、相手を迷わせればいい!